アンカデキメルゼが単独首位でゴールし1時間以上経った後。スティール・ボール・ランの2nd.STAGEを通過するチームがだんだんと増え始めてきた。
《2nd.STAGEを走破するチームがだんだんと出始めてきたな!ここいらで3rd.STAGEがどんな場所かをおさらいしておくぜ!特に今回はご新規さんが多いかもしれないからな、説明は必須だ!心して聞いておけよ?》
実況から改めて3rd.STAGE──モニュメントバレーからキャノン・シティまでのルートの説明が入る。
《スタート地点はモニュメントバレー!そしてゴールとなる場所はキャノン・シティだ!その距離は約510km!2nd.STAGEの半分ほどの距離だな。だが!だからといって油断は禁物!2nd.STAGEは砂漠だったが、この3rd.STAGEは山岳地帯を走ることになるぜ!ロッキー山脈を抜けるこのルート、最短予想日程は7日……だが!第1回の走破タイムはなんと5日での走破を可能にしている!それ以降はほぼ7日通りになっているが……今年は違う!》
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・そうだそうだ! ・早く映せー! ・fooooo! ・wktk! ・かーらーのー? ・この道5日ってのも大概イカれとる ・そうだな、アイツがいるもんな! ・一体何デキメルゼなんだ… ・ドキドキ ・早くトップチームを映してくれ! |
《コメント欄も大盛り上がりだな!そう!今回のレースはシルバーラビットがいるからな!果たして彼女は何日で走破するのが非常に楽しみ……だが!今年集まったチームも中々の粒ぞろいだ!なんと今回のスティール・ボール・ラン、例年
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・気のせいじゃなかったか ・やっぱ他もそれなりのペースで走ってんのね ・あれでやる気出さなかったらもうチキンどころの話じゃない ・今年はマジで面白れぇな! ・でも1人には勝てん模様 ・※なおそれでも安全走行は変わらず ・アンカデキメルゼがんばえ~ ・シルバーラビット先頭で何してんだろうな? ・どうせ不正でもしてるんでしょ ・いのちだいじには基本やからな ・1人は1人でもアイツ1人で軍隊みたいなもんだから |
《ロッキー山脈を抜けるこのコース。距離こそ2nd.STAGEの半分だが過酷さは負けてないぜ?出走者達はここをどう攻略するのか!スティール・ボール・ラン、見逃さずに見てくれよな!》
配信の同接者200万人越え*1。だが数字の上昇は衰えることを知らずに今も伸びている。スティール・ボール・ランの注目度は凄まじいことになっていた。
レースは3rd.STAGEへと突入する──。
さてさて。現在進行形でトップを走る僕でございますが。
「う~ん……山脈越えはモンゴルで経験しているとはいえ、やっぱりキツいよね~」
今はちょいと休憩中。干し肉をかじりながら地図とにらめっこしてルートの検索中だ。
今回の区間では滑落の危険がある。ルート取りはさっきの砂漠越えよりも慎重にならざるを得ない。滑落なんてしたらえらい目に遭うし。
「後続もな~。さっきの配信聞く限りだと1時間ぐらいの差か~。まぁ1時間も差をつけられて御の字って思うしかないのか?」
後々のことを考えたらもうちょっと差を広げたいところ。幸いにもここは山岳地帯だ。砂漠だった2nd.STAGEと違って凄く道がデコボコしている。モンゴルダービーで経験したことだけど、このデコボコ道を走るのって案外きついんだよね。だから後続も少し手間取るだろうね。……手間取るよね?
「……あんまり考えるのは止めよ。それよりも早いとこ走るか」
荷物を持って走り始める。日没まではまだ時間があるし、ここで野営をするのは大分きつい。せめてもうちょっと開けた場所で野営をしたいところさんだ。
山岳のデコボコした道を走り続けて。少しばかり開けた場所に出たところで。
「よし!今日はここまでにするかな!そろそろ日没だし、野営の準備をしよう!」
そうと決まればちゃっちゃとテントを引っ張り出して野営の準備を始めますよっと。テントを立てるのにも手慣れたもんだ。今では設営に10分も掛からないね!ちょっと盛ったかもしれないけどまぁいいでしょ。
「さてさて、ウマホを充電しながら配信を見ますかね。ポケットWi-Fiマジで神~!」
どうやって充電してるのかって?そりゃあなた、充電をするための機械とか諸々持ってきてるに決まってるでしょ。最近はコンパクトな手回し発電機が多くて助かりますよ~!え?余計な荷物?うるせぇ!僕にとっては大事なものなんだよ!ウマホができなかったらどうやって僕は安価するんだよ!
ポケットWi-Fiの充電はちょこちょこ休憩している間に済ませてるからね。さてさて、配信はどんな感じかな~?
《ここで3rd.STAGEの1日目が終了だ!トップを走るのは変わらずアンカデキメルゼ!走行距離は67kmだ!おいおい?2nd.STAGEから連続で走ってるのに今回もそれなりの距離を走ってるな?コレは今後が楽しみだぜ!2位通過のチームは38kmだ!シルバーラビットとの差はざっと29km!あまり離れてないように思えるな。3位は31kmでフィニッシュ!3rd.STAGEも始まったばかり、ここからどうなるか見ものだぜ!ここからは配信終了までここまでのハイライトシーンを流すからな!》
その声とともに配信は終わり、スティール・ボール・ランのこれまでのハイライトが流れていく。お!1st.STAGEの僕の映像じゃん!さてさて、コメントの程は?
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・いつ見てもすげぇな ・っぱこの挑戦の姿勢こそがシルバーラビットよ ・ゆーて無事じゃすまない可能性もあるけどね ・これをするからこそアンカデキメルゼ ・不可能と思われることを率先とやりに行くこの姿勢、やっぱ最高だわ ・でも他の参加者も速いよな今回。結構なハイペース ・毎朝変なことやってる2ndSTAGEの映像まだー? ・てかアリゾナ砂漠かなりの不利だったのにトップ通過はヤバすぎ ・アンちゃんLOVE! ・後ろから撮ってる映像ないの?デカケツ拝みたい |
やったやった!好評じゃないですか……ちょっと待て!誰がデカケツだオイ!最近擦られてないから忘れてたのに!
「ぐ、グヌヌ……やっぱりちょっと大きいのかなぁ?」
そりゃあ、僕の身長を考えればちょっとデカいかもしれないけどさ。でもノーマルだよノーマル!ノーマルサイズ!
まぁそれはいいや。それよりもコメントにチラホラと散見される言葉。
「危ないルートを通ってる、他が真似したら危ない……う~ん、やっぱり言われるよね。でも」
ぶっちゃけ言われるとは思っていたことだ。だけど、僕が通っているルートは
「だけど誰も通ってこなかったなぁ。危険っちゃ危険だけど、複数人で渡る分安全なのに」
崖越えはともかく、砂漠越えに関しては1人で渡るから危険に思えるけど複数人で渡るとそれほど危険でもないルートだ。チームで持っていく荷物を分担しているわけだし、回収さえすれば後は休めるんだから普通に考えればそうでもないルートだよね。だけど、それを取らないのは……。
「危険という意識が根付いているから……だろうね」
でも技術も色々と進歩している。安全面に関しては当時よりもはるかに高水準だ。なのにルート取りに関しては年々劣化する一方。決められた安全なルートをみ~んなが通るだけのレース。駆け引きなんてものはないし、完走することに意義があるなんて風潮。そりゃつまらないよね。
けどその意識も良い方向に変わりつつあるんじゃないかな~?とは思っている。なんてったって。
「他の参加者達もペースを上げている。いいねいいね!」
他のチームも僕に追いつこうとペースを上げているのだ。これは良い傾向だね!
トレーナーさんとの仕込みもあるんだから、それが無駄になるのは寂しい。それが効果を発揮するのは本当に最終局面なんだけど……まぁいいか。
とりま3rd.STAGEも始まった。この調子で頑張りまっしょい!
そこそこの差に収まっている気がしないでもない。