今日も楽しく安価だ!   作:カニ漁船

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安価ウマ娘唯一の友達。


安価ウマ娘の友達

〈トレセン学園生徒ワイ、明日の登校の時になにをするかを安価で決める〉

 

 

1:名無しのウマ娘 ID:kSktrbRNI

・周りに迷惑を掛ける行為はNG

・あくまで常識の範疇で

例:食パンくわえて登校

というわけで安価、ファイ!

 

 

>>13

 

2:名無しのウマ娘 ID:vA6Aupkrq

面白そうな安価だな。とりま学校まで兎跳び

 

3:名無しのウマ娘 ID:yFy3K4z0S

大根抱えて登校

 

4:名無しのウマ娘 ID:w+F4Y+mbj

遅刻ギリギリに登校

 

5:名無しのウマ娘 ID:zw+H0QEq3

変な安価するなぁ

 

6:名無しのウマ娘 ID:0UaMbTyLA

たまにはええんちゃう?中々面白いと思うで

 

7:名無しのウマ娘 ID:agYsgSzyX

やな。じゃあ朝飯食いながら登校で

 

8:名無しのウマ娘 ID:FIsiBlDkO

>>3なんで大根抱えるんだよ

 

9:名無しのウマ娘 ID:pWuQdo5A9

ワイトもそう思います

 

10:名無しのウマ娘 ID:ZC7oGjZdd

さてさて、今回のイッチはどうなることやら

 

11:名無しのウマ娘 ID:NPKX+IxrU

コテハンもつけといて

 

12:名無しのウマ娘 ID:yFy3K4z0S

>>8なんか手元に大根あったから……

 

13:名無しのウマ娘 ID:gd2KEnllW

逆立ちで登校

 

14:名無しのウマ娘 ID:oWpi9uMtT

安価もろたで工藤!歩き読書で登校や!

 

15:名無しのウマ娘 ID:W74GS0T/E

手元に大根がある状況ってなんだよ

 

16:名無しのウマ娘 ID:agYsgSzyX

お?

 

17:イッチ ID:kSktrbRNI

逆立ちで登校ね。了解

 

>>11コテハンはこれで行く

 

18:名無しのウマ娘 ID:DE3wpeKY7

これ距離によっては中々だぞ

 

19:名無しのウマ娘 ID:vA6Aupkrq

つーかどうやって証明するんや?安価せずに逃げる可能性あるやろ?

 

20:名無しのウマ娘 ID:XzJfTEvYv

それもそうやな。そこんとこどう考えてるんイッチ?

 

21:名無しのウマ娘 ID:K9s/vXAWm

ミス〇ルの村中〇太郎じゃねぇんだから

 

22:イッチ ID:kSktrbRNI

>>19>>20その辺は協力者いるから大丈夫。バッチリ撮影してもらうで

 

23:名無しのウマ娘 ID:gTlKsL/lC

ちくわ大明神

 

24:名無しのウマ娘 ID:vA6Aupkrq

これでイッチが美少女だったら笑う

 

25:名無しのウマ娘 ID:JvQ7FwuJx

>>24そんなわけないやろwwwどうせトレセン生徒ってのも釣りやwww

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 不思議なウマ娘、アンカデキメルゼと出会って数日が経った。あの日以降彼女とは会っていない。

 

 

「ん?なんか校門前が騒がしいな……。何かあったのか?」

 

 

 興味本位で近づくと……たづなさんと、銀色の髪をロングにしたウマ娘……アンカデキメルゼがいた。アンカデキメルゼは何故か逆立ちだが。いや、本当になんでジャージ姿で逆立ちしてんのあの子!?

 

 

「あ、あの~。アンカデキメルゼ、さん?何をしていらっしゃるのですか?」

 

 

「見て分かりませんか?逆立ちで登校しています」

 

 

「それは見れば分かりますが……何故逆立ちで登校を?」

 

 

「神の啓示です」

 

 

「そ、そうですか……。では、気をつけて登校してくださいね~……ハァ」

 

 

「あぁ。それと……」

 

 

「……なんですか?」

 

 

「おはようございます、たづなさん。そういえば、挨拶をしていませんでしたね」

 

 

「……挨拶したかを気にする前に、もっと気にするところがあるでしょう!?」

 

 

(((ごもっとも)))

 

 

 この場にいる全員の心が一致したような気がした。しかし……また神の啓示とやらか。

 

 

(彼女を縛りつける神の啓示……一体何なんだ?)

 

 

 そうやって彼女へと視線を向けると……?

 

 

(あのカメラを回しているウマ娘の子は誰だ?)

 

 

「ヴィッパー、バッチリ撮れているか?」

 

 

「大丈夫ですアンちゃん。しっかり撮れているです」

 

 

「そうか。では……ほっ、と。この辺で止めるとしよう。もう校門を過ぎたことだしね」

 

 

「ジャージに着替えるくらいなら止めればいいです」

 

 

「何を言うヴィッパー!僕にとって神の啓示は絶対だ!一度決まった神託をやり遂げないなど……ッ!僕のポリシーに反する!」

 

 

「もうそれ聞き飽きたのです」

 

 

 ヴィッパーと呼ばれた……暗い色をした栗毛の小柄なウマ娘はアンカデキメルゼの姿を撮っている。それに、彼女と親しそうだ。友人か何かだろうか?

 

 

(もしかしたら……彼女ならアンカデキメルゼの事情も知っているのだろうか?)

 

 

 だが2人はすでに立ち去っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間が過ぎて昼食の時間。俺は同期のトレーナーと今朝あった出来事を話していた。

 

 

「……にしても、アンカデキメルゼはまた変なことやってたんだな」

 

 

「あぁ。本当に不思議だな、彼女は」

 

 

「なんだお前?アンカデキメルゼを狙ってんのか?」

 

 

「い、いや!別にそういうわけじゃ……ないけど……」

 

 

 同期で仲のいいそいつは、茶化した表情で俺を諭してきた。

 

 

「だったら止めとけ。アンカデキメルゼがどれほどのウマ娘か……あの選抜レースを見に行ったお前なら分かるだろ?」

 

 

「……まぁ、そうだな」

 

 

 2秒出遅れての追い込み勝ち。あんな勝ち方、普通はできないだろう。例え追い込みに適性があったとしてもだ。

 

 

「それに、どのチームも彼女を狙ってるからな。大ベテランのトレーナーを始め、リギルやスピカも彼女を狙ってるって噂もあるぐらいだ」

 

 

「……まぁ、そうだよな」

 

 

「だがまぁ、新人の俺らでもワンチャンないことはない」

 

 

「どういうことだ?」

 

 

 そいつは真面目な表情で答える。

 

 

「アンカデキメルゼというウマ娘はかなりの気性難だ。彼女の言う神の啓示を絶対視しているという関係上、誰かに縛られるということを激しく嫌っている。だからこそ、彼女がリギルに入る可能性はほぼないに等しい」

 

 

「まぁそうだな。リギルは練習の量とか徹底的に管理しているし」

 

 

「だろ?その関係でリギルはまず除外。それにアンカデキメルゼは協調性が皆無だ。神の啓示とやらを絶対視するあまり、な。加えて、いつもむすーっとしているから他のウマ娘も敬遠しがちだ。授業で2人組を作る時も大体あぶれているらしい」

 

 

「……それは可哀想だな」

 

 

 なんというか、アンカデキメルゼという少女の悲しい側面を見た気がする。

 

 

「だからチームに入る可能性もない。となれば……俺達個人トレーナーが一番スカウトできる可能性が高い!」

 

 

「おぉ!そう言われるとなんかいけそうな気がするな!」

 

 

「だろ?それに……実はここだけの話なんだが」

 

 

 俺に耳打ちしてくる。

 

 

「アンカデキメルゼと唯一仲の良いウマ娘がいるらしい。それが……あの子だ」

 

 

 俺はそいつが指を指した方向を見る。そこには……今朝見た、暗い色の栗毛をぼさぼさのショートにしたウマ娘がいた。確か……ヴィッパーと呼ばれた子だ。

 

 

「あの子の名前はスミニンヴィッパー。アンカデキメルゼの幼馴染らしい」

 

 

「スミニンヴィッパー……」

 

 

「あの子ならアンカデキメルゼの事情を知っているかもしれないな」

 

 

 そう言って彼は去っていった。もう食べ終わったらしい。俺も急いで食べる。食器を片付けて……俺はスミニンヴィッパーの下に向かった。

 

 

「ご、ゴメン。ちょっといいかな?スミニンヴィッパー……だよね?」

 

 

「……?確かにヴィッパーはスミニンヴィッパーです。でも、あなたは誰です?」

 

 

 彼女は訝し気な目で俺を見ている。や、ヤバい!このままだと不審者扱いされてもおかしくないぞ!?

 

 

「す、すまない!実は俺はトレーナーでね、君に少し聞きたいことがあって……」

 

 

「トレーナーなのは見れば分かるです。でも、ヴィッパーに聞きたいこととは……アンちゃんのことです?」

 

 

 図星を突かれて言い淀む。スミニンヴィッパーは呆れたように溜息を吐いていた。も、申し訳なさが出てくる……。

 

 

「まぁいいです。他の人にも同じようなこと聞かれたです。今さらどうってことないです」

 

 

「ご、ごめんねなんか……」

 

 

「気にすることないです。アンちゃんは残念な子なので」

 

 

「ざ、残念な子……」

 

 

 随分な良いようである。というか……。

 

 

「アンカデキメルゼは一緒じゃないのかい?仲、いいんだろ?」

 

 

「アンちゃんは今日も神の啓示を実行しているです……ほら、あそこにいるです」

 

 

 彼女の指を指した方へと視線を向けると……にんじんハンバーグを頬張っているアンカデキメルゼの姿があった。だが、それよりも!

 

 

「まさか、彼女はお昼ご飯も神の啓示にしたがっているのかい!?」

 

 

「そうです。アンちゃんは色んなことを神の啓示とやらに従っているです。ヴィッパーにはよく分からないです」

 

 

 あ、頭がくらくらしてきた……。どうして彼女はそこまで……!とにかく、スミニンヴィッパーはその手の事情に詳しいらしいし、色々聞いてみよう。

 

 

「さ、早速質問なんだけど……アンカデキメルゼの言う神の啓示とは何だい?何故、彼女はそこまで神の啓示を絶対視するんだい?」

 

 

 俺の質問にスミニンヴィッパーは首を横に振る。

 

 

「アンちゃんが神の啓示を絶対視する理由はヴィッパーも知らないです。アンちゃんはそれを教えてくれないです」

 

 

「そ、そうなのか……」

 

 

「でも、アンちゃんの言う神の存在についてはヴィッパーもある程度知っているです」

 

 

「ッ!じ、じゃあ!教えてくれないか!?彼女の言う神の存在について!」

 

 

 大声を出したせいで周りの子達がビックリしている。1つ咳払いをして席に座った。

 

 

「まず、アンちゃんの言う神は特定の存在を指す言葉ではないです。不特定多数の存在を指す言葉です」

 

 

「不特定多数を指す言葉……。彼ら?はどういう存在なんだ?」

 

 

「……まぁ、ろくでもない存在なのは確かです。アンちゃんがしょっちゅう変なことをやっているのは、大体神の悪ふざけです……ヴィッパーもその1人ですけど

 

 

 ?なんか小さい声で呟いてたけど……よく聞き取れなかった。

 

 

「やっぱり……ろくでもない存在なんだな、彼女の言う神ってのは」

 

 

「というより、何故神という呼称をアンちゃんが用いるのかご存じです?」

 

 

「……いや、知らないな」

 

 

「……やっぱりです。誤解を解くこっちの身にもなって欲しいです。誤解解けたことないですけど」

 

 

「誤解?」

 

 

 スミニンヴィッパーは溜息を吐いた。

 

 

「そもそもの話です。アンちゃんの口調……どこかおかしいと思ったことはないです?」

 

 

「おかしい?……まぁ、なんというか芝居がかった口調だなぁとは思うけど……」

 

 

 それがどうしたんだろう?

 

 

「あれはアンちゃんの素じゃないのです。アンちゃんは口下手なのです。だから、芝居がかった口調になってしまうんです」

 

 

「そ、そうなのか!?じゃあ、神という呼称も……」

 

 

「アンちゃんが大袈裟に言ってるだけです。アンちゃんコミュ障なのです。本当に残念な子です」

 

 

 えぇ……。というか、この子も大分辛辣だな。

 

 

「……信じるです?あなたは」

 

 

「ど、どういう意味だい?」

 

 

「ヴィッパーの言ってることです。他の人達はヴィッパーの話を聞いた後アンちゃんと接してそんなことはないと皆思うです。その結果、今のアンちゃんに対する態度が生まれているです。あなたは……信じるです?」

 

 

「あぁ~……まぁ、確かに彼女がコミュ障で口下手だってことにビックリするけど……合点はいくかなって」

 

 

「……」

 

 

 スミニンヴィッパーは物珍しそうな目で俺を見ている……。そ、そんなに意外だったのだろうか?

 

 

「……まぁ、大体はヴィッパーの言った通りです。アンちゃんは残念な子です」

 

 

「ず、随分遠慮なく言うんだね……」

 

 

「ヴィッパーはアンちゃんの幼馴染です。大体のことは知ってるです。知らないことは勿論あるです。でも、他の人よりは知っているつもりです」

 

 

 そう話しているとチャイムが鳴った。どうやらここまでみたいだな……。

 

 

「ヴィッパーはもう行くです。またです、名も知らぬトレーナーさん」

 

 

 そう言ってスミニンヴィッパーは去っていった。

 

 

「俺も仕事に戻るか」

 

 

 少しだけアンカデキメルゼというウマ娘について知れた気がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ックシュン!……うぅ、誰かに噂でもされてるのか?」

 

 

 ご飯食べ終わった後でよかったですよ本当。それにしても今日のお昼安価は当たりでしたね!なんとにんじんハンバーグですよにんじんハンバーグ!くさや定食ばっかだった日々からすれば天国です!

 ……それにしてもヴィッパーとこの前会ったトレーナーさんが何か話してますね。

 

 

「ヴィッパーめ……いつもみたいに余計なことを言ってないと良いんだけど……」

 

 

 ヴィッパーは僕の幼馴染です。なので僕がコミュ障で口下手なのも勿論知っています。そしてヴィッパーは僕の唯一といってもいいお友達です。僕は何故か敬遠されているので……べ、別に悲しくなんてないし!

 そんなヴィッパーですが。僕に対して容赦がありません。僕がコミュ障で口下手なことをみんなに言いふらしてるんですよ!?信じられないですよね!いくら聞かれたからって僕にもプライバシーってもんがあると思うんです!全く……!毎回毎回どうにかして乗り切っている僕を褒めて欲しいですね!え?どうやって乗り切ってるのかって?例えば……。

 

 

『アンカデキメルゼ。少しいいだろうか?』

 

 

『……シンボリルドルフ会長。何の用だ?オーバーワークの事なら止めるつもりはないと言ったはずだが?』

 

 

『いやなに。……君の友人であるスミニンヴィッパーから、その、君がコミュ障で口下手だということを聞いてね』

 

 

『ブーっ!?』

 

 

『ど、どうしたんだい!?』

 

 

『……いや、なんでもない。そうだな、シンボリルドルフ会長』

 

 

『ど、どうした?』

 

 

『……これは僕の素だよ』

 

 

『……そうなのか?』

 

 

『そうだとも。断じて、断じて演じているわけではない!それに……僕の普段の姿を見ても同じことが言えるか?皆僕に近づかない……ただ1人孤高を突き進む僕の姿を見て……ただコミュ障で口下手なだけだと、あなたは思うか?』

 

 

『……確かに、そうかもしれないな』

 

 

『そうだともそうだとも!』

 

 

 とまぁ。大体こんな感じで意地張ってるとみんな納得してくれます。アッハッハ!……泣きたい。素直にコミュ障で口下手なんです演じてるだけなんですって言えない自分が憎い!でもですねぇ!そんな簡単に認められたらコミュ障拗らせてないんですよこちとら!コミュ障なの認めたくないんですよ!だって負けた気がするし!……まぁ負けてるんですけど。

 

 

「こんなだからヴィッパー以外の友達出来ないんだよね……ハァ、友達欲しい……」

 

 

 でもそんな簡単にいくなら苦労してないよ……。食器を片付けながらそう思う僕でした……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

70:イッチ ID:kSktrbRNI

とりま今朝の安価の証拠映像投げとくね

 

 

画像

 

71:名無しのウマ娘 ID:JvQ7FwuJx

……イッチが本当にウマ娘だった件。釣り疑ってすいませんでした

 

72:名無しのウマ娘 ID:vA6Aupkrq

まさか本当にイッチがウマ娘とは……それにしても美人だな。顔は見えないけど俺には分かる

 

73:イッチ ID:kSktrbRNI

おう、崇め奉ってええんやで

 

74:名無しのウマ娘 ID:+7NXEGSS5

>>72顔見えないのに分かるのか……

にしてもこんな子が安価するとは。世の中分からないもんだな

 

 




ちなみに特定するような輩は勿論現れませんしそれによってアンカデキメルゼが不幸な目に遭うこともありません。基本的にコメディなので。
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