というわけで!
「久しぶりの日本だ!」
「本当に久しぶりです。空気が懐かしいです」
「アンカとヴィッパーはそうだよね。じゃあ学園に戻ろうか……囲まれないうちに」
よし!さっさと移動しましょうそうしましょう!絶対に面倒くさいことになりますからね!学園に向かって特攻じゃーい!
そして現在。アルナイルの部室に戻ってきた僕達だ。
「なんで鍋囲ってんだよアタシら」
「恒例行事みたいなものだねぇ……おっとトレーナー君、バランスよく入れてくれたまえよ?」
「タキオンさんは自分でよそってくださいよ」
タルマエさんがそういうもタキオンはどこ吹く風。戻って来たって感じがしますねぇ。
「にしても我が弟子。お前まさか本当にスティール・ボール・ランを1人で完走するたぁな」
「ふふーん、どうですか?師匠。凄いでしょう!」
「あーはいはい、凄い凄い」
師匠も褒めてくれてますよ!こーれは鼻高々!調子に乗っても許されるでしょう!
「──アンカは、見事なrace、だった。but、崖越えはいただけない」
「うぐっ」
「そうだよアンカさん!確かに挑戦は大事だけど、あんまり無茶はしないでね!」
「わ、分かってますよ!」
クリスエスさんとファインさんに釘を刺された。2人とも咎めるような目つきである。いやまぁ、ぶっちゃけ飛べるにしてもあんまりやらない方がいいというのは事実だからね。なんも言い返せない。
「で、ではお2人は僕があの崖を飛び越えられないとでも?」
「「それはない(ね!)」」
あ、そこは信頼してくれるんですね。
「──それでも、anxiety……心配にはなる」
「わ、分かりましたよぉ……」
「ま、終わり良ければ総て良し、よ。今は食事を楽しみましょう」
コーチも鍋をつついている。それもそうだ!今はお鍋~お鍋~。あ、そうだ。テレビでも付けますか。
「そうだタキオン。ホープフルステークス優勝おめでとう。言うのが遅れちゃったね」
「ふぅン。私にかかれば造作もないことさ!」
「だとしても普通9バ身差の圧勝劇になるかね……?」
へ~、タキオンそんなことになってたんですね。とりま祝福の意味を込めてお肉でも渡してやりましょう。あ、気づいて嬉しそうにしてるや。
「なんか面白れぇ番組ないのかよケツデカ葦毛」
「うるさいクソチビ。僕も今探してるとこなんだよ」
相変わらずコイツの口の悪さは変わりませんね!誰がケツデカですか!……最近心なしかさらに大きくなったような気はするけど。
チャンネルを変えに変えてっ?
「あれ?緊急特番やってる」
「へ?……本当だ。しかもURAの?」
タルマエさんの言う通り、URAが緊急特番をやっていた。……いや、重要なのはそこじゃないな。そこも重要だけど、もっと重要なことがある。
「あれ?イギリスの女王陛下に、アメリカの大統領さんもいるね!」
「ンなビッグネームがなんで特番なんかやってんだ?世界的にやべーことでも起きたのか?」
「それはこれから分かることだろうジャーニー君。ひとまず様子を窺おうじゃあないか」
なんで女王陛下とアメリカ大統領がいるんですかねぇ……。あ、秋川理事長もいた。てかよく見たら各国のお偉いさんがたくさんいるわ。後豆腐が美味い。
《年末ッ!皆のもの、今年も良い一年は過ごせただろうかッ!》
そんな秋川理事長の語り出しから始まった緊急特番。今年一年あったレースの回顧録が流されていた。日本のレースだけではなく海外のレースまでなんでもござれ、いやぁすげぇな。あ、ミレちゃんのドバイワールドカップだ。
「今年もいろんなレースがありましたねぇ」
「そうだね。ウチは特にタキオンのデビューもあったからね。俺はあんまり日本にいられなかったけど」
「なぁ、レースの中にモンゴルダービーとかスティール・ボール・ランが混ざってんのは突っ込まない方がいいのか?」
「明らかに普通じゃないレースが混じってる……」
「印象深いレースではあるからな。諦めろタルマエ、ジャーニー」
「あなた自分でそれを言う?……あ、お肉切れたわね。持ってくるわ」
僕が出走したのは……9個か。モンゴルダービーとスティール・ボール・ランは除外して、9つのレースに出たことになる。
(去年が去年だけに普通に見えてくる不思議)
実際多い方かどうなのかは分からん。ただ距離的には間違いなく多かったね!確実にいえるね!今年だけで6,000km以上走ってるからね!
《……さて!感動ッ!今年も素晴らしいレースの数々だった!諸君もそう思っていることだろう!》
《えぇ。今年もいろんなドラマがあったわ。本当に、飽きが来なかったもの!》
《同意だな。ワクワクするレースばかりだった!》
大統領達も同意するように頷いてますね。いやはや、良いことじゃないですか。
《だが、こうは思わないだろうか?》
あん?
《確かに今年も素晴らしいドラマがあった……しかーし!
「秋川理事長気合入ってるね」
「なんだろう、俺はもう嫌な予感しかしないよ」
そんなまさかトレーナーさん。変な企画なんてやるわけないじゃないですか。てかなんで師匠とコーチは楽し気にしてるんですか?何が起こるか知ってるんです?大惨事大戦でも始まります?
《歴史の中で、様々な英雄達が生まれた……世界中で、輝かしい実績を上げたウマ娘達がいたッ!》
《そんな時、あなた達はふと思ったことがあるんじゃないかしら?》
《その中でも、一番強いウマ娘は誰なのか?……と》
鍋の主役は肉。だが、その肉を際立たせるのは野菜……やはり白菜こそ至高ですよ。白菜isGOD。てか会場も静まり返ってますね。報道陣も固唾を飲んで見守ってます。
《諸君ッ!見たくはないか?世界中の英雄達が一堂に会するレースを!我々が思い描いた、夢のようなレースを!》
《ウオオオオォォォォ!!》
《見たい!すげぇ見たい!》
《だけど、そんなことが可能なのか!?》
《何が始まるんです?》
会場大盛り上がりじゃないですか。マジで何が始まるんだろ?
《諸君らの気持ち!よ~く分かった!故に!宣ッ言ッ!》
理事長の合図とともに、背後の垂れ幕が下がった。そこに書いてあったのは──【開催!スーパーレジェンドレーシングカーニバル】の文字。……なんぞそれ?
《スーパーレジェンドレーシングカーニバル!開催決定であるッ!》
……なんだろう。来年も絶対退屈しない一年になるだろうなぁって気がした。そしてトレーナーさんはタキオン印の胃薬を探し始めていた。
《まずはこのレースの概要について説明しましょうか》
女王陛下直々にレースの説明に入る。下手に口挟もうもんならヤバそうだなぁ。
《まずは1ヶ月に一度……月末に世界中で予選となるレースを開きます。部門は距離区分によって分ける予定だわ》
《短距離・マイル・中距離・長距離・障害……この5つの区分に加えて、スプリントから中距離まではダート区分も追加する予定だ》
《条件ッ!参加資格はG1レースを最低でも1勝しているウマ娘のみ!これは国際G1および国内G1の制限は特に設けるつもりはない!Jpn1のみを勝利したウマ娘も出走可能である!また希望者が多い場合は選考段階で弾かれる可能性も留意してくれ!》
ほ~ん。色々と分けられてるんですねぇ。
《他にも細かいルールはあるのだけれど……ひとまずは距離区分で分けられる、参加資格は国際国内問わずG1を最低でも1勝しているウマ娘のみ、レースの成績に応じてポイントがもらえる、そのポイントが高い順に年末に開催される本戦でのレースに出走することができる。これだけを覚えておいてちょうだい》
《古今東西、あらゆる英雄達が鎬を削るこの舞台……どうだ?ワクワクしないかね?》
《ウオオオオォォォォ!!》
《歓喜ッ!喜んでもらえたようで何よりだ!詳細はまた年明けに伝えよう!それでは諸君、来年も良いレースを期待しててくれ!》
その後はまたレースの回顧録になった。……スーパーレジェンドレーシングカーニバルねぇ。
(師匠とかも出たりすんのかな?)
なんにせよ、詳細は年明けだな。今は鍋をつつこう……って!
「僕のお肉!」
「へへ~んだ!油断したなケツデカ葦毛……ちょ!?アタシの肉がッ!?」
「そっちこそ油断したなクソチビ!お返しだ!」
「仲良く食べなさい2人とも!」
「言っても無駄ですタルマエさん。あ~鍋の豆腐美味いです」
「ヴィッパー、お前はもっと肉を食え!肉食わねぇと大きくなれねぇぞ!」
「セクレタリアト、明らかに過剰よ」
「──festival。楽しい」
「おいおいトレーナー君、野菜ばっかりじゃないか。私は肉を食べたいんだよ」
「じゃあ自分で取ってねタキオン」
「わ~!やっぱり賑やかだね!来年も良い一年になりますよ~に!」
わいわいがやがや過ごしながら。アルナイルの1年が終わった。来年はどうなるかなぁ。
アンカデキメルゼ現時点での育成目標・シニア級
モンゴルダービーに出走するメンバーを3人集める 達成!
CFオーアステークスに出走 達成!
ライトニングステークスに出走 達成!
フューチュリティステークスに出走 達成!
ドバイターフに出走 達成!
マンノウォーステークスに出走 達成!
ゴールドカップに出走 達成!
グッドウッドカップに出走 達成!
モンゴルダービーに参加 達成!
ロンズデールカップに出走 達成!
バーデン大賞に出走 達成!
スティール・ボール・ランに参加 達成!
次回にシニア1年目のステータス。その次はまた短編を書いていこうと思います。