今日も楽しく安価だ!   作:カニ漁船

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アンカのデートは二度差す。


短編 葦毛の王子様とのデート!(sideアンカ)

 

 

「さて、デイラミさんとのお出かけなわけですが」

 

 

 某日、デイラミさんに誘われてお出かけに来た僕である。服装はまぁ前回と一緒、この辺にこだわりは見せなくてもいいでしょ。ちなみに現在時刻集合の30分前、前回よりは遅く来た。多分デイラミさんはすでにきてんだろうな~なんて思いつつ歩いていると。

 

 

「やっぱりいたなデイラミさん。でもやっぱ人気あるんだな~デイラミさん。ファンの人達もメロメロだ」

 

 

 デイラミさんの見た目は王子様っぽいし、女性ファンが多い。加えて、ファンサービスも王子様みたいだしそりゃあもう人気が出るよねっていう。なのでそんなデイラミさんとお出かけできることにちょっと優越感に浸れるかもしれんね!……別にそんなことはないな。友人としてのお出かけだし。

 さてさて、早速デイラミさんのとこに向かいますかねっ?

 

 

「……なってしまう……!」

 

 

 なんか、頭抱えてますけど……大丈夫ですかね?体調悪いんでしょうか?かと思えばすぐに立ち上がって。

 

 

「な、なにが程遠いだ!私とて不意打ちでさえなければ!」

 

 

 不意打ち?何のことで?全く意味が分からんち。とりま丁度いいタイミングですし話しかけますか。

 

 

「不意打ちでなければ、なんですか?」

 

 

「決まっているだろう!あ、あ、アンカときき……ってぇぇぇぇ!?あ、アンカ!?」

 

 

「はい。アンカデキメルゼですが」

 

 

 どうやらデイラミさんは僕が来ていたと気づいていなかった様子。大層驚いていますね。ビックリしているデイラミさんの表情は割とレアですよレア。

 ただ驚いていたのも本当に一瞬。すぐに王子様モード(仮)に切り替えましたね。この切り替えの早さは本当に凄いや。

 

 

「あぁすまないアンカ!君を蔑ろにして、他のことというわけじゃないがに没頭してしまっていた!どうか愚かな私を許してほしい!」

 

 

「いえ、別に気にしてませんが……それにしても相変わらず早いですね。集合時間30分前ですけど」

 

 

 本当にデイラミさんはいつから待ってんだろうな……?前回は確か1時間前でもいた気がするぞ。2時間ぐらい前から来てないだろうな?だとすると逆に申し訳なくなってくるぞ。

 

 

「勿論だとも。君との待ち合わせに遅れるわけにはいかない。なにより、私から誘ったのに遅れたら格好がつかないだろう?」

 

 

 まぁ一理ある。自分から誘っておいて待ち合わせに遅れるなんて僕も嫌だからね。

 さてさて、早速僕達は出かけるわけですが。どうやら今回は水族館に行くようで。ただはぐれたりしないだろうか?デイラミさんは目立ちやすいけど、僕は身長の関係でどうしても埋もれてしまう。はぐれたりでもしたらデイラミさんが心配するだろうし……あ、そうだ!

 僕はデイラミさんの手を掴む。こうすればいいじゃん!デイラミさんは慌てているけど、なして?もしかして急に手を握ったからビックリした?それはすいませんでした。

 

 

「はぐれないように手を繋いでおきましょう」

 

 

「あ、ハハハ!そうだね、もしはぐれたりでもしたら大変だ!さぁ改めて行こうじゃないか!」

 

 

 デイラミさんはなんか慌てっぱなしだ。本当に珍しいな……いつも余裕綽々といった感じだし。ただまぁ、ちょっと可愛いかもしれない。

 そんなことを思いつつ、僕達は水族館へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 家族で来た以来の水族館ですが。ほうほう、これも中々良いものですね!新しい発見がたくさんありますよ!

 

 

(小さい時はでっかい水槽の大きい魚にばかり目がいってたけど、細かいところにも目を向けると面白いな!)

 

 

「ほう……これは中々圧巻だね。凄く幻想的だ」

 

 

「結構久しぶりに来ましたけど、中々乙なものですね」

 

 

 デイラミさんも気に入ってくれたご様子。おっと、はぐれないように手を繋いでいるのは勿論継続していますよ。なんか手を繋いでからずっとデイラミさんの顔が赤いような気がしますが……まぁ気のせいでしょう。デイラミさんはこういうの慣れてるでしょうし。というかあれですね、僕の手が小さいのもあるんでしょうけど、デイラミさんの手は大きいというか。

 

 

(やはりスポーツマンらしくがっちりしてますねぇ。僕も大概そうですけど)

 

 

 自慢じゃありませんが、僕もかなりがっちりとした手をしていると自負しています!ふっふ~ん、柔らかいだけじゃないんですよ?鍛えてますから!

 さてさて、このまま徘徊するのも良きですがおっと、デイラミさんの服に糸くずがついていますね。取ってあげましょうか。

 

 

「あ、デイラミさん服に糸くずついてますね。ちょっとジッとしててくださいね」

 

 

「はぐっ!?」

 

 

 はぐってなんですかはぐって。ハグでもしてほしいんですか?

 

 

「……はい、取れましたって、どうしました?」

 

 

「いいいい、いやぁ!?なな、なんでもないさ!ありがとう我が愛しのプリンセス、君の優しさで私は天にも昇るような気持ちさ!」

 

 

 なんかやたら慌ててますね。ま、気にするだけ無駄ってもんでしょう。

 

 

「さぁ行こうアンカ!もうすぐショーの時間ではないかな?」

 

 

 言われて時計を見ると……あ、マジじゃん。もう少しでイルカのショーが始まるや。

 

 

「あ、本当ですね。結構時間近づいてます」

 

 

「ならば早速向かおう!良い席で見るためにも、ね?」

 

 

 おっと、久しぶりのウインク。今日初めてですね。いっそ安心感を覚えますよっと。僕はデイラミさんに手を引かれるままにイルカのショーが開催されるステージへと足を運んだ。

 そしてイルカのショー。僕達は最前列にいたわけだ。ということはつまり、水を被る可能性があるわけで。

 

 

「危ないアンカ!」

 

 

「へ?」

 

 

 実際被りそうになりましたが、デイラミさんが身を挺して庇ってくれました。……いや、庇う必要あります?別に濡れてもいいんですが僕は。

 

 

「思いっきり水被りましたね」

 

 

「ふっ、君にかからなくてよかったよアンカ」

 

 

「そりゃあ誰かさんが身を挺してかばったわけですからね」

 

 

 本当にこう、なんでですかね?デイラミさんは相変わらずこんな僕を好きでいてくれるというか。

 

 

「クシュ!」

 

 

 あらくしゃみ。仕方ないですね。タオル持ってきておいて良かったですよ本当に。

 

 

「全く……ほら、しゃがんでください。拭いてあげますので」

 

 

「へ?」

 

 

 呆気にとられつつもしゃがむデイラミさん。よしよし、いい感じですね。これなら僕でも届きます。

 

 

「~~~っ!?!?」

 

 

「あ、ちょっと暴れないでくださいよ。拭けないじゃないですか」

 

 

 暴れるな!暴れると拭けないでしょうが!もぞもぞするんじゃないよ!そんな身体を拭かれるのを嫌がる子供じゃないんですから全くもう!

 四苦八苦しつつもなんとか拭き終わりましたよっと。ふぅ、一仕事終えましたよ。

 

 

「……ほら、拭き終わりましたよ」

 

 

「あ、あぁありがとうアンカ!ふふ、君の優しさにますます惚れこんでしまいそうだ!」

 

 

 本当にこう、僕を褒めてくださいますねデイラミさんは。嬉しくなりつつもちょっと申し訳なくなったり。

 

 

「相変わらずデイラミさんってあれですね。こんな僕のことを好きでいてくれるというか」

 

 

「おっと、今の言葉はいただけないねアンカ」

 

 

「へ?」

 

 

 そりゃまたなんで?と思っていたらデイラミさんに顎くい?というヤツをされてますね……な、なして?

 

 

(おぉう。漫画やアニメで見たことあるけど……確かにちょっとドキッとするな)

 

 

 されてる側の気持ちがちょっと分かった気がする。

 デイラミさんは、凄く真面目な表情で僕の瞳を覗き込んでいた。

 

 

「で、デイラミさん?」

 

 

「こんな僕、なんて悲しいことを言わないでおくれ。私は君の輝きに魅せられた、君の素晴らしさに触れた。君は自分のことを過小評価しているかもしれないが……そんなことはない。君は、とても好かれているよ」

 

 

「……はぁ」

 

 

「そしてそれは、他ならない君自身が魅力的だからだ。君が魅力的だからこそ、我々は君のことが大好きなんだ。だから……こんな僕だなんて悲しいことを言わないでくれ」

 

 

 う~ん……本当にいけませんね。ふとした瞬間に自虐的な言葉が出てしまうのは。これも生来の気質みたいなもんでしょうか?ですが僕が好かれているというのは……まぁ何となくわかっている。それを嘘だなんて思わない。だからデイラミさんの言うことはもっともなのだ。反省だなコレは。

 デイラミさんは顎くいを止めて、こちらにウインクしてきた。いちいち所作がカッコいいなこの人。

 

 

「すまないねアンカ!それじゃ、改めて水族館を見て回ろう!」

 

 

「あ、あぁ。はい」

 

 

「ふふふ、ときめいてくれたかな?」

 

 

「まぁ、少し」

 

 

 正直に答えると、デイラミさんは小さくガッツポーズしていた……本当に珍しいですね。なんかあったんですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《もうすぐ閉館時間となります。館内のお客様は速やかに……》

 

 

 おっと、気づいたらもう閉館時間ですか。楽しい時間はあっという間ですねぇ。

 

 

「おっと、もう閉館時間のようだね。君といると、時間の流れをとても早く感じてしまうよ」

 

 

 お、どうやらデイラミさんも同じ気持ちの模様。ちょっと嬉しいですね。それだけ楽しかったということですから。

 

 

「そうですね。同感です」

 

 

「っ!そ、それはどういう?」

 

 

「楽しい時間はあっという間ですから」

 

 

 正直に答えると、デイラミさんも同感だとばかりに頷いた。そのまま僕達は手を繋いで水族館を出る。いやぁしかし、中々乙なものですね水族館!かなり楽しめましたよ!今度1人で来るのも悪くないかも?

 とりあえず帰ったら何しようかな~?ご飯何食べようかな~?って考えていると、急にデイラミさんに手を引かれてっ!?

 

 

「おっと!少し失礼するよアンカ!」

 

 

「え?きゃっ!?」

 

 

 あ、やべ。ちょっと情けない声が出た。なんで急に手を引いたんだろう?と思っていると。

 

 

(あ、自転車)

 

 

 う~ん、気づきませんでしたね。あのまま歩いていたら僕にぶつかっていたこと間違いなしかと。というか、スマホ片手に自転車漕いでるんじゃないよ危ないなぁ。

 とりあえずデイラミさんにお礼を言いま……しょ、う……

 

 

(あ、あれ?デイラミさんの手がある場所って……ッ!?!?!?)

 

 

 も、もしかして僕の胸の辺りでは?なんなら、ちょっと掴んでるのでは?

 

 

「ふぅ、大丈夫だったかな?アンカ。君に怪我……でも、あったら……」

 

 

「……」

 

 

 おそらくデイラミさんも気づいた。自分の手が、どこを掴んでいるのかを。でも、僕はそれどころじゃない!?

 

 

(~~~~~~ッ!?!?!?)

 

 

 さ、触られた触られた触られた!ははは、恥ずかしいどころじゃない!ヴィッパーにはやたら尻を揉まれるけどアレは冗談交じりだろうからまだ許せる!だけど今回のは明らかな事故!加えて、尻ではなく胸!恥ずかしさが段違いだ!

 

 

「ッ!」

 

 

「あっ」

 

 

 気づいたら、お礼を言う前にデイラミさんから距離を取っていた。冷静な判断ができない。ただ僕の頭にあるのは……同性であっても胸を触られたという羞恥心のみ。さっきから顔が熱くて熱くてヤバい!

 

 

(う、う~~~!頭の中ぐちゃぐちゃだし、でもでもお礼も言わなきゃだし、だけど胸触られたしっ!どうしたらいいか分かんないよ~!?)

 

 

「す、すまないアンカ!咄嗟とはいえ、君の胸に手を……」

 

 

 デイラミさんは、とても申し訳なさそうに謝っている。それは分かる。だけど、僕の羞恥心は限界で……!

 

 

「……エ」

 

 

「エ?」

 

 

「エッチ……ッ!」

 

 

 気づいたら、それだけ告げて逃げ帰ってしまった。……うん、我ながら最低だと思う。お礼を言う前に逃げ帰るなんて、本当に最低だ。

 寮に帰ってきた後、デイラミさん……ではなく。ダラカニさんあてにLANEを送った。デイラミさんにお礼を言っておいて欲しいことと、後今度また一緒に遊びましょうと伝えて欲しいことを。それにしても……ッ!

 

 

(さ、触られた……!むむむ、胸を、触られた……ッ!)

 

 

「~~~ッ!!」

 

 

「アンちゃんうるさいです……ベッドの上でどったんばったんしないで欲しいです……」

 

 

 隣のベッドでヴィッパーがそんなこと言うけど、無理に決まってんだろ!?いや、ヴィッパーは悪くないけど!

 結局この日は悶々として眠れなかった……。




そう言えばアーマードコア買ったんですよ。滅茶苦茶面白いです。
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