春のファン大感謝祭も終わり、今日も今日とて授業を受ける日々ですよっと。さ~て午前中の授業も終わったしなにをしよう「失礼、アンカ君はいるかな?」かなっと。おや?オペラオーの声。
(僕のクラスに来るとは珍しい)
なんならオペラオー自体久しぶりに会った気がする……いや、そうでもねぇな。普通に廊下ですれ違うしその時に会釈ぐらいはするし。ひとまず呼ばれたのでいきまっしょい。
「僕ならここだが……何か用か?」
ふふ、ここは柔らか~く応対ですよ!僕だって成長してますからね、きっと向こうも緊張がほぐれて「ッ!ふふ、凄まじい眼光だ!君の睨みは邪竜さえも恐れ逃げ出すだろうね」なんでや!そこまで睨んでへんやろ!
「だが!ボクは恐れないともっ!そう、君という女神に願い事を叶えてもらうまでは!」
「デイラミさんやシーザリオちゃんもそうだが、僕を女神や妖精として崇めるのが流行っているのか?」
「おっと、女王の方がお好みだったかな?」
「そう言う話じゃなくてだな」
というかさっさと用件を言いなさいよ。そのために来たんでしょ?
「それで、用件というのはなんだ?」
「あぁそうだったね。幸いにもお昼休みだ、少し歩きながら話そうじゃないか!」
確かにそうか。今はもうお昼休み、時間はたっぷりとある。……まぁいいでしょう。
「良いだろう。面白い話を聞かせてくれるんだろうな?」
「勿論だとも」
こうして僕とオペラオーは並んで歩くことに。それにしても一体なんの用なのやら。
「本題に入る前に……中山グランドジャンプ優勝おめでとう、アンカ君」
「あぁ、ありがとう」
「やはり君の輝きは場所を選ばないようだ!どこにいても、どこであっても輝くことができる!芝でもダートでも、障害であっても!君というウマ娘の輝きはファンを魅了するようだ!ボクもかくありたいものだよ!」
や、やだな~!凄く褒めてくれるじゃないですか!オペラオーさん良い人!間違いない!僕が決めた今決めた!
「と、当然だっ!僕はどこであっても全力でレースに挑む……ただそれだけの話だからな」
「やはり、君のレースに対する姿勢は素晴らしいね。だからこそ……少しの悲しさを感じてしまうよ」
「……なに?」
「ボクと君が最後に戦った舞台……覚えているかい?」
僕とオペラオーが最後に戦った舞台?え~っと確か……。
「菊花賞、だったか?」
「その通りだ。ボクと君は菊花賞以降レースでの対戦成績がない。シニア級以降、ボク達は戦っていないんだ」
オペラオーは寂しそうな表情を浮かべている。ちょ、ちょっと止めてくださいよ!僕だって悪気はないんですって!出走するレースがことごとく海外なんですもん!
「君を想定して研鑽を積んだ。君といつ戦っても問題がないようにボクは強くなり続けた。その結果、年が変わってからボクが負けたのはアヤベさんとのジャパンカップだけだ」
「あ、あ~……」
そう言えばそうらしいですね。アヤベさんがオペラオーのグランドスラムを阻止したとか。でもあれだけ包囲されていた有マで抜け出したんだよなオペラオー。地力は滅茶苦茶強くなってるって師匠達も言ってたし。しかも春シニア三冠という偉業を達成しましたし。
そんな中僕はなにしてましたかね?確か……あ。
(スティール・ボール・ラン走ってたなそういや……)
というか今思い返せば障害のオープンレース以外で日本で走ってねぇじゃねぇか!全部海外のレースだよ!日本で走ってるオペラオーと戦う機会なんてあるはずなかったやん!
「君が信じるデウスエクスマキナがボク達の対戦を阻もうとしているのかもしれないが……さすがのボクも我慢の限界でね」
(ゴメンオペラオー。多分アイツらそんなこと微塵も考えてないよ)
基本的に愉快犯だからデウスエクスマキナ(スレの住人共)。僕達の対戦を阻もうとかそんなこと微塵も一切考えてないよ絶対。
「トップロードさんやアヤベさん、ドトウに他のウマ娘達との対戦が退屈な訳じゃない。むしろ、彼女達の存在はボクの覇王の道に必要不可欠だ!だけどね」
「うぇっ?」
なんで僕に近づいてくるんですか?というか近い近い!クソ!顔が良すぎる!
「ボクは君という最上の輝きを放つ女神に触れたいと考えているのさ」
「……とりあえず離れてくれるか?」
なんでこう、顔を近づけてくるんですかね!圧が強いんですよ圧が!
「おっと、これは失礼」
お、離れてくれましたか。分かってくれたようで何よりですよ。
「それで?結局のところ何が望みなんだ?僕に触れたいことが望みなら遠慮なく触ればいいだろ?」
「……ボクが言うのもなんだが、あまりそう言うことは言わない方がいいと思うよ?」
おい、マジトーンに哀れみの籠った視線を送るのは止めろ。僕だって今のはどうかと思ったんだから。
「ン、ンン!要求は簡単さアンカ君。ボクと……同じレースで走ってくれ」
「オペラオーと同じレースで……だと?」
「そうだ。ボクは君との対戦が久しくない。このまま指を咥えて待っているだけでは、デウスエクスマキナによってボク達の対戦はいつまでも阻まれるだろう!」
可能性がないとは言い切れないのが悲しいところなんだよなぁ……。
「だからこそ、君に直接お願いしに来た。君がデウスエクスマキナを信仰しているのは分かっているが、それでもボクは君にお願いしたい!」
オペラオーは僕に頭を下げて、お願いする。
「ボクと──戦っていただけないだろうか?」
……ふぅ。
(僕が基本的に神託(安価)でレースを選んでいるのを分かった上で、こうしてお願いしに来ている、か)
我ながらアレだな。自重する気はさらさらないけど、でも……。
「有マ記念」
「……ほう?それはどういう意味かな、アンカ君」
「有マ記念だ。僕とオペラオーなら、確実に出走できるレース。秋天もジャパンカップも、スーパーレジェンドレーシングカーニバルを考えたらキツいものがある。だが有マ記念ならまだ融通が利く。それに……」
都合がいいじゃないですか。
「有マ記念は一年の総決算だ。僕達が戦うにはもってこいの舞台じゃないか?」
「……ハーッハッハッハッハ!」
うわっ、急に大声で笑わないでくださいよ。ビックリするじゃないですか。
「確かに、一年の総決算の舞台でアンカ君と勝負をする……ボク達が戦うにはもってこいの舞台だね!」
「……気に入ってくれたようなら何よりだ」
「ではアンカ君!」
オペラオーは、ただ僕をじっと見据えて。
「有マ記念、そこで戦おう。強くなったボクを見せてあげようじゃないか」
「フン。僕が勝つ。これまでと変わらず、な」
「それではアンカ君!ボクのお願いを聞いてくれてありがとう!感謝するよ!ハーッハッハッハッハ!」
高笑いしながらオペラオーは去っていきましたね。さて、これで僕の有マ出走が決まったわけですが。
(ドバイミーティング以来ですかね?誰かにお願いされて出るというのは)
ドバイターフもミレちゃんに誘われる形で出走した。そして今回、有マ記念にオペラオー達と戦うために出走する。……ほほう。
「柄にもなく燃えますねぇ……!」
SLRCもそうですけど、トゥインクル・シリーズも楽しみじゃあないですか!さ~て、早速トレーナーさんに報告報告ぅ!
「……というわけで、有マ記念に出ることに決めた。そのことを留意しておいてくれ」
「良いけど……何かあったの?そんな唐突にレースに出走することを決めるなんて」
「なに。宣戦布告を受けたからな。それから逃げ出すほど、僕は落ちぶれちゃいない」
「……成程ね。分かった」
これで僕は有マに出ることに。スレにも大々的に報告してやりましょうかね!
アンカデキメルゼ、有マ出走!有マ出走!