今日も楽しく安価だ!   作:カニ漁船

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スズカさんはアメリカにいます。


安価ウマ娘と皐月賞準備

 

 

「えぇ……なんでこんな外走ってて勝てるのさ、アンカって」

 

 

「そんだけ、アンカデキメルゼがこの桜花賞で段違いに強かったってだけの話だ、テイオー」

 

 

 私が所属しているチーム、スピカの部室でこの前の桜花賞の研究をしています。理由は……アンカちゃんが皐月賞に出走してくるから。だからみんなでビデオを見ることで対策を立てよう!って考えです。

 

 

「う~ん……でも、対策する分には簡単ですよね?トレーナーさん」

 

 

「ま、そうだな。アンカデキメルゼは周りに他のヤツがいると集中力が乱れる。その弱点を利用しない手はねぇ」

 

 

「とは言っても、どうするのよ?アンカって確か戦法も自在に変えれるんでしょう?」

 

 

「先行や差しならともかく、追い込みなら無理じゃねーか?」

 

 

「その点は心配ねぇスカーレット、ウオッカ。皐月賞ではどのポジションにいても周りに他のウマ娘がいることは避けられねぇんだ」

 

 

 スカーレットちゃんとウオッカちゃんは不思議そうな表情をしてましたけど、すぐに合点が言ったような表情になりました。

 

 

「「そっか!アドマイヤベガ先輩!」」

 

 

 おぉ!見事なハモりです!やっぱりお2人は仲が良いですね!

 

 

「「仲良くない!」」

 

 

 ちょ、ちょっと!私の心読まないでくださいよ!?

 

 

「アドマイヤベガが得意とするのは後方からの追い込みだ。そして当然、アドマイヤベガはアンカデキメルゼをマークするだろう。アンカデキメルゼの弱点は知れ渡っているし、強さも十分に理解している。アドマイヤベガとシリウスのトレーナーなら……最重要で警戒するさ」

 

 

 確かにそうかもしれません。でも……。

 

 

「だが、それでも厳しいってのが現状だな。今回の桜花賞でアンカデキメルゼはピッチ走法でも走れることが分かった。皐月賞は中山で行われる。だから……」

 

 

「ピッチ走法で走るだろうね。中山の直線は短いし、ピッチ走法の方が走りやすいだろうから」

 

 

「テイオーの言う通り、アンカデキメルゼは十中八九ピッチ走法で来るだろうな」

 

 

 うっ、やっぱりそうなりますよね。

 

 

「でも、そうなるとトップロードさんちょっと厳しいですよね。トップロードさん小回りが苦手ですし」

 

 

「グハァッ!?」

 

 

「ちょっとスぺちゃん!もっとオブラートに包んであげなよ!」

 

 

「ご、ごめんなさい!」

 

 

「い、いえ。大丈夫ですスぺちゃん……。事実なので……」

 

 

 うぅ。私どうしても小回りのコースが苦手なんですよね……。特訓して改善の兆しは見えてますけど、それでも苦手です……。

 

 

「ま、地道なトレーニングのおかげでそれも改善されつつあるんだ。もっと胸張ってけトップロード」

 

 

「と、トレーナーさん……!はい!ナリタトップロード、頑張ります!みんなの期待に応えるためにも、アンカちゃんを解放するためにも!」

 

 

「「「解放?」」」

 

 

 私の言葉にチームのみんなが疑問符を浮かべます。あ、そう言えばみなさんはアンカちゃんの事情を知らないんでした。

 

 

「解放って何?アンカって悪い人にでも騙されてるの?」

 

 

「でも、アンカちゃんのトレーナーさんって普通の人っぽそうでしたよね?」

 

 

「そうですね。いたって普通のトレーナーな気がしますけど……」

 

 

「違います!アンカちゃんは……きっと邪神さんに操られているんです!」

 

 

「トップロード。その発言だけ切り取るとお前がヤバいヤツに見えるぞ」

 

 

 あぁ!?み、みなさんの目が私を可哀想なものを見る目になってます!?

 

 

「アンカデキメルゼは良くインタビューでも神の啓示とか、神託とか言ってるだろ?」

 

 

「あぁ。そういえばそうっスね。でもあれって冗談とかそういう類のもんじゃねーの?」

 

 

「いえ、どうやらアンカちゃんは本気でそう思っている節があります。そして、アンカちゃんの地獄のようなトレーニングや奇行の数々は……その邪神さん達によるものみたいなんです!」

 

 

「へ~そうなんだ。まぁそう考えると割と納得がいく……のかな?」

 

 

「まぁアンカっていつもしかめっ面で何考えてるのか分からないとこありますけど……たまに奇行に走ることありますからね。神託云々の話が本当なら、あり得なくもないかも」

 

 

「う~ん……そしたらどうすればいいんでしょう?……にんじんをお供えするとか?」

 

 

「それで釣られるのスぺ先輩だけだと思いますよ」

 

 

 アンカちゃんを解放するためにはどうすればいいか?それはトレーナーさんが教えてくれました!

 

 

「アンカちゃんは今まで勝ってきたからこそ神託が正しいって思ってるんだと思います。だから、私がアンカちゃんに勝てば……きっと解放されると思うんです!」

 

 

「「「おぉ~……」」」

 

 

 待っててくださいアンカちゃん!私、あなたに勝ってみせますよ!

 

 

「……どう思う?みんな」

 

 

「アタシはアンカと話したことがないから何とも……。でも、やる気があるからいいんじゃない?」

 

 

「やる気が空回なければいいけどよ……」

 

 

「ちょっと心配ですよね……トップロードさん」

 

 

 なんだかテイオーちゃん達が小声で話してますけど……ナリタトップロード、気合入れていきますよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふん。どうだい?トレーナー君。桜花賞で見せた僕の弱点を克服する完璧な作戦は?」

 

 

 トレーニングの休憩中僕はトレーナーさんにこの前の桜花賞についての反省会をしています。ちなみに今日のトレーニングはラットプルダウンとかの上半身強化ですね。いやぁ良きかな良きかな!良安価ですよ!

 

 

「そうだね。ひとまず君がレース後だってのにトレーニングしてることだとか1時間以上ほぼノンストップでトレーニングしていることとかまたロイヤルビタージュース飲んでることとかは一旦置いておこうか」

 

 

 止めてくださいよチクチク言うの!思い出したくないこと思い出しちゃうじゃないですか!

 

 

「俺もね。ビックリしたよあの桜花賞は。ピッチ走法で走るのにもビックリしたし、あの作戦にも度肝を抜かれた」

 

 

「そうだろうそうだろう!完璧な作戦だった!」

 

 

「うん。俺もまさか周りに他の子がいると集中力が乱れるっていう弱点をあんな力業で解決するなんて思わなかったよ……本当に、あれで勝てるあたりこの子のポテンシャルは相当だな……

 

 

「解決の仕方が脳筋のそれです。アンちゃん成績は良いのになんでそう脳筋的な解決法ばっかり選ぶです?」

 

 

 いや、だってその方が単純だし……。シンプルisベストって言うじゃないですか?

 

 

「あれこれ策を講じるよりも、この方が単純だろう?」

 

 

「うん。まぁそうなんだけどね?でもそれができるって大概おかしいよアンカ」

 

 

「外を走る分だけロスがあるです。この際スタミナとか抜きにしても良く間に合うもんです」

 

 

「まぁ、こうして毎日鍛えているおかげだな」

 

 

「だからってレース後もトレーニングするのはどうかと思うよ?疲れてない……いや、パフォーマンスが落ちてるから疲れてるんだね?アンカ」

 

 

 うげ、やっぱりバレましたか……。

 

 

「……まぁ、このトレーニングも神の啓示だろうから止めはしないよ。でも、皐月賞もあるんだから無理のない範囲でね?」

 

 

「……分かっているさ。そこまで時間は取らないつもりだ」

 

 

 と、トレーナーさん……!なんて良い人なんでしょう!普通なら無理矢理にでも止めるでしょうに、僕の安価を尊重してくれる!最高のトレーナーに巡り合えて僕は本当に幸せ者だなぁ!

 

 

「いいトレーナーに巡り合えてよかったですアンちゃん。ヴィッパーに感謝するです」

 

 

「無論、感謝しているともヴィッパー。経緯はどうあれ、君の助言を聞いたおかげで僕は良きトレーナーと巡り合えたのだから」

 

 

「ふふんです」

 

 

 おぉヴィッパーのドヤ顔。可愛い。

 

 

「ま、その調子で頑張るですアンちゃん。もっともっと苦しんでる姿をヴィッパーに見せると良いです」

 

 

「あぁ。任せておけ……ちょっと待って?今聞き捨てならない言葉が聞こえたんだけど?」

 

 

「気のせいですアンちゃん」

 

 

「気のせいじゃないよね?僕が苦しんでる姿が見たいって言ってたよね?」

 

 

「ついに幻聴までです……アンちゃん可哀想です……」

 

 

「いや絶対言ってたよね!?僕の気のせいじゃないよね!?」

 

 

「ほらアンカ。さすがにまずいから休憩するよ」

 

 

「トレーナー君!?」

 

 

 まるで僕がおかしいみたいな扱い止めてよ!?

 

 

「ま、休憩がてら聞いてくれアンカ。次の皐月賞のことだけど」

 

 

「……」

 

 

「ほら、俺が悪かったから拗ねないでよアンカ」

 

 

 ……まぁいいけどさ。

 

 

「……次の皐月賞がどうかしたのか?」

 

 

「今回アンカ以外で注目されているのは2人。アドマイヤベガとナリタトップロードの2人だね。後は……俺個人としてはテイエムオペラオーかな?連勝中で勢いに乗ってるからね」

 

 

「アヤベさんとトップロードさんか!それにオペラオーも!」

 

 

 見事に知り合いばっかり!

 

 

「そう。特にアドマイヤベガには要注意だ。君と同じ脚質……ゴメン、あんまり関係なかったね」

 

 

 まぁ僕は戦法安価で決めますしお寿司。ただ追い込みになると厄介ですねぇ……。でもアヤベさんだからいいか。そんなに気負わないで走れるし。何より友達だし!友達だし!

 

 

「まぁなんにせよ追い込みで走ることになったらアドマイヤベガは君を徹底的にマークしてくるはずだ」

 

 

「まぁ、問題はないさ」

 

 

「君の弱点はすでに広く知れ渡っている。だから、今まで以上にマークはキツくなってくるはずだ。それこそ、桜花賞以上にね」

 

 

 うえぇ……やだなぁ。

 

 

「でも、断言してもいい。君の実力は皐月賞に出走しているウマ娘の中で一番だ。だから君の力を発揮することができれば……負けることはない」

 

 

「……分かっているさ。まぁ、僕がどのように走るかは神託(安価)次第だ」

 

 

 嬉しいこと言ってくれますねぇ!もっともっと期待してくれてもいいんですよ!

 

 

「さて、休憩は終わりだ。トレーニングに戻るぞ」

 

 

「できればトレーニングも切り上げて欲しいんだけどね。レース明けだし」

 

 

「それは叶わぬ願いだ。すでに神託(安価)を賜っている。一度決まった神の啓示(安価)を覆すわけにはいかない」

 

 

「分かってるよ。程々にね」

 

 

 さ~て、飲み物でも飲んで頑張りますか。……まっずぅ。ロイヤルビタージュース本当に味どうにかならないかなぁ?疲れは取れるからいいけどさぁ……。




次回は皐月賞。
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