今日も楽しく安価だ!   作:カニ漁船

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ちょっとした会話を挟んだ後レースへ。


安価ウマ娘とKGVI & QES開戦!

 今日はとても気分が良い。アンカの美学を知ることができたし、何よりも……もうすぐキングジョージが迫っているのだから。

 

 

「フフフ」

 

 

「楽しそうですね、姉上」

 

 

 ダラカニがそういうが、私の心は踊り続けている。それほどまでに、良い時間だった。

 

 

「無論だともダラカニ。有意義な時間だった!アンカの美学を知るために彼女に宣戦布告をしに行ったわけだが……とても良い話が聞けたよ!」

 

 

「……そうですか」

 

 

 ふむ、ダラカニはそうでもなかったかな?ま、ダラカニの持つ美学からすれば、アンカの美学は理解できないかもしれないがね。

 

 

「……姉上。姉上は……アンカデキメルゼさんのことをどう思いますか?」

 

 

「マイプリンセス!」

 

 

「そうではなく」

 

 

 おや、違ったようだ。ま、ちょっとした茶目っ気だがね。

 

 

「アンカデキメルゼさんのレースは一通り見ました。彼女は……多種多様な戦法を取っています」

 

 

「そうだねぇ。日本には自由自在ということわざがあるが、アンカの走りはまさにそれだろう!」

 

 

「ですが、彼女がベストなパフォーマンスを発揮したのはダービーの時です。あの時の彼女の走りは……まさしくパーフェクトな走りでした」

 

 

「それには私も同意見だ。連闘に次ぐ連闘でボロボロながらも叩き出した2400のワールドレコード……!あまりの感動に私の双眸からは雫が零れ落ち、気づけば拍手喝采だった!」

 

 

「だからこそ、理解できません。何故彼女はベストなパフォーマンスが発揮できる走りで挑まないのでしょうか?そうすればもっと楽に勝てたでしょうに。何故彼女はそうしないのでしょうか?」

 

 

 フム。ダラカニが疑問に思っているのはそこか。まぁ確かに、傍から見れば疑問しか湧かないだろうね。自らを追い詰めて枷をしているようにしか見えないのだから。

 

 

「何故、ベストな走りで挑まないのか?私にはそれが理解できません。何故わざわざ、自らを追い詰めるような真似をし、苦手とする分野にまで手を出し走ろうとするのか……それが私には理解できない」

 

 

「成程な、ダラカニ。それがお前の疑問に思っていることか」

 

 

「……本人を前にしては言えないことですので。ですが、アンカデキメルゼさんの走りを決して否定するわけではありません。ただ、純粋に疑問なのです。彼女が何を考えているのか……それが分からない」

 

 

「確かに、お前とは真逆を行く美学だ。理解しがたいものかもしれないだろう」

 

 

 ダラカニが持つ美学。それは……アンカとは対極的なものだ。

 

 

「勝つために派手なパフォーマンスは必要ない。大差勝ちだろうがクビ差だろうが勝利には変わらない……それがお前の美学だな、ダラカニ」

 

 

「……まぁ、そうですが。それがどうかしたのですか?姉上」

 

 

 頭に疑問符を浮かべているダラカニに私は答える。アンカの美学を……私が感じ取ったものを!

 

 

「アンカの美学はお前とは対極的だダラカニ。ただ勝つのではない。勝利に派手さを求め、観客を湧かせ、夢を魅せる……それが彼女の美学!常に自らを追い詰め、枷を強いることで、ギリギリの勝負を演出しより強い輝きを放つ……それが、アンカデキメルゼという少女の美学なのだろう!」

 

 

「……ある種、姉上に似ているということですか」

 

 

「そうとも!私の美学は……私自身が最強だと証明するために圧倒的な、ドラマチックな勝利を求める!かの踊る勇者やクラシック3冠ウマ娘達など目じゃないくらいにね!彼女らよりも強いことを証明するためには、ただの勝利では物足りない……誰もが認める最強であるために!私はドラマチックな勝利を求めるのさ!」

 

 

 似ていないようで似ている私とアンカの美学……ふふ、これも運命かもしれないね?

 ダラカニは少し俯きがちだ。そんな可愛い妹の頭を撫でてやる。

 

 

「無理に理解する必要はないさ、ダラカニ」

 

 

「姉上……」

 

 

「お前にはお前の信じる美学がある、私には私の、アンカにはアンカの美学がある。それが絶対に正しいとは限らない……これは常日頃からお前に言っていることだな?ダラカニ」

 

 

「……はい。お前はお前の信じる道を往け、姉上から言われてきた言葉です」

 

 

「なら、それでいいのさ!お前はお前の信じる美学を持って、お前の強さを証明すればいい!……良いね?ダラカニ」

 

 

 ダラカニを安心させるように微笑む。ダラカニも薄く微笑んだ。うむ!やはり可愛い妹には笑顔が似合う!

 

 

「姉上には敵いませんね」

 

 

「ハッハッハ!お前の姉だからな!今度のキングジョージ……私は私の強さを証明するために走る。それがどのような結果になろうとも……な」

 

 

「応援しています、姉上」

 

 

「うむ!任せておくがいい!」

 

 

 ダラカニと帰路に着く。さて……君の輝きを、間近で見させてもらおうか!アンカ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈中央でデビューすることになったワイを安価で導くスレpart8〉

 

 

21:名無しのウマ娘 ID:vVuRrY85w

KGVI & QES安価まとめ

・戦法は大逃げ

・パドックでブレイクダンス

・ウォーミングアップでなんか踊る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《さぁこの日がやってまいりました!上半期の総決算キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス!アスコットレース場、11ハロン211ヤードの距離をウマ娘達が駆け抜けます!芝の状態はGood to Firm*1!晴れ渡る空が広がっています!ただ……日本から来たチャレンジャー、前走のエクリプスステークスを圧巻の8バ身差勝利を収めたアンカデキメルゼが何やらターフで踊っております!本レースの1番人気!これは何かのジンクスでしょうか?気になるところです》

 

 

 

 

 ジンクスゥ?そんなわけないでしょ。安価で決まったから踊ってるだけですよ。ちなみにパドックでブレイクダンスだったので今やってるのはロボットダンスです。割と得意なんですよね、ロボットダンス。

 

 

「あの子、また変なことやってるわね」

 

 

「日本という国が誤解されそうだねぇ」

 

 

「今更です」

 

 

「アンカー!頑張ってねー!」

 

 

 トレーナーさんが僕を応援してくれます!よっしゃ、いっちょ頑張りますか!

 

 

「『シルバーラビット!特訓の成果、見せてやれ!』」

 

 

 無論ですよ師匠!今回は走法縛りはありません……僕の全力を出せます!てかいつまで踊りましょうか?コレはこれでウォーミングアップにはなりますけど「ワァァァァァァァァァ!!」うお、一際大きな歓声ですね。ということは……デイラミさんですか。

 デイラミさん……改めて勝負服を見ると、うん、デカいな。色々と。身長も高い。170少し上ぐらいかな?それに胸もデカい。さすがに師匠程デカくはないけど、それでも均整の取れた身体ってのが分かる。姉妹揃ってナイスバディだなぁ……。

 そんなデイラミさんの勝負服は、青を基調とした勝負服。男装の麗人感が凄い。見た目は王子様ですね。

 

 

 

 

《さぁ続いて入場してきたのは本レースの3番人気デイラミです!1番人気をアンカデキメルゼ、2番人気をダービーウマ娘のオースにこそ譲りましたがその実力は本物!前走のコロネーションカップを勝利しての本レースに参戦!その実力は本物、彼女こそ真の王者であり欧州最強のウマ娘だと陣営は太鼓判を押しています!》

 

 

 

 

 

 

「『ハハハ!さぁ、今日も私の強さを見せようじゃないか!』」

 

 

 デイラミさんが入場してきて……あ、僕に気づいた。そして踊ってることに気づいて……!?ちょちょちょ!なんか胸を押さえつけ始めたんですけど!?病気ですか!?こんな時に!?

 僕はあまりの出来事に慌てて駆け寄ります!

 

 

「『だ、大丈夫か!?』」

 

 

 他の子達も心配するように駆けよってきました。ファンの人達も心配していますが……「『う、美しい……!』」は?

 

 

「『なんと麗しいダンスだ……!このアスコットレース場に妖精が舞い降りてきたようだね!あぁ、この感動をどう表現すればいいのだろうか!?実に見事だ、アンカ!』」

 

 

 ……大丈夫そうですね。心配して損しました。他のみなさんもそう思ったのか撤収していきます。

 そしてウォーミングアップも終わり。ゲートに入る時がやってきました。

 

 

 

 

《さぁ何とも言えないアクシデントがありましたが特に問題はなさそうですね。各ウマ娘がゲートに入ります。本レース3番人気はデイラミ。距離不安こそ残るもののその実力は欧州最強と言っても過言ではありません。果たして距離不安を克服することはできるのか?続いて2番人気はオース。ダービーを制しての本レース、イギリスの若き新星は果たしてどのようなレースを見せてくれるのか?そして1番人気は日本からのチャレンジャーアンカデキメルゼ。日本のウマ娘としては初となるエクリプスステークスを制しました。さらには日本のクラシックを4つ制して未だ無敗。その伝説はまだ続くのか?期待が高まります!》

 

 

 

 

 集中集中……今回の安価は大逃げ。スタートダッシュでしくじるわけにはいかない。高めて……「ガシャン!」ッ!今だッ!

 

 

 

 

《そして今……ゲートが開いた!各ウマ娘が一斉にスタートを切ります!まず好調なスタートを決めたのは……アンカデキメルゼ!アンカデキメルゼだ!内からアンカデキメルゼが猛烈な勢いで上がっていく!これはもしや……!日本のダービーで見せた大逃げか!?》

 

 

 

 

 よっし!まずは好調な滑り出し!良いスタートを切れましたよ!このまま……ピッチ走法で上がっていきます!ただ、最初のコーナーまでの800mの直線は下り坂……なんと高低差22メートルも下るらしい。日本でも見たことねぇよそんな坂!ただ、一番きついのはそこじゃない。アスコットレース場にはスウィンリーボトムという地点があって、そこがコースの最低地点だ。そして、このキングジョージでは……そこからさらにまた高低差22メートルの坂を上ることになる。

 まぁ下り坂なのでピッチ走法で加速した後はすぐにストライド走法に切り替える。スピードが乗りすぎると曲がり切れないという懸念点があるけど……()()()()()()()()()()()

 

 

(パワーもついてきたし、加速が乗ったままでも十分に曲がり切れる!)

 

 

 

 

 

 

《まず先頭を取ったのは日本のアンカデキメルゼ!アンカデキメルゼが快調に飛ばしていきます!これはややオーバーペースか?2番手はダリアプールとネダウィが追走する形。しかし無理には追わない様子だ。セントレジャーの勝ちウマ娘ネダウィと英ダービーと愛ダービーを2着と好走したダリアプールが2番手争いです。昨年のセントレジャー3着のサンシャインストリートは出遅れが響いたか最後方からのスタート。香港最強ウマ娘と名高いインディジェナスはちょっと掛かり気味か?3番手の位置につけている。その内からはデイラミだ欧州最強ウマ娘デイラミはこの位置につけている。さぁその間にもアンカデキメルゼが後続との差をどんどん開いていくぞ!アンカデキメルゼがガンガンペースを上げていきます!》

 

 

 

 

 僕はそのままペースを保つ。さて、頑張りまっしょい!

*1
良バ場




アスコット競馬場っておにぎりみたいな形してるんですよね。
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