今日も楽しく安価だ!   作:カニ漁船

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アメリカに渡るぞー。


安価ウマ娘と渡米!

 始まりは、師匠の一言でした。

 

 

『アメリカ行くぞ!お前ら!』

 

 

 そんな言葉とともに拉致られた僕達。現在飛行機でイギリスからアメリカに飛んでいます。

 

 

「『……それで?どうして急にアメリカなのかしら?セクレタリアトさん』」

 

 

 不機嫌さを隠そうともしないアヤベさんに対して、師匠は笑いながら答える。

 

 

「『なぁに!我が弟子に出てもらおうと思ってるレースがあってな!どうせ8月はレースがないから暇だろ?シルバーラビット!』」

 

 

「『まぁ……暇っちゃ暇ですけど』」

 

 

「『なら問題ないだろ!』」

 

 

 そうかな……そうかも……。

 

 

「『ちなみに、なんて名前のレースなんですか?G1レースだったり?』」

 

 

「『いや、確か今の格付けはG2だな。レースの名前は……』」

 

 

 師匠はニヤリと笑う。

 

 

「『セクレタリアトステークス……つまりは、俺の名前を冠したレースだな!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして着きましたアメリカバージニア州。どうやらここのコロニアルダウンズレース場で開催されるみたいです。それにしても師匠の名前を冠したレースですか……。

 

 

「『なんで僕が出る必要が?』」

 

 

「『ん?決まってんだろ我が弟子!』」

 

 

 師匠は相変わらずニッコニコとしているなぁ。よっぽど楽しいみたいだ。

 

 

「『お前を俺の弟子として紹介してレースに出走させる!そしたら話題性ばっちりだろ!』」

 

 

「『へ~成程成程。そういうことなんですね』……え゛?」

 

 

「『頑張れよ我が弟子!多分他の奴らから滅茶苦茶注目されるだろうがお前なら問題ない!』」

 

 

「『い、いや、ちょっと……』」

 

 

「『じゃ!早速ホテルに案内するぞ!みんな、しっかりついてこいよ!』」

 

 

 ちょっとー!師匠ー!?そんなの聞いてませんよー!?というか、さっきから滅茶苦茶注目されてますよ僕らー!

 

 

「諦めたまえアンカ君。ここまで来たら我々に逃げ道なんてものはないよ」

 

 

「何が嫌なんですか?アンカさん」

 

 

「……フン、何ら問題はない。突然だったから驚いただけだ。嫌なことなどない」

 

 

「見栄張ってるです」

 

 

 うるさいよヴィッパー!というか、マジでさっきから視線が痛い!好奇の目にさらされてる!視線で穴が空くんだったら僕達の身体は今頃穴だらけだよ!

 

 

「それにしても、セクレタリアトステークスか……」

 

 

「知っているのか?トレーナー君」

 

 

「名前だけはね。芝8ハロンのレースだよ」

 

 

「つまり……1600のマイル戦ということか」

 

 

 まぁレースが1つ増えるぐらい訳ない……のか?うん、まぁ大丈夫でしょ。それよりもさっきから師匠がウッキウキしてる。

 

 

「『おい、あれってもしかして……!』」

 

 

「『び、ビッグ・レッド!?なんでこんなとこに!?』」

 

 

「『イギリスに渡ったって聞いたけど、こっちに戻ってきたのか!……後ろの小っちゃい葦毛はもしかして、話題の弟子か?』」

 

 

「『そうじゃない?』」

 

 

 そんなウキウキの師匠につれられるまま、僕達は宿泊先のホテルに着いた。

 

 

「『こ、これはセクレタリアト様!本日は当ホテルのようなところに……』」

 

 

「『あーいらんいらん。そんな堅苦しい挨拶はいらん。早く部屋に案内してくれ』」

 

 

「『わ、分かりました!最高級のスイートルームを用意していますので!』」

 

 

 すげぇ、スイートルームだってよスイートルーム!というか、師匠が偉大だってのは知ってるけど……こうして直に見ると改めて実感するなぁ。周りの人達みんな師匠に委縮してるよ。

 そして案内されたホテルは……なんと最上階である。いや、スイートルームだから当たり前か。

 

 

「『さぁて!この階層は全部貸し切った!これからレースまでの間はずっとここで寝泊まりだぞ!』」

 

 

「「「貸し切ったぁ!?」」」

 

 

 ちょちょちょ!?そんなことできるの!?てかアニメやドラマでしか見たことないようなプールが付いてる!いや、マジでスゲェ!?それしか言葉が出てこねぇ!

 

 

「ふ、ふわふわ……!」

 

 

「あぁ!?アヤベさんが早速お布団の魔力に!?」

 

 

「『そうだ。なんか欲しいもんがあったら俺に言え。用意させるからよ』」

 

 

「……いやぁ、やることが全部豪快だねぇ。まさにビッグ・レッドだ」

 

 

「なんか申し訳なくなってくるな……」

 

 

「『気にすんなシルバーラビットのトレーナー!これぐらいなんてことねぇからな!あ、ホワイトハウスにでも入ってみるか?』」

 

 

「『恐れ多くて無理です』」

 

 

 さぁて、僕も満喫「『あ、シルバーラビット。お前はトレーニングな』」な、なんで!?

 

 

「『安心しろシルバーラビット!ここの最上階にはジムも併設されてある!いつでも身体を鍛え放題だ!』」

 

 

「『こっちに来て早々トレーニング!?せめてもうちょっと満喫させてくださいよ!?』」

 

 

 苦し紛れにそう言うと……師匠は驚くほどあっさりと僕を離した。

 

 

「『と、言うのは冗談だ!HAHAHA!ビックリしたか?』」

 

 

「『マジでやるかと思いましたよ』」

 

 

「『少なくとも今日と明日はゆっくりしておけ!というわけで早速……プールで泳ぐぞ!』」

 

 

 師匠は早速プールに向かった。カレンさんは自分の部屋に、タキオンは早速何かを注文している。トレーナーさんは自室に戻ってトレーニングメニューの作成とトレーナーの仕事、アヤベさんは布団の魔力に取り込まれている。残ったのは僕とヴィッパーだけだ。というわけで……!

 

 

「僕達も泳ぐぞヴィッパー!」

 

 

「ヴィッパーはパラソルの下で涼んどくです。泳ぐならアンちゃんとセクレタリアトさんだけでお願いするです」

 

 

「えぇ~?たまには運動しないと、ヴィッパー太るよ?」

 

 

「黙れですケツデカ」

 

 

「酷くない!?」

 

 

 そんなわけで僕と師匠だけで泳ぐことになった。なお……。

 

 

「あ、あれが……ワールドクラス……!」

 

 

「色んなものがデッケーです」

 

 

「『あん?どうした?泳がねぇのかお前ら』」

 

 

 師匠の色々とデカい水着姿に圧倒された僕達。揃って自分達の体型を見る……見事なまでにツルペタだ。

 

 

「「……」」

 

 

 く、悔しくなんてないんだからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして迎えた夜の時間。僕達は……久しぶりに食べるジャンクの味に感動していた。

 

 

「イギリスの食事は基本的に味が薄かったですもんね~。健康考えるならあっちですけど、たまにはこっちもいいかも!」

 

 

「そうね。健康度外視のジャンクフード……たまには、うん。悪くないわ」

 

 

「『沢山食えよお前ら!タダ同然だからな!食わなきゃ損ってやつだ!』」

 

 

「見てよアンカ。これ揚げバターだって……大丈夫なの?これ食べて」

 

 

「カロリー爆弾みたいな名前だな……僕はピザで良い」

 

 

「うぐぐ……!さ、さすがに食べ過ぎると太るです……!」

 

 

「そんなヴィッパー君にダイエットに最適な薬があるんだが……」

 

 

「結構です」

 

 

 うめぇ……!あっちの料理も別に悪いとは言わないけど、このジャンク感がたまらねぇ!というかタダ同然ってマジですか師匠!?ちなみに食事安価は取らないというか取る暇がなかった。だって師匠が全部注文しちゃったし。まぁ別の機会にやればいいでしょ。

 ご飯も食べ終わってお風呂に入り終わって。僕は……師匠と2人っきりになってた。

 

 

「『どうだ?我が弟子。中々悪くないだろ?明日は観光の時間に当てるつもりだ。あ、はぐれるんじゃねぇぞ?日本ほど治安が良いわけじゃねぇからな。後お前のネームバリューだと……間違いなく囲まれる』」

 

 

「『う、やっぱりですか?』」

 

 

「『そりゃそうだろ。お前は俺の弟子な訳だからな。それに……唯一、俺の走法を受け継いだ弟子だ。注目されるに決まってる』」

 

 

 師匠は遠い目をしている。どうしたんだろうか?

 

 

「『どうかしたんですか?師匠』」

 

 

「『んー……いや、まさか俺がここまで興味を惹かれるウマ娘が出てくるとは思わなかったからな』」

 

 

 どういうことだろ?師匠の興味を惹いた?

 

 

「『たまーに聞いたことねぇか?ものぐさビッグ・レッドって言葉』」

 

 

「『あ、たまに聞きましたね。それがどうかしたんですか?』」

 

 

「『俺はな、興味がねぇことにはとことん興味がねぇ。現役を退いてからは、最低限のトレーニングだけ積んで、食っちゃ寝するだけの生活を過ごしてた』」

 

 

「『……え?なのにそのスタイルを維持してるんですか?』」

 

 

「『なーんか昔からそうなんだよな。代謝良いのか知らねーけど』」

 

 

 う、嘘だ……!僕も食っちゃ寝するだけの生活で胸と身長デカくならないかな!?そんな僕の思いを尻目に師匠は語りを続ける。

 

 

「『ホントに怠惰な日々を過ごしてた。無敗のアメリカ3冠とか、俺の後継者とかいろんなウマ娘が出てきたけどよ……それでも俺の興味は惹かれなかった。お前に会うまでは』」

 

 

「へ?」

 

 

 師匠はジッと僕を見ている。な、なんですかね?

 

 

「『日本のダービー……無意識ながらも俺の走りを再現したお前に興味を惹かれた。だからこそ、怠惰な日々から抜け出してわざわざイギリスまで飛んだんだ。これは言ったな?』」

 

 

「『そ、そうですね。僕に会うためにイギリスまで来たと』」

 

 

「『いざ会ってみたら、お前は想像以上に面白い奴だった!無茶なトレーニングやらせても乗り越えてくるし、いつだって俺の期待を越えるものを見せてくれた!』」

 

 

 師匠は楽しそうに語っている。……というか。

 

 

「『無茶だって分かってるなら止めてくださいよ!?マジできつかったんですからね!』」

 

 

「『そいつは悪かった!けど、お前は乗り越えて強くなっただろ?そして、エクリプスステークスとキングジョージを勝った』」

 

 

「『ま、まぁ……それはそうですけど』」

 

 

「『ならよかったじゃねぇか!え~っと、なんだっけ?終わり良ければ総て良し、だったか?お前はまだまだこれからだけど』」

 

 

 ぐ、ぐぬぬ……!確かにそうかもしれないけども!

 

 

「『さて、じゃあお前をセクレタリアトステークスに出走させようとした目的を話すか』」

 

 

「『あ、それは気になってました。どうしてです?』」

 

 

 師匠はニヤリと笑う。そして、凄く面白そうに告げた。

 

 

「『俺の名前を冠したレースで、俺の走りを再現したウマ娘が走る……こんなに盛り上がることはねぇだろ!だからこそ、お前をこのレースに出走させようって思ったわけだ!』」

 

 

「『……思ったより深くない理由だったー!?』」

 

 

「『なーに言ってんだ我が弟子!こんなのアメリカ中が湧き上がるぞ!注目されること間違いなしだ!』」

 

 

 師匠は豪快に笑ってる。……まぁ、確かに盛り上がるかもしれないけどさぁ。

 

 

「『あ、言っておくがお前がセクレタリアトステークスに出走することはもうすぐアメリカ中に知れ渡るぞ』」

 

 

「what's?」

 

 

「『俺が大々的に記者に売り込んだからな!明日にはニュースにもなるんじゃないか?』」

 

 

 ……ということは、僕は滅茶苦茶注目される?

 

 

「……嫌だぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

「『頑張れよ我が弟子!後出るからには必ず1着を取れ!』」

 

 

 師匠のバカー!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンカデキメルゼ現時点での育成目標

 

 

メイクデビューに出走 達成!

 

フェニックス賞に出走 達成!

 

新潟ジュニアステークスに出走 達成!

 

京王杯ジュニアステークスに出走 達成!

 

全日本ジュニア優駿に出走 達成!

 

桜花賞で1着 達成!

 

皐月賞で1着 達成!

 

NHKマイルカップに出走 達成!

 

オークスで1着 達成!

 

日本ダービーで1着 達成!

 

エクリプスステークスに出走 達成!

 

キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに出走 達成!

 

セクレタリアトステークスで1着 new!

 

セントレジャーステークスに出走

 

凱旋門賞に出走

 

チャンピオンステークスに出走

 

菊花賞で1着

 

BCクラシックに出走

 

エリザベス女王杯に出走

 

ジャパンカップに出走




今明かされるレース。調べたらあったんですよね、セクレタリアトステークス。
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