〈中央でデビューすることになったワイを安価で導くスレpart9〉
566:名無しのウマ娘 ID:vVuRrY85w
菊花賞安価まとめ
・戦法は追い込み
・シービー戦法
・パドックをムーンウォークで登場
・走る位置は大外固定
567:名無しのウマ娘 ID:FIdOu7U2C
シービー戦法ってなんぞ?
568:名無しのウマ娘 ID:VFpSJ2DA+
シービー戦法か。3代目3冠ウマ娘の戦法で6代目の3冠ウマ娘が勝つのか
569:名無しのウマ娘 ID:D289XA7xR
>>567第3コーナーの坂から加速しての大捲りや。当時京都の坂はゆっくり下るのが定石だったけどそれを無視した走りはタブーって言われてた
570:名無しのウマ娘 ID:F7V6HNcHY
3冠どころか5冠なんだよなぁ…
571:名無しのウマ娘 ID:D289XA7xR
6冠ウマ娘やぞ
迎えた菊花賞。アンカは……まぁいつも通りの調子だった。
「Moon walk──見事な腕前」
「すごぉ~い!私もパドックはあれで登場しようかしら!」
「止めておいた方が良いと思うけどね……」
メイクデビューでは失敗したムーンウォークでの登場。今度は成功していた。アンカも心なしか安堵したような表情でパドックを後にしてたし。
会場は……まぁ人で溢れかえっていた。
「み、みんな!しっかりついてきてる!?」
「な、なんとか~……」
「──タルマエ。Hold、私に掴まれ」
タキオンはセクレタリアトさんに、ファインはニジンスキーさんに掴まっている。ヴィッパーは俺だ。はぐれないように一団となって行動する。
「やっぱり凄い人!アンカさん大人気だね!」
「それはそうね。このレースには日本のクラシック5冠目がかかったレース。加えて……彼女自身久しぶりに日本で走る」
「彼女の走る姿を生で見たいというファンは多いだろうからねぇ。人で溢れかえるのも無理はない」
言いながら、なんとか見やすい席を確保する。しばらく待っているとウマ娘の入場が始まった。
《京都レース場、クラシックの3冠目菊花賞がいよいよ始まろうとしています!芝の状態は良バ場の発表、3000mの距離を選ばれた優駿達が走ります!京都レース場に詰め寄ったファンの数は実に15万人超!レース場の外にまで人が集まっている事態になっております京都レース場!それもそのはず、なんて言っても!
《ウマ娘も続々と入場してきております。それにしても楽しみですねぇ。こんなに集まったのはサクラキャンドルのエリザベス女王杯以来ではないでしょうか?》
《それだけ楽しみにしていた方が多いのでしょう!彼女を見るためにこのレース場に来た、そんなファンも多そうです!まず入場してきたのは……》
続々とウマ娘達がレース場に姿を現す。その中にはテイエムオペラオーやナリタトップロードの姿もあった。
《続いて入場してきたのは3枠4番のテイエムオペラオー!本レースの2番人気、前走の京都大賞典はシニア級相手に3着と好走しました!この菊花賞でも気合十分、好走が期待できます!G1の冠を手にすることができるか!?》
「ハーッハッハッハ!ボク、参上!」
《次に入場してきたのは1枠1番ナリタトップロード!菊花賞は3番人気、前走の菊花賞トライアルレース京都新聞杯は見事に勝利しました!パドックでの調子は絶好調!こちらもまだG1は未勝利、勝ちたいところです!》
テイエムオペラオーとナリタトップロードは気合十分といった様子。そしてアンカが入場してきたその瞬間……京都レース場が揺れた。
《そしてきたぁぁぁぁぁぁ!本レースダントツの1番人気!クラシック5冠……いや!クラシック6冠に王手をかけている絶対女王!手にしたG1の冠は実に11!世界の高き壁凱旋門賞を制したウマ娘!何を言っているか分からない?ご安心ください!我々も良く分かりません!8枠14番、アンカデキメルゼの登場だぁぁぁぁぁぁぁ!》
《凄まじいオーラですね……!周りのウマ娘も委縮している様子!世界という舞台を経て、一回りや二回りですまないほどの成長を遂げたアンカデキメルゼ!果たしてこの菊花賞はどのようなレースを見せてくれるのか!?》
「わぁ~!凄い歓声!」
「本当……!私もいつか!」
「──fight、アンカ」
アンカは堂々とした……いや、違うねあれ。滅茶苦茶緊張してるね。無表情だけど何となくわかる。
「なんでこう、アンちゃん大舞台を経験してるはずなのにいまだに緊張するです?」
「本人の性格的な問題かな?やっぱり。こういう大舞台をどれだけ経験しても、アンカの性格的に難しいと思うよ」
「一理あるです。というかそれしかないです」
各ウマ娘がゲートに入る。
《枠入りが順調に進んでおります。さぁアンカデキメルゼ、最初に掲げた目標通りクラシック5大レースその全てを制することができるのか?それともテイエムオペラオー、ナリタトップロードを始めとした他のウマ娘が待ったをかけるか!?菊花賞まもなく発走となります!そして今、最後のウマ娘がゲートに入りました。ウマ娘全員がゲートに入って……ゲートが開きました!菊花賞の開幕です!》
菊花賞が始まった。アンカは出遅れる。とは言っても、今回は追い込みで走るって言ってたからこれは予定調和なんだけど……外へ外へと進路を取っていた。
「まさかアンカ……最初っから外ラチいっぱいで走る気?」
「わざわざ距離のロスがある外を走るなんて……本当に不思議な子ね、アンカ」
「けど、他もアンカ君がいる外には行こうとしない……つまりアンカ君はフリーというわけだ」
「フリーにしたシルバーラビット程恐ろしいもんはねぇ。連中もそれは分かってるはずだ。だからこそ、どっかのタイミングで外に来るぞこりゃ」
アンカは外ラチいっぱいを走る。他のウマ娘達は自分達が好位置につけるよう熾烈な争いをしているのもどこ吹く風。最後方で一人旅だ。
《最初の第3コーナーを越えて先頭を取ったのはメジロロンサン。ハナを奪ったのはメジロロンサンです。菊花賞のペースメーカーとなるのはメジロロンサン。2番手は外ブラックタキシード内にタヤスタモツ。サクセスエナジーペインテドブラックもこの位置だ。テイエムオペラオー、内にナリタトップロードもおります。1番人気どのような戦法を取るか不明のアンカデキメルゼ。出遅れからの最後方スタート。今回は追い込みだアンカデキメルゼ》
《しかしアンカデキメルゼは外ラチいっぱいに走っていますね。果たしてどのような意図があるのか?》
《取ったG1の数は伊達ではない。きっとこの行動にも意味があることでしょう!アンカデキメルゼは最後方ポツンと外で一人旅。先頭集団は第4コーナーに入ります。そろそろ位置争いも大人しくなってきた頃か?集団最後方はオースミブライト、シンボリモンスト。その後ろ3バ身程離れた位置に外ラチいっぱいアンカデキメルゼ》
おそらくだけどアンカは自分が力を一番発揮する状況に持っていくための外ラチいっぱいを走る作戦だろう。さすがにこんな序盤から距離のロスがある外を走るとするウマ娘なんていない。それに、アンカのスタミナはセントレジャーで実践済み。だからこそ、問題はないわけだ。
レースは始まったばかり。ここからどう動くか?
前との差は……7バ身ぐらい?まぁそのぐらいの位置をキープしている最初の直線。それにしても、今回の安価であったシービー戦法……よくわからなかったからググったんだけど。
(第3コーナーからの大捲りか……坂をゆっくり下るのが定石だった京都レース場の菊花賞で、そのタブーを破ったミスターシービー先輩の追い込み。それを再現しろと)
ぶっちゃけできんことはない。なので今はこうして機をしっかりと待っているわけだ。
第1コーナーのカーブに入る。7バ身の位置をキープする。
《先頭集団第1コーナーのカーブへと入ります。ややスローペースとなっているか?ここで現在3番手ナリタトップロードが外を確かめるように視線を移しています。テイエムオペラオー、もしくはアンカデキメルゼの位置を確かめようとしていたか?しかしすぐに前へと視線を移します。レースはまだ動かない。ゆっくりとしたペースで進みます。テイエムオペラオーは中団に控えている。アンカデキメルゼは最後方集団からは6から7バ身程の外ラチいっぱい。まだ動かない》
《凱旋門賞で見せたあの末脚が今日もまた炸裂するか?他のウマ娘も頭に入っているでしょう。果たしてアンカデキメルゼはどう対処するか?》
……さぁて。バックストレッチに入ったら動きますかね。
第2コーナーを抜けてバックストレッチに入る。私は今3番手。オペラオーちゃんの姿は……まだ見えない。
(アンカちゃんは逃げていない……集団にも見当たりません。ということは、最後方……追い込みでくるということですか)
凱旋門賞とチャンピオンステークスで見せたあの末脚は頭に入っています。あれを使われたら……ほぼ負け。
(けどそれはみんな分かってる。だから、このバックストレッチでは外目にみんな走ってる)
そんな中私は内を走る。
《バックストレッチも半分を過ぎました。ここを越えた先に待っているのは京都の上り坂。2回目の坂が待ち受けています。現在先頭はタヤスタモツ、3番手にナリタトップロードが控えている形。集団は固まってきている、テイエムオペラオーはまだ中団。最後方は変わらずアンカデキメルゼ、しかし徐々に差を縮めてきている、集団との差は3バ身程になりました。さぁ誰が動くのか?まだ動かない。均衡はまだ崩れない菊花賞、果たして栄光は誰の手に!》
もうすぐ坂に入る。そんな時……ッ!
「っ!?な、なんですか!?」
急に後ろからの圧が増した!?い、一体何が……!他の子達も何事かとあたりを見渡している。私だけじゃなかった。
……もしかして。もしかして!
「ここから仕掛ける気ですか、アンカちゃん!」
私も仕掛けるか?いや、でもここで仕掛けたらスタミナが持たない!そう考えたら、まだ抑えるのが得策!けど、そのままアンカちゃんを先頭に立たせたら……!
(そっちの方が不味い!だから……ここで私も!)
「行きますっ!」
私も仕掛ける!アンカちゃんの姿はまだ見えない。だけど、後ろからの圧はどんどん増してきている!
(ヤバい……!他の子達も外に回ろうとしているけど、アンカちゃんはそれ以上のペースで走っている!)
加速しようと徐々にペースを上げ……ッ!?
「う……そ……っ!」
坂を登り終わろう。そんな時……私は、視界の端にアンカちゃんを捉えた。そ、そんな……!最後方から、もう先頭まで!?
《第3コーナーの坂に入った!坂に入って……!アンカデキメルゼが最後方から加速する!外ラチいっぱいアンカデキメルゼが加速する!京都の坂もなんのその!大地が弾んでいる!アンカデキメルゼが駆け抜ける!1人、また1人とアンカデキメルゼが抜いていく!そしてこれはまさかぁ!?》
京都の坂はゆっくりと下るのが定石。だけどアンカちゃんは……さらに加速した!?
「わ、私も……ッ!」
私も坂を使って加速する。いや、だけど……!
(だ、ダメ!?外に振らされちゃう!外に振らされたら、今度はオペラオーちゃん達に躱される!)
仕方ないけど、スピードを少し緩めるしかない……ッ!そうしてる間にも、アンカちゃんは……気づけば先頭に立っていた。
《大地が弾んだ!大地が弾む!剛脚轟かせアンカデキメルゼ!アンカデキメルゼが外ラチいっぱいぶん回して加速する!最後の直線先頭に立つのはアンカデキメルゼ!最後の直線に立ってアンカデキメルゼが逃げる逃げる!》
《いやはや……!他のウマ娘もアンカデキメルゼがどこで仕掛けるかは十分に気を付けていた。外を警戒するように位置取りをしていました。しかし!アンカデキメルゼが走っていたのは外ラチいっぱい!外ラチいっぱいを走って距離のロスがあるはずなのにこれは見事!》
《クラシック5大レース制覇はもう目の前だ!アンカデキメルゼが逃げる逃げる!アンカデキメルゼ先頭、ナリタトップロードとテイエムオペラオー!そしてラスカルスズカも必死に追いかける!しかしアンカデキメルゼ!アンカデキメルゼには追いつけない!アンカデキメルゼがグングン差をつける!2バ身!3バ身と差が開くか!?》
残り200……!負けたくない、負けたくない!アンカちゃんに勝ちたい!トレーナーさんに……クラシックの栄冠を……!
「……ああああぁぁぁぁぁああああああ!」
もっと……もっと!身体の奥底から力を!
アンカちゃんに追いつくために……!もっと、力を!
《ここでナリタトップロードが加速する!アンカデキメルゼを捉えんばかりに加速する!アンカデキメルゼに並ぶか!?アンカデキメルゼとの差を縮めていくナリタトップロード!アンカデキメルゼが内を確認するように見ている!アンカデキメルゼが逃げる!ナリタトップロードが追う!残り100m!アンカかナリタか!内のナリタか外のアンカか!?5冠の栄光か初の栄冠か!?完全に一騎打ちの形になる!》
もう少し……もう少しで追いつける……!
「やぁぁぁぁぁぁぁ!」
追いつけ……追いつけ!
《しかしアンカ!アンカデキメルゼがわずかに競り勝った!外ラチいっぱいアンカデキメルゼがナリタトップロードを下したぁぁぁぁぁぁゴォォォォォォォォルイィィィィィィン!アンカデキメルゼ!前人未踏!空前絶後のクラシック5大レース完全制覇!おっとアンカデキメルゼが手のひらを広げて……!グッと握りこぶしを作る!そして人差し指を天高く掲げる!自分こそが頂点!自分こそが最強だと証明するようにアンカデキメルゼが天高く指を掲げる!彼女の代名詞!》
《この道のりも、決して楽なものではなかったでしょう……しかし!これは破られることがあるのだろうかという大偉業!アンカデキメルゼ、クラシック5大レース完全制覇を成し遂げた!》
《2着はクビ差ナリタトップロード!終盤の末脚は目を見張るものでしたがわずかに届かず!3着は4バ身差テイエムオペラオー!》
けど……!届かなかった……!
【速報】アンカデキメルゼ、クラシック5大レース制覇。