スプリンター達「いや~マイル以上は地獄だな~。ま!私達は私達でがんば……」
アンカ「お・ま・た・せ☆」(香港スプリント参戦)
スプリンター達「来るな!来るなぁぁぁぁぁぁ!」
大体こんな感じ。
というわけでやってきました!久しぶりのアメリカです!確か8月に師匠に連れられて来て以降なので……大体3ヶ月ぶりくらい?ですかね。
「なんだか久しぶりな気がするねぇ」
「そう言えば、タキオン達は1回来たんだっけ?」
「そうだねファイン。セクレタリアトステークスに出走するために一度訪れてるよ」
さてさて、早速ホテルに向かおうとしますが「『ま、まさか君は……!アンカ!アンカじゃないか!?』」聞き覚えのある声ですね。この声は……
「『デイラミさん?』」
「『そうだとも!あぁ……遠い異国のこの地で、まさか君に会えるだなんて!これぞまさしく運命……!』」
「『アンカデキメルゼさんがアメリカに来るという情報をキャッチするや否やここで1日中張り込んでることを運命というのであれば私はもう何も言いませんよ姉上』」
「『言うんじゃないダラカニ!』」
え?ずっとここで待ってたんです?それはまた凄い労力ですね。思わず感心します。
「『それにしても……前回は見なかった方々が大勢だ。それにまさか、ニジンスキー様がアンカのところにいるとは!』」
「『あら?そんなに意外かしら?デイラミ』」
「『とんでもない!あなたもまた、アンカという輝きに魅せられた……つまるところ、私の同士!』」
「『……姉上が申し訳ありません、ニジンスキー様』」
「『構わないわよダラカニ。大体合っているもの』」
その後もデイラミさんは1人ずつ興味深そうに見ている。
そしてデイラミさんの視線がファインさんに向くと一際嬉しそうな笑みを浮かべた。あ、そう言えばファインさんはデイラミさんの紹介でチームに入ったんでしたね。
「『これはこれは!ファイン殿下、ご機嫌麗しゅう』」
「『ご機嫌ようデイラミ様!久しぶりね!お姉さまは元気にしていますかしら?』」
「『あぁ、とても元気に過ごしているとも!元気すぎてターフの上で相手をするのも一苦労さ!』」
「『あら?そういう割にはまんざらでもない表情をしていますけど』」
「『当然でございますファイン殿下。あなたの姉君にも感じる美学……それもまた、美しい!あの方の姿勢は、私もかくありたいものだと思っている』」
はえ~ファインさんのお姉さんですか。話でしか聞いたことないですけど、どんなウマ娘さんなんでしょうね?よく知らんです。
それにしてもファインさんとデイラミさんは仲良いんですね。やはり同郷というのもあるんでしょうか?うんうん、良きかな良きかな。
「……はっ!?」
うん?なんかデイラミさんが衝撃を受けたような表情をして……なんで僕の手を握るんですかね?どうしたんですか?
「『すまない我が愛しのプリンセス……!君がいるというのに、君を蔑ろにしてしまった!』」
「『……いや、別にいいんじゃ「『どうか許してほしい!そして覚えておいてくれ。私の心は、常にあなたとともにある!私にとっての一番は揺らがない……君さ!アンカ!』」聞きましょうよ人の話』」
「『まあ!デイラミ様はアンカを凄く気に入っているのね!お姉さまから聞いていた通りだわ!』」
「『無論です殿下!彼女は……アンカデキメルゼはとても美しい!私が今まで会ってきた中で、一番と言っても過言ではない輝きを放っている!その輝きに、私は魅せられてしまった!』」
デイラミさんは相変わらずオーバーリアクションを取っている。僕の手を握ったまま。相変わらずだなー、デイラミさん。
「『ところでだ、アンカ。君がここにいるということは……君もブリーダーズカップ(ターフ)に出走するということかい?』」
急にデイラミさんの表情が真面目なものに切り替わる。本当に切り替えが早い人だ。すぐに戦う人の顔になった。僕も、デイラミさんを真っ直ぐに見据えて答える。
「『……そうだ。僕も、ブリーダーズカップ(クラシック)に出走するためにこの地にやってきた。ガルフストリームパークレース場、その地で行われる戦いにな』」
「『成程、私と同じというわけか!もっとも、この時期にアメリカにやってきてるわけだ。それしかないだろうがね』」
デイラミさんは不敵な笑みを浮かべている。……考えてること、大体分かりますよ。
「『前回のキングジョージでは、私は敗戦してしまった。凱旋門賞など、戦いの舞台にすら上がることはできなかった。だが!このブリーダーズカップ(ターフ)は違う!』」
デイラミさんは僕の手を掴んだまま、宣誓する。
「『今度こそ君に届いてみせよう。君の輝きを……私のものにしてみせる。どうか待っていてくれるかい?プリンセス』」
最後にウインクをしてきた。宣戦布告というやつ……上等ッ!
「『やってみせろ。今度も勝つのはこの僕だ。勝って、ブリーダーズカップ(クラシック)の栄光を掴むのは……神託を賜る僕であるということは変わらない』」
「『……ふふ、良い!とても良い!相変わらずあなたは美しい!だからこそ、手に入れ甲斐があるというもの!』」
「『どうでもいいです!とっととアンちゃんから離れろです!』」
お互いににらみ合っている状況で、さっきまで思考停止していたヴィッパーが止めに入った。デイラミさんを睨みつけている。う~ん……相変わらずヴィッパーはデイラミさんがあんまり好きじゃないみたいだ。なんでだろ?
ヴィッパーに言われて、デイラミさんも僕の手を離す。ヴィッパーを見る目は……なんというか、微笑ましいものを見る目だった。
「『残念、またも可愛いナイト様に邪魔されてしまったか。だが、恋に障害はつきものだ。今日はこの辺で失礼させてもらおうよ、アンカ』」
「『うるさいです!とっととどっかいけです!』」
「……何をそんなに怒っている?ヴィッパー。別に何もしてないだろデイラミさんは」
「黙ってろですケツデカアンちゃん!」
「言い過ぎだろオイ!?」
それを言ったら戦争だろうが!
「『それでは!また合同記者会見の場で会おうアンカ!君と再び戦える日が……楽しみでならない!』」
「『……なにやら、姉上とアンカデキメルゼさんの間に認識の齟齬が起きているような気がしてなりませんね』」
デイラミさんとダラカニさんは去っていく。デイラミさんは楽し気に、ダラカニさんは疑問符を浮かべながら。
「おうおう!相変わらず嵐のようなヤツだなデイラミ!」
「あの子もまあ、アンカが大好きというか……」
「アッハハ!面白いね!あの人が現・欧州最強のウマ娘……うん、走ってみたいね」
「で、デイラミさんっていつもあぁなんですか?ファインさん」
「そうだよタルマエ!お姉さまが言うには、会って話す時は大体アンカの話をしているみたいなの!」
「──それは、凄い。それだけ、意識されている……というもの」
「トレーナーさん!塩を撒くです塩を!」
「デイラミさんを悪霊か何かだと思ってるのヴィッパー?」
「そんなことより早くホテルに行くよみんな。荷物を置いてサイレンススズカさんと合流しないといけないんだから」
トレーナーさんは僕達を急かすように荷物を持って先導する。その後を僕達は慌ててついていった。
そして荷物を置いてやってきました今回の練習に使わせてもらう場所。そこには……スピカのサイレンススズカさんがいました!
「初めまして。私、チーム・スピカに所属しているサイレンススズカと言います。ふふ、日本の子と話すなんて随分久しぶりね」
「そう言えば、前回は会わなかったねぇ」
「やっほースズカ。元気にしてる?」
「……シービー先輩?先輩はリギルですよね?どうしてここに?」
「なんだか楽しそうだから来ちゃった」
シービーさんはそれはそれは楽しそうに答えた。語尾に星マークついてそう。
「嘘でしょ……楽しそうだからって海まで超えたの……?」
あれ?この2人面識あるんでしょうか?スピカとリギルですよね?
「サイレンススズカは元リギルだからね。面識はあっても不思議じゃないよ」
そんなこと考えてるとトレーナーさんが補足説明してくれました。はえ~なるほど。そういうご縁が。
軽い自己紹介を済ませた後、スズカさんは微笑む。
「これからブリーダーズカップまでの間、一緒に練習を頑張りましょうか」
「よっし!ビシバシしごいてやるからな!別のチームのウマ娘だからって容赦はしねぇぞ?サイレンススズカ!」
「いや、師匠は手加減した方が良いんじゃ……」
「安心しろ!お前にやらせているようなトレーニングはさせねぇから!」
おぉ!なら安心……いや、僕の方は安心じゃない!?
「僕のトレーニングもちょっとは手加減してくれていいんですよ師匠!」
「HAHAHA!面白いことを言うな我が弟子!勿論却下だ!」
クソが!
「……まさか、あのビッグ・レッドと一緒にトレーニングができるだなんて!今から走りたくてウズウズしてきた……!」
「おぉ!ならまずは併走で力比べでもやってみるか?俺は大歓迎だ!」
「……お願いします!」
スズカさんは力強く答えて、師匠もそれに応えるようにトラックへと向かった。……僕ら取り残されましたね。
「さて、あの2人は放っておいて個別に作成したメニューがあるわ。目を通しておいてちょうだい」
この後滅茶苦茶トレーニングした。なお、スズカさんはというと。
「あれがアメリカ最強……!うん、気持ちよかったぁ……!」
大変満足そうにしていましたとさ。
そしてそしてブリーダーズカップに出走するウマ娘を集めての合同記者会見。その中には勿論デイラミさんとスズカさんの姿もあった。
「『また会ったねアンカ!そして……あなたが日本でも名高き栗毛の逃亡者か。アーリントンミリオンのレースは私も映像で確認したよ。見事なレースだった!あなたに、惜しみのない賞賛を!喝采を送ろう!』」
「『あなたは……デイラミさん』」
スズカさんはなんというか、困惑している。いや、まぁ初対面の人が急に手を叩いて賞賛してきたらそりゃ困惑しますよね。周りにいるウマ娘さん達も困惑しているし、記者の人達も困惑している。デイラミさんはそんなスズカさんをジッと見ている。
「『あ、あの。何か?』」
「『……美しいな!うん、やはりあなたも美しい!あなたが貫く独自の美学……あぁ、とても良いものだ!おっと、すまないアンカ。変わらず私の一番は君さ。どうか、嫉妬しないでくれ』」
「『いや、別に嫉妬はしてないが』」
「『それにしても……今回のレースは非常に楽しみだ!栗毛の逃亡者に、我が麗しのプリンセスとも走れるとは!あぁ……!出走の時が今から待ちきれないよ!』」
デイラミさんは僕の話そっちのけで恍惚とした表情を浮かべている。そんなに楽しみかな?まぁ……僕も楽しみだけど。
(スズカさんと言えば……凄く強いことで有名だしね)
異次元の逃亡者として名を馳せているスズカさん。その強さは折り紙付きだ。相手にとって……不足なし!
「『無論!栗毛の逃亡者と我が麗しのプリンセスだけじゃない!この場にいる全員……あなた達とも戦えるその時が楽しみだ!あなた方を下して、私の強さを!私の美学を!このアメリカの地に刻んでやろう!』」
大胆なまでの宣言。この場にいる全員に宣戦布告をするデイラミさん。デイラミさんの言葉に、おそらくデイラミさんと同じレースに出走するであろうウマ娘さん達が殺気立つ。成程、あの人達がBC
「『ハハ!流石は欧州最強、エンターテインメントとしては最高だ!』」
「『おらおら!早速本社に連絡だ!今日は忙しくなるぞぉ!』」
「『欧州最強のチャレンジャー、堂々の宣戦布告!この見出しに決まりだな!』」
記者の人達も色めき立っている。ま、そりゃあ飯のタネになるようなニュースが舞い込んでるわけですからね。そりゃ色めき立っても仕方ないというか。
「『さぁ!聖戦の日……BC
そうそう!BCターフで……ん?BCターフ?
「あれ?スズカさんが出走するレースは?」
「私もBCターフよ。アンカもでしょ?」
「え?違いますけど」
「え?」
「え?」
ちょっと待ってください。僕はとんでもない勘違いをしていたのでは?
「『あ、あの。デイラミさん?』」
「『どうしたんだい?我が愛しのプリンセス。もしや……我慢ができないと?それはいけないね、私も心が痛むが我慢してもらわないと……』」
「『デイラミさんが出走するのは、BC
「『そうだとも!アンカもそうだろう?』」
……すっっっっっげぇ言いにくいんですけど!?
「『あの……僕が出走するの、BC
デイラミさんはキョトンとした表情を浮かべる。そして、笑った。それはもう笑った。いっそ清々しいぐらい笑った。
「『アッハッハ!どうやら我が愛しのプリンセスはジョークがお好きなようだ!それで?アンカが出走するレースは何だい?』」
「『……BC、クラシックです』」
デイラミさんはひとしきり笑った後……膝をついて号泣していた。
「『そんなバカなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??』」
「嘘でしょ……」
会場中から笑いが巻き起こる。うん、笑いたい気持ちは分からないでもないよ?さっきまで一緒のレースで走ると思っていた相手が実はBC
でも当事者からしたら全然笑えねぇんだよ!?これ絶対僕のせいじゃん!?僕が勘違いしてたせいじゃん!やっちまったよ僕!
「『あ、あの……元気出してください。デイラミさん。僕にできることなら可能な限り応えるので……』」
「『本当かい!?アンカ!だったら、是非私とデートをしてくれ!』」
うわ復活早っ!?さっきまで泣いてたのにすぐになんでもないような表情……というかめっちゃくちゃ笑顔になってる!?
「『ま、まぁそれくらいなら……』」
「『約束だ!きっと、約束だぞアンカ!ハッハッハ!』」
デイラミさんはそのまま高笑いしながら帰っていって……あ、まだインタビューの時間が残っているから帰ってきた。
この記者会見は当然話題となり。ある意味伝説の会見となったとさ。
これがすれ違い宇宙ってやつですか。
どの短編が見たいか?
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アンカのお試しトレーナー変更
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トレーナーの仕事事情
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コーチとサブトレの仕事事情
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アンカとヴィッパーの日常
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スズカ姉妹の関係
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アンカの前世話
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アンカとデイラミのデート回
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アンカとゼニヤッタ回
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アンカデキメルゼってどんなウマ娘?