今日も楽しく安価だ!   作:カニ漁船

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今日はとってもマーベラス。


安価ウマ娘と香港遠征!

 ジャパンカップを終えて数日後。僕は香港スプリントに出走するために香港へと遠征することになりました。そして、香港国際レースに出走する予定の海外の方と一緒に香港へと一緒に行くことになりました。

 

 

「『いや~、プライベートジェットなんて久々ですねぇ』」

 

 

 1人は香港の方、インディジェナスさん。帰郷と香港ヴァーズに出走するために一緒に行くことに。そしてもう一人は。

 

 

「『ありがとうございます。このご恩は必ず』」

 

 

「『そ、そんなかしこまらなくても大丈夫だよ。俺達も香港国際レースに出走するんだから、一緒にどうか?って思っただけだから』」

 

 

 ドイツのウマ娘さん、ボルジアさんだ。ボルジアさんも香港ヴァーズに出走するらしい。後もう現地にいるらしいんだけど、アヤベさんも香港カップの方に出走するんだとか。あっちで合流予定なんだよね。それにしてもアヤベさんとも随分久しぶりのように感じるなぁ。今から会えるのが楽しみだ!

 ちなみに今回は短期の遠征ということで少数精鋭で香港に向かっている。僕とトレーナーさん、そしてヴィッパーの3人だ。師匠とコーチは日本のトレセン学園の方で他の子達の指導をしている。

 ボルジアさんがトレーナーさんにお礼を言っていると、インディジェナスさんが提案するように言ってきた。

 

 

「『そうだ!お礼と言ってはなんだけどさ、あっちで美味しいものをご馳走するからさ!楽しみにしててよ!』」

 

 

「『それはありがたいです!是非教えてください!』」

 

 

 なんと!?まさかのご提案!インディジェナスさんは香港を拠点にしているし、きっと美味しいお店をたくさん知っているはずだ!そんな人がオススメするお店……えへ、えへへ……!今から楽しみになって来たなぁ!

 

 

「ヴィッパー!楽しみだな!どんな料理が出てくるのであろうか……!」

 

 

「今からよだれが止まんねぇです。楽しみです」

 

 

「アンカ、ヴィッパー。あんまりハードル上げないであげてね?」

 

 

「『とびっきり美味い料理だからさ!クレイジーラビットもきっと気に入るよ!ボルジアも是非来てくれ!』」

 

 

「『……せっかくのお誘い、断るのも忍びないですし、構いませんわ。ご一緒させていただきます』」

 

 

 こうして僕達は香港の美味しい料理をご馳走してもらえることになりました!今から楽しみだぜひゃっほい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして香港に到着した僕達。インディジェナスさんに連れられるまま来たのは……。

 

 

「『ゴメンね歩かせちゃって!ここが自分のオススメするお店……()()()()()()()だよ!』」

 

 

 おい、どういうことだ。僕にも分かるように説明しろ。

 

 

「『成程、激辛料理ですか。少々興味がありますわね』」

 

 

 ボルジアさん。僕はそれどころじゃないんだよ。なんでよりによってこれなんだよ!?

 トレーナーさんが遠慮がちにインディジェナスさんに質問してる。

 

 

「『あ、あの。インディジェナス?どうして激辛料理をオススメしようと思ったの?』」

 

 

 そうだそうだ!

 

 

「『え?だってクレイジーラビットって良く辛い料理を食べてるらしいじゃないか。ウマッターでも良く辛い料理の写真を上げてるし。じゃあ辛い物好きなんじゃないかなって思って』」

 

 

 完全に僕の自業自得じゃねぇか!いや、正確にはスレ民のせいじゃねぇか!クソッたれが!

 

 

「『あれ?お気に召さなかった?』」

 

 

「……アンカ」

 

 

「……入るしかあるまい。向こうは完全な善意でオススメしてくれてるんだから」

 

 

 こうなったら覚悟を決めて入ってやるよ!やってやるよ畜生!

 並ぶこと少し。事前に配られたメニューを眺めたりしていたら順番が来た。そして店内に入って……ヤバい、匂いだけで辛いってのが伝わってくるんだけど。ヤバいんだけどもう。誰か助けてくれません?……おいヴィッパー、何口抑えて笑ってんだおい!

 

 

「『いらっしゃいませ……って!インディジェナスさんにボルジアさん、それにクレイジーラビットさんじゃないですか!』」

 

 

「『久しぶり!こっちに戻ってきたから食べに来たよ!』」

 

 

「『こんなところにありがとうございます!今席にご案内しますね!』」

 

 

 席に案内されてメニューを見る。……うん、見るだけでも辛いってのが分かるね。写真ないのに辛いのが分かるね。不思議だね。

 

 

「『まぁゆっくり決めてよ。時間はたっぷりあるからさ』」

 

 

「『う~ん、これほど多いと悩みますわね。何を食べましょうか?』」

 

 

「『じゃあ、自分のオススメを教えるよ!まずは……』」

 

 

「ヴィッパーはなにを食べる?」

 

 

「ヴィッパーは辛い物はそれなりです。とりあえず……この辛くなさそうなのを食べるです」

 

 

 1人だったら気兼ねなく安価やるんだけど、さすがにみんながいるのと安価を待つ時間がないということで僕は安価をやらない……と、思っていたのか?ちゃんとメニューを眺めている時にスレ立てしていたんだよ!それなりに人がいることは確認済み!さてさて、写真もupしたし、どうなったかな~っと……。

 

 

「『インディジェナスさん』」

 

 

「『どうしたのクレイジーラビット?メニューは決まった?』」

 

 

「……『この料理、このお店の辛さランクで言えばどれくらいだ?』」

 

 

 僕は安価で決まったメニューを指さす。すると、インディジェナスさんは驚いたような表情を浮かべていた。うん、もう嫌な予感がするね。これ絶対ダメなパターンだね。

 

 

「『さすがはクレイジーラビット!お目が高いね!その料理は辛さを選べるんだ!どの辛さに挑戦するんだい?』」

 

 

「『最大で』」

 

 

「『チャレンジャーだねぇクレイジーラビット。この国の大人でも逃げ出す辛さなのに、そんなに辛い物が好きだなんて!オススメした甲斐があるよ!』」

 

 

 止めろ!キラッキラした笑顔で僕を見ないでくれ!やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!後ヴィッパーは笑ってんじゃねぇ!肩震えてんの分かってんだかんな!?

 注文も終わって僕は料理が来るのを待つ。さながら死刑されるその時を待つ囚人のような気分だ……そんな気分味わったことないけど。

 

 

「『それにしてもクレイジーラビットは香港スプリントに出走するのか~。スプリントレースの経験は?』」

 

 

「『確か……ジュニア級の頃に走ったことがあるくらいか?それ以降はさっぱりだ』」

 

 

「『うわ、クレイジーラビットは本当にチャレンジャーだね。まぁ君なら勝てそうな気がするけどね』」

 

 

「『本当に訳の分からないローテを組みますのね。前走が2400のジャパンカップ、その前が2200のエリザベス女王杯。その前がダート10ハロンのBCクラシック……どういうローテしてますの?あなた』」

 

 

 僕にも分からん。

 

 

「『ま、頑張ってねクレイジーラビット。応援してるよ』」

 

 

「『インディジェナスさんとボルジアさんもな。香港ヴァーズ、頑張れ』」

 

 

「『ありがとう。出走するからには勝つわインディジェナス』」

 

 

「『お?こっちだって負ける気はないよ。お手柔らかにね』」

 

 

 そうして話していると料理が運ばれてきました。僕の料理は……なんだこれ?赤いマグマ?なんかボコボコ言ってない?気のせい?

 

 

「『あ、あの!みなさんの写真をとってもいいですか!?』」

 

 

「『写真……ですか?』」

 

 

 え?これ食わなきゃいけないの?今日が僕の命日?

 

 

「『はい!みなさん有名な方ですし、写真を撮って飾りたいと思って……!ダメですか?』」

 

 

「『自分は勿論OK!みんなはどうだい?』」

 

 

「『私も構いません。減るものじゃありませんから』」

 

 

「アンカは?写真を撮るけどいい?」

 

 

「……いいよ」

 

 

「『みんな大丈夫みたいです。OKですよ』」

 

 

「『ありがとうございます!それじゃあ早速お撮りしますね!』」

 

 

 とりあえず具材を掬ってみよう……赤い。ただひたすらに赤い。これ食っても死なないよね?

 

 

「『はい、チーズ!』」

 

 

 なんかパシャって音が聞こえた。写真がどうとか言ってたしそれかな?それよりもこの料理どうしよう……。

 

 

「『早速お店に飾ります!ありがとうございます!』」

 

 

 店員さんは去っていく。……さて。

 

 

「「「(……)いただきまーす!」」」

 

 

 しゃらくせぇ!もう覚悟を決めてやる!突っ込むぞぉ!捕まれぇ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 料理を食べ終わった後。アンカデキメルゼ達はアドマイヤベガと宿泊施設の前で合流する。アドマイヤベガは一行を見るなり怪訝な表情を浮かべていた。

 アドマイヤベガがスミニンヴィッパーに尋ねる。

 

 

「ヴィッパーさん、1つ聞いてもいいかしら?」

 

 

「どうしたです?アヤベ先輩」

 

 

「そのアンカさんだったものは何かしら?随分やつれているようだけど」

 

 

 アドマイヤベガの視線の先……そこにはやつれた表情のアンカデキメルゼがいた。見るからに生気がない。

 

 

「自業自得です。気にしなくていいです」

 

 

「そう?ならいいけど」

 

 

 そんな会話を聞きながら、アンカデキメルゼは小さく呟く。

 

 

「死ぬ……マジで死ぬ……辛すぎわろえない……」

 

 

 そんな様子のアンカデキメルゼをみてスミニンヴィッパーが愉悦していたのはここだけの話である。アンカデキメルゼのトレーナーはアンカデキメルゼを必死に介抱していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、久しぶりに帰って来たな~香港。海外遠征を主にしていたから、みんなと会うのは久しぶりだ。

 

 

「お帰りなさい!インディジェナスさん!」

 

 

「うん、みんなただいま!元気にしてた?」

 

 

「もっちろん!元気にしてたっすよ!」

 

 

 自分が帰ってくると、みんなが集まってきた。自分を慕ってくれる可愛い後輩、自慢の後輩達だ。

 

 

「そういえば、クレイジーラビットも来てるんですよね?」

 

 

「うん?そうだね、クレイジーラビットも香港国際レースに出走するために来てるよ。さっきまで一緒に食事をしてたんだ」

 

 

「すっげぇ!あのクレイジーラビットと一緒に食事なんて!」

 

 

 和気藹々とした雰囲気で話す。うん、帰ってきたって感じだ。

 

 

「それにしても、インディジェナスさん頑張ってくださいね!あたしは香港スプリントの方に出走しますけど、インディジェナスさんは香港ヴァーズですよね?」

 

 

「そうだね。今年も強敵揃いだけど、何とか頑張ってみるよ」

 

 

「強敵……クレイジーラビットに負けないでくださいね!今度こそ勝ってください!」

 

 

 ……うん?この子は何か勘違いしてないだろうか?

 

 

「何言ってるの?クレイジーラビットは香港ヴァーズには出ないよ?」

 

 

「え?じゃあ香港カップ?それとも……香港マイル?」

 

 

 香港スプリントに出走するその子は、疑問に満ちた表情をしている。そういえば、発表したのってつい最近だから知らなくてもおかしくないか。

 

 

「クレイジーラビットが出走するのは香港スプリントだよ」

 

 

 瞬間、空気が凍りついた。うん、やっちまったね。

 

 

「……インディジェナスさん、笑えない冗談は止めてくださいよ~」

 

 

「うん、残念ながら本当のことだね」

 

 

「またまた~」

 

 

「諦めて現実を受け入れようね?」

 

 

 自分がそう言うと……その子は膝をついて叫んだ。

 

 

「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 

 周りの子達は香港スプリントに出走するその子を憐憫の眼差しで見ている。……一応、クレイジーラビットはスプリントレースほとんど未経験なんだけどね。ただ、ほとんど未経験でも関係ないとは思うけど。だってクレイジーラビットだし。




インディジェナスさんに悪気はなかったんや。ただ誰が悪いと言えばアンちゃんが悪い。後さりげなく香港カップに出走するアヤベさん。
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