今日も楽しく安価だ!   作:カニ漁船

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これが年内最後のレースですよ。


安価ウマ娘と東京大賞典!

〈中央でデビューすることになったワイを安価で導くスレpart11〉

 

 

178:名無しのウマ娘 ID:vVuRrY85w

東京大賞典の安価まとめ

・戦法は逃げ

・ジョ〇ョ立ち(花〇院)

・なんか印象に残ることしてほしい

 

179:名無しのウマ娘 ID:U6gjue5lC

なんかってなんだよ

 

180:名無しのウマ娘 ID:D289XA7xR

1年の締めくくりだからな。派手にやろうや

 

181:名無しのウマ娘 ID:bq+ycnaYE

>>179なんかはなんかでしょ

 

182:名無しのウマ娘 ID:VFpSJ2DA+

ある意味過去一困るじゃねぇか

 

183:名無しのウマ娘 ID:0SLJaA2YA

果たしてどうなることやら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 香港遠征から帰ってきて、みんなからお祝いの言葉を貰って。師匠とコーチからまた鬼のようにしごかれて。そして迎えた東京大賞典の日。パドックを終えてレース場に立っている僕は非常に困っていた。

 

 

(なんか印象に残ることをしてほしい……なんかってなんだ?いや、本当になんだ?何すればいいんだ?)

 

 

 本当に思いつかない。マジで何すればいいんだ?別に手を抜けとか他の子に迷惑するような安価じゃないから承諾したけど……まさかこんなに困るとは思ってもいなかった。簡単に思いつくでしょ!みたいな軽い気持ちでいたらこんなことになるなんて……!

 

 

「アンカデキメルゼ、首を傾げてるわね」

 

 

「あれ?本当だ。何か悩み事かな?」

 

 

「というかなんで有マじゃなくてこっちに来たんだろう?でも、おかげで観客席が凄いことになってる!」

 

 

「本当本当!よ~し、地方上がりでもやれるんだってとこ見せるぞ~!」

 

 

 大外回しての勝利……逃げだから関係ないか。じゃあ外ラチいっぱいに走るか?だけど印象に残る判定を貰えるだろうか?やっぱりレコード更新するくら「ウマ娘のみなさんはゲートインの方をお願いしま~す!」いのド派手なことを望まれているのだろうか?てかゲートインの時間か。今回の僕内枠だしさっさとゲートインを済ませよう。ゲートに入りながらも考えるのは今回の安価のこと。本当にどうすっぺ。

 

 

《大井レース場は超満員!7万人以上のファンがこの大井レース場に詰め寄りました!その理由はやはり、先日の香港スプリントでワールドレコードを樹立したアンカデキメルゼが出走するからでしょう!ダートでの強さはBCクラシックで証明済み、果たしてどのようなレースを見せてくれるのか!?天候は晴れ、バ場の状態は良と発表されています!》

 

 

《また、今回の東京大賞典には地方の星メイセイオペラも出走しております。地方所属ながらフェブラリーステークスと帝王賞を制した彼女。アンカデキメルゼに次いでの2番人気です!》

 

 

《各ウマ娘、順調にゲートインが進んでいます。先日の有マ記念はナリタトップロードが王道ともいえるレース運びで優勝しました。この東京大賞典では波乱が起きるのか?東京大賞典、まもなく発走となります!》

 

 

 さて、一応方針は決まったとして……次はどういうレース運びにするかだよな。逃げだからその辺は心配ないにしても、念には念を「ガシャンッ!」入れておかないとって、何の音……

 

 

「あっ」

 

 

 気づいたらゲートが開いて、他の子が一斉に飛び出していく光景が目に入った。僕?ゲートに入ったままですけど何か?……。

 

 

「ぴぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!??」

 

 

 やばいやばいやばい!やらかしたやらかした!?さっさと逃げないと……それどころじゃねぇ!さっさと出ないと!

 

 

 

 

《東京大賞典がスタートしました!各ウマ娘綺麗なスタートを「きゃあああああぁぁぁぁぁ!?」っとぉ!?アンカデキメルゼがゲートの中で立ち尽くしている!アンカデキメルゼがゲートから出てこない!他のウマ娘は綺麗なスタートを切りましたがアンカデキメルゼはゲートの中で立ち尽くして今スタート!なんということだ!アンカデキメルゼ、痛恨の出遅れです!》

 

 

 

 

 不味い不味い不味い!早く逃げの位置につかないと安価未達成になる!うおおおおぉぉぉぉぉ!全速力で駆け抜けろぉぉぉぉぉぉぉ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やってやがるバカ弟子ぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

 

 

 セクレタリアトさんの怒号が飛んでいる。でもまぁ……それはしょうがないというか。あんな光景見せられたら誰だって怒号を上げたくなるというか。

 

 

「あの子本当に何やってるのよ?また神のお告げとやらかしら?」

 

 

「いえ、今回のに関しては単純に考えすぎてボーっとしてただけかと」

 

 

「本当に何やってるですアンちゃん。まぁ、年末の大一番にポカやらかすなんてアンちゃんらしいです」

 

 

 俺とヴィッパーの言葉にニジンスキーさんはそれはそれはもう深い溜息を吐いていた。うん、気持ちは分かります。

 

 

「アンカ君完全に掛かってるねぇ。なんとか第1コーナー入る前に先頭に躍り出たけど」

 

 

「──ペースが、完全に狂っている。本来の、走りではない」

 

 

「アンカさんのレースは退屈しないね。それよりもパドックでやってたポーズが私気になるかな~?」

 

 

「あれはジョ〇ョの第3部のポーズですよファインさん。それよりも何やってるのよアンカさーん!」

 

 

 タキオン達もこの予想外の出来事にそれぞれの反応を見せていた。だけど、負けるとは微塵も思っていないようで。

 

 

《第1コーナーを抜けて第2コーナーへと入りました!先頭を走るのはアンカデキメルゼ!なんとアンカデキメルゼがスパートを掛けていると言わんばかりの速さで先頭に躍り出ました!しかしその表情は必死さが見えています!他のウマ娘達もアンカデキメルゼについていく形!》

 

 

《あのまま逃げさせたらまずいということは分かっていますからね。後ろで控えるのが正解でしょう》

 

 

《序盤から大波乱の東京大賞典!果たしてこの後はどういった展開を見せるのか!?注目したいところです!》

 

 

 アンカはかなりのペースで逃げている。かなりのスタミナ消費しているだろうな、あれ。何が何でもハナを取りに行くために全力疾走してたし、後ろの子達もアンカの3バ身後ろの位置をキープしている。息を入れる暇もない。放っておけば自滅するだろう……()()()()()()()()()

 

 

「う~ん……でもかなりのハイペースだなぁ。アンカが全くペースを落とさないから他の子達も普段より速いペースで走ってる」

 

 

「わき目も降らずに必死に走っているです。ペースなんてお構いなしにぶっ飛ばしてるです」

 

 

「一体どうなることやら……」

 

 

 ニジンスキーさんの呆れた声が聞こえる。

 

 

「バカ弟子めぇ……!レースが終わったら説教だ!」

 

 

「あなたもスタート苦手でしょうが。しょっちゅう出遅れてたくせに」

 

 

「うるせぇ!」

 

 

 セクレタリアトさんは相変わらず怒気を纏っている。アンカはご愁傷様と言いたいが自業自得だから何とも言えない。ちなみにファンは出遅れの時は悲鳴を上げていたが、今は普通にレースを見ている。ただ、かなりハラハラとしているのが見てとれた。

 一体どういう結末を迎えるのだろうか?そう思わずにはいられない東京大賞典は第3コーナーに入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちょ、ちょっと待って……だ、大分きついんだけど。

 

 

「や、やっばい……」

 

 

 すでに第3コーナーを回って第4コーナーに入っている。現在僕は先頭。あの後バカみたいに飛ばして走ったおかげでなんとか逃げの形を取ることはできた。なお、そのせいで失ったものが多すぎるわけだが。

 まずスタミナ。ペース配分ガン無視でぶっ飛ばし続けたためガス欠寸前である。次に安価のために掲げていたレコード勝利。これもう無理でしょ。何となく分かるよ。

 ……でも、この状況……!スタミナも切れかけて、下手したら負けるんじゃないかってこの状況……!

 

 

「最ッ高に生きてるって感じがする……ッ!」

 

 

 ヤバい、こんな状況なのに最高に気分が上がっている!超追い込まれているのに、滅茶苦茶気分が上がってる!この感覚……間違いない、領域(ゾーン)だ!

 

 

「ハハ……!」

 

 

 それじゃ、まあ……飛ばしていきますか!

 

 

 

 

領 域

 

Stand up HERO!Wake up my soul!

 

 

 

 

 

 ……?あれ?全然何も起こらないんだけど。スピード上がった気もしないし、身体が軽くなったような感覚もない。まぁいいや!それはそれで……!

 

 

「最高にアガる!」

 

 

 最後の直線に入った!このまま逃げ切ってやる!けどスタミナがもうねぇ!枯渇寸前だよ!

 

 

 

 

《さぁ最後の直線に入った!最後の直線先頭で入ってきたのはアンカデキメルゼ!しかしその表情はかなり苦しそうだ!だがそれはアンカデキメルゼだけではない!他のウマ娘達も続々と最後の直線に入ってきましたが、誰も彼もが息も絶え絶えだぁぁぁぁぁぁ!?なんだこのレースは!?》

 

 

《おかしいですねぇ、ダートの2000のはずなんですけど……》

 

 

《なんと出走しているウマ娘全員がヘロヘロになりながらもゴールに向かっている!まさかこれも道化の奇策か!?だとすればなんという奇策だ!こんな策をぶつけられるとは誰もが思っていなかったでしょう!》

 

 

《そのせいで自分も自滅してるのはどうかと思いますけどね。ある意味派手というか印象に残るレースというか……》

 

 

 

 

 ち、ちぐじょう……逃げる、逃げ切ってやるぅ……!

 

 

「ま、まてぇ……!」

 

 

「に、逃がすかぁ……うっぷ!?」

 

 

「ま、マジでしんどい……」

 

 

「なんなのよこのレースぅ……」

 

 

 

 

 

 

《残り200を切った!先頭は依然としてアンカデキメルゼ!しかし最早死に体!ジャパンカップでもそんな姿は見せなかったぞアンカデキメルゼ!一体どういうことだ!?他のウマ娘も必死に追いかけていますが、これはさすがに厳しいか!?》

 

 

《過去にもいろんなレースを見てきましたけど、G1レースでこんな展開は初めて見たかもしれません》

 

 

 

 

 

 そのまま僕はなんとか逃げ切った……。あ、あっぶねぇ……。

 

 

 

 

《そして今アンカデキメルゼがゴールイン!アンカデキメルゼ、なんと年間無敗を達成しました!しかし、年間無敗を賭けた最後のレースがこれでいいのか!?だがこれもこれで彼女らしい勝利です!2着はワールドクリーク!1着のアンカデキメルゼから1バ身遅れでの入線です!3着はメイセイオペラ!》

 

 

《ほぼ同じ距離のBCクラシックは見事な逃げを見せてくれたんですけどね。やはり最初の出遅れが響いたのでしょうか?》

 

 

 

 

 僕以外のウマ娘は……膝をついていたり、身体を大の字にして寝転がっている。勿論、僕も同じような格好をしていた。

 

 

(印象に残るレースをするって安価……まぁ達成だろうけどさぁ)

 

 

「こんな形で残っても嬉しくなぁぁぁぁぁぁぁぁい……!うっぷ!?さ、叫んだら吐きそう……」

 

 

 ちくしょー!許さねぇからなスレ民ー!*1でもこれで安価達成だおらぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに後日。1番人気である僕が出遅れて無理矢理ハナを取り、超ハイペースで流れたせいで全ウマ娘がヘロヘロになりながらゴールしたこの東京大賞典は巷では【東京大笑点】と揶揄されることになった。クソが!後師匠にこっぴどく叱られたよ!自業自得だけど!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アンカデキメルゼ現時点での育成目標

 

 

メイクデビューに出走 達成!

 

フェニックス賞に出走 達成!

 

新潟ジュニアステークスに出走 達成!

 

京王杯ジュニアステークスに出走 達成!

 

全日本ジュニア優駿に出走 達成!

 

桜花賞で1着 達成!

 

皐月賞で1着 達成!

 

NHKマイルカップに出走 達成!

 

オークスで1着 達成!

 

日本ダービーで1着 達成!

 

エクリプスステークスに出走 達成!

 

キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに出走 達成!

 

セクレタリアトステークスで1着 達成!

 

セントレジャーステークスに出走 達成!

 

凱旋門賞で1着 達成!

 

チャンピオンステークスに出走 達成!

 

菊花賞で1着 達成!

 

BCクラシックに出走 達成!

 

エリザベス女王杯に出走 達成!

 

ジャパンカップに出走 達成!

 

香港スプリントに出走 達成!

 

東京大賞典に出走 達成!

*1
完全に自業自得




アンちゃんの領域のヤバいところはこういう風に不発することもあるというところです。


後1話挟んでステータス更新というかキャラ更新の方を書きたいと思います。それが終わったら短編の方を書いていきます。
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