あるボーダー隊員の日常 作:スコルピオン
午後1時10分…
キンコンカンコン!
お昼休みが終わり午後の授業が始まる…
僕は弁当を食べてお腹が膨れて自分の机で寝ていた…
《勝ち目が薄いからって逃げる訳にはいかない!》
突然、メガネをかけた学生がトリガー起動しているシーンを見る
ガバッ!
机から身を起こす!
何だ?これ?!夢?
突然見た光景は全く知らない学生で戸惑う…
そんな僕がしばしボーっとしていたら…
ウウーーーーー!
学校のチャイムとは明らかに違うサイレンが鳴り始めた。
【緊急警報】
【緊急警報】
【門が市街地に発生します】
【市民の皆様は直ちに避難してください】
【繰り返します】
【市民の皆様は直ちに避難してください】
このサイレンと警戒放送は普段この辺では聞かない代物だ…近界民が現れる警戒区域で聞く放送…
「え?な、なんで?」
周りにいたクラスメイト達も騒ぎ出す。
僕はクラスメイト達に
「早くシェルターに行かないと!」
避難しないと!!
その言葉がきっかけで教室にいた生徒達は教室を飛び出してシェルターへ向かう為に階段へ向かう。
先生が階段で3階から降りてくる生徒達に指示しながら僕たちを見て
「1年生の君たちも、早くシェルターに避難して!!」
3年生の担任、水沼先生が指示していた。
ふとズボンのトリガーホルダーを握り締める。
僕がここでみんなを助ける事が…
いや駄目だ…
僕はC級隊員の訓練生だ…
ここで、もし独断でトリガーを使用した事がバレると隊務規定違反でクビになる可能性がある。
やっとボーダーに入隊して、順調にポイントを取得してるのに…
僕は…一般の学生達と共に避難した。
C級隊員と言う事を隠して…
「おい!ボーダー隊員が近界民と戦ってるぞ!!」
「上級生の人が戦っているぞ」
「先輩カッコイイ!!」
「ボーダー隊員ってこの中学校にいたのか?いいな~」
生徒達が盛り上がっていた。
え?ボーダー隊員…
確かこの学校にはA級B級隊員はいないはず…
確か正隊員になるとネットで公開されるから、たまにチェックしてるし少なくとも僕の記憶には、この三門市立第三中学校にはいないはず…
もしかしてC級隊員?
C級は公開されてないから可能性が高い…
僕は気になってシェルター避難で並んでいた列から離れて校舎から出る。
中庭に出ると、そこにはメガネをかけた上級生と白い髪の小柄な上級生が先生や生徒達に囲まれていた。
あのメガネの人はさっき白昼夢で見た人だ
そして知らない…
しかし僕はその光景を見て恥ずかしくなった…
僕もボーダー隊員なのに先輩は戦ったんだ。
ふと見ると近界民の残骸が転がっていた。
あれは確かモールモッドって言うトリオン兵
自動車に脚が生えたくらいの大きさで、3対のブレード付きの腕があり、使わない時は折り畳んで格納されている。モノアイの両サイドに副眼が2つ付いている。
ブレードの硬度はトリオン兵の中で最高らしい
このトリオン兵を見るのは2度目
一度は大規模侵攻で、二度は仮想戦闘室で…
仮想戦闘室は緑の隊服を着てるB級隊員…諏訪先輩にお願いして戦わせてもらった事がある。
訓練用の孤月で戦って左腕を吹き飛ばされたがギリギリで辛勝した。
諏訪先輩は「訓練用の孤月でよく勝てたな」と褒めてくれた。
なんでも訓練用のトリガーは戦闘能力が低いとの事。
孤月は強度と切味が下がる為、トリオン兵のブレード相手だと折れると…
「頑張れよ!少年!」
見た目は怖い人だけど話してみると、人は見た目ではないと思った。
あれを倒したのか?実戦で…
「凄いよな2体倒したんだって!」
2体だって?…
2体倒した事を聞いて、僕は…
「三雲〜ありがとうな…ボーダー隊員の事、隠してるなんてズルいぞ!!」
「三雲君ありがとう!!」
「三雲先輩カッコいいっす」
三雲先輩…
僕はその名前を忘れられないだろう…