あるボーダー隊員の日常   作:スコルピオン

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第10話 サイドエフェクト

 ドサッ!

 

 緊急脱出(ベイルアウト)して部屋のベッドに落とされる。

 

「負けたか…」

 久しぶりの近接戦闘の敗北だった…

 いやそれよりあの人は…

 

 すぐに起き上がり端末を通じて連絡を入れる。

 

 短い呼び出し音の後…

『えっと〜もしもし?』と返事が返ってくる。

『あ、お疲れ様でした…先程対戦させていただいた佐々木部マコトと言います…空閑遊真さんと呼べば良いでしょうか?僕より先輩の様なので…』

『おお〜後輩なんだ…空閑でも遊真で良いよ』

『ありがとうございます〜では空閑先輩…あの今ってお時間ありますか?少しお話したいのですが…』

『別に大丈夫だよ』

 との事で自販機の前で待ち合わせ…

 

 自販機の前で待機してると

「お待たせ〜」

「初めまして!佐々木部マコトと言います!同じ中学に通ってる1年生です…よろしくお願いします!」

 お辞儀して挨拶する。

 

「うん!よろしく〜俺は昨日から入隊したばっかなんだ…ああ、それとごめんね」

 そう言うと頭をかきながら謝ってくる。

 

「へ?!何がですか?」

「もうすぐ4000だったんだよね〜どんだけ強いのか興味には勝てなくてポイント随分と貰ってしまったんで…」

 まあ確かにまだ1700代だったから3900まで上がっていたポイントの差で300ぐらい持って行かれてしまった。

 

「いえ!まだまだ実力が足らないのが分かったので、大丈夫です!」

 ランク戦なんだからそれは仕方が無い…けど後輩と分かると心配してくれるのは良い人なんだろうな。

 

「そうか〜それで話って何かな?」

「はい!三雲修先輩の事をもし宜しければ教えて欲しくて…学校ですと上級生なのでなかなか下級生が尋ねていくにはハードルが高くて…」

 結局、話をしたくても下級生が上級生のクラスに顔を出すのはなかなか難しいから…

 

「オサムの事か…えっと何が知りたいの?」

「はい…どんな戦い方をする人なのか興味があって…」

 

「うーん今はシューター(射手)のスタイルかな〜」

 シューターか…でも確か、トリオン兵倒したのは接近戦だよな~

 

「空閑先輩は間近で見たんですよね…モールモッドとの戦いを…去年、C級隊員なのにアノ…モールモッドを倒して…しかも2体…」

「ああ…そうだね…確かに倒したね」

 少しバツの悪い顔になりつつ肯定する。

 

「是非一度、三雲先輩にランク外で良いのでお手合わせしたいと…お忙しいとは思いますが…」

 

 空閑先輩は少し考えるように顎に手を当て…

「玉狛支部に来れば勝負してくれると思うよ…基本的に仮想戦闘室で修行してるし〜」

「本当ですか!ありがとうございます!!」

 と言う訳で携帯電話番号とメールアドレスを教えてもらった。

 

 その後、ランク外対戦10本勝負をして2勝8敗で何とか食い下がったが…

 やはり強い〜そもそもこの空閑先輩どこでこんな、どんな修行したらあんな戦い方ができるのか?不思議に思う…三雲先輩も気になるが模擬戦を経てこの小柄な先輩も気になる様になっていった。

 

『お疲れ様です!』

『うんお疲れ〜ところで佐々木部君、質問があるんだけど…』

 

『?はい…何でしょう?』

『対戦してて気が付いたんだけど…もしかして佐々木部君って未来視持ってる?』

 

『未来視…未来が見えるって事ですよね?』

『何回かカウンターで先読みされた動きをしていたからね〜』

 

『正直、これが未来視かは分からないですが時々、先読みみたいに次に起こる事が見えたりはします。』

『例えばいくつか選択的なモノが見えたりはしないの?』

『いえ…見えるのは、ほんの少し先の…大体数十秒後ぐらいの映像が見えたりします』

 こんなことを話すのは空閑先輩が初めてだった。

 

『サイドエフェクトかな?』

『サイド…エフェクト?』

『あれ?知らない?…サイドエフェクトってトリオン量が多い人に時々発生する能力の一つだよ』

 今迄、この能力を知っていたのは爺ちゃんだけだった…だけどこの力を指摘されたのは初めてだった…

 サイドエフェクトか…

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