「同棲する?!!!」
陸樹が店中に響き渡るような大声で叫んだ瞬間、純が陸樹の頭にゲンコツをお見舞いした。
更に一瞬遅れて、ガシャン!と大きな音がして
トレイを取り落とした龍介が
「結婚するんですかっっ?!!!」
と叫んだので、純がもう一発陸樹にゲンコツをお見舞いした。
赤い顔でフルフルしている純に陸樹が必死に謝ったが、純と玲音は龍介や駿に面倒くさい言い訳をしなければならなくなり、大変な目に合った。
店長の翔も最初は笑うのを堪えてたみたいだが、途中から堪えきれなくなり、笑い過ぎてお腹が痛いと言い出す始末だった。
本当は、ただ、引っ越しにあたり、翔や駿に持って行けない家電とかで欲しいものはないか聞くために来たのだが、大騒ぎになってしまった。
でも、よく考えたら、純が悪いのかもしれない。
実は、陸樹は純に思いを寄せているが、天然の純は全く気が付いていない。
さっきも、特に何のためらいもなく、唐突に今度から一緒に住む事になったと陸樹に報告した。
それは、ショックも受けるよ
玲音は溜息をついた。
陸樹に同情する
もう少し、言いようもあるだろうに‥
純はそういう所がかなり無頓着だ
しばらく純のマンションに泊まって、予行練習をした結果、お互いにメリットが多いと判断して、一緒に住むという選択をしたのだが、陸樹や龍介の反応で急に恥ずかしくなってきた…
そこまでの意味合いは考えてなかった。
確かに、友達とのルームシェアとは違うかもしれない。
一応2人は恋人同士?なのだから。
今更?と笑われそうなので黙っていたが、今でもまだ、親友と恋人の境界線がよくわかってないと思う。慣れないんだよなぁ。
とりあえず、引っ越しの日に駿と翔が手伝いに来てくれて、ついでに欲しいものは引き取ってくれる事になったので安心だけど。
一方、陸樹は2人が帰った後、翔を相手にくだを巻いていた。
「何なんだ?あのど天然カップルは?!一緒に住むって意味分かってんのか?付き合ってる自覚あんのか?!」
「付き合ってる自覚はあるんだろうけど、まだ、友達の延長線上なんだろうな。
まぁ、でも一つ屋根の下で一緒に暮すようになれば、変わるんじゃない?」
「か、変わるって?」
「お前だって言ってたじゃん。
そりゃ、恋愛感情を持ったいい大人が一緒に暮らせばねぇ。ベッドも一つだって言ってたし…
って、おい!陸樹!大丈夫か?しっかりしろ!! www」
それぞれの思いが交錯する中で、引っ越しまで、後一週間。
END