純と玲音の共同生活   作:太陽に恋したライオン

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不思議な三角関係

(参ったな…)

 

この旅行では、キャンプの時より、明らかに純と玲音の距離が縮まっている事を見せつけられて、陸樹は、覚悟はしていたが、思った以上に心がえぐられていた。みんなといるのが耐えられなくなり、一人になりたくて宿を出てきたが、純に気付かれてしまった。

 

浜辺まで出てきたところで、声をかけられる。

 

「陸樹、どうしたんだ?何か元気ないな」

 

純が心配そうに近付いてきて、顔を覗き込んでくる。

 

(何なんだ、いったい…

俺の気持ちはわからないくせに…)

 

何だかヤケクソな気持ちになってきて、思わず純に手を伸ばした。

 

(キスしたら、もう後戻りできない…

でも、どうせ、もう……)

 

その時、急に腕をガッと強く後ろに引かれて、誰かにハグされた。

 

(玲音?!)

 

玲音は陸樹をガシッとハグしながら、小声で囁いた。

「陸樹、ごめん!…でも、Jが泣いたら、陸樹は自分の事許せなくなるだろ…これは俺のワガママだってわかってるけど、Jが悲しむ顔も、陸樹がこれ以上苦しむのも見たくないんだよ…」

 

(何で、お前がそんな事言うんだよ…

そこは、怒るとこだろ?俺の恋人に手を出すなって!

お前が泣きそうな顔してどうすんだよ?)

 

その時、更に上から誰かがふわっとかぶさってきた。

 

純が玲音ごと陸樹をハグする。

 

「俺も混ぜてよ」

 

「何で陸樹が悩んでるかわかんないけど、陸樹は俺の親友だろ。最近、玲音ばかりに構ってて悪かったけど、お前が大事だって事は変わんないから…」

 

(お前の事で悩んでるんだってのに…)

 

純の的外れな心配の仕方に、むしろ気持ちが軽くなってくる。

 

(やっぱり、Jが好きだ。

 

Jの相手が玲音で良かった。玲音が来てくれ無かったら、Jに自分の気持ちを思いっ切りぶつけて、お互いに傷ついて終わってたかもしれない…)

 

 

陸樹は素直な気持ちで言った。

 

「J、ごめん。俺、玲音にヤキモチを妬いてた」

「あ、やっぱそうなんだ?友達を恋人に取られたみたいなやつ?」

「ま、そんなとこ。でも、JはJだよな」

「あぁ、俺は何も変わんないよ」

 

フフっと、笑顔を交わす。その横では、玲音がハラハラした顔をしていた。純の微妙な勘違いがわかってる玲音の困った顔を見て、ちょっと笑けてくる。

 

(ま、そこは、ほっとくか。これくらいの意地悪は許されるだろうww)

 

 

3人で浜辺を散歩しながら、この不思議な三角関係も悪くないと思う陸樹だった。

 

 

旅行の最終日は大晦日

 

真琴、駿、龍介は実家に帰省するというので、最寄りの駅まで送った。

 

「旅行楽しかったよ!良い年を!」

「気を付けて帰れよ!」

 

陸樹、玲音、純の3人は車で東京へ帰る。

 

陸樹が運転し、助手席には玲音が乗り、後部座席では純が寝ていた。

 

「陸樹は帰らないの?」と玲音が聞くと

「あぁ、旅行もあったし、何か面倒で」と陸樹が答えた。

 

「1人で新年を迎えるってこと?」

「お前、またお節介なこと考えてるだろ」

「まぁね」

「誰にでも優しいのも考えものだぞ。その内、Jに愛想尽かされるからな」

「陸樹だって優しいだろ」

「俺は優しいんじゃなくて、優先順位を決めてるだけ」

「Jが第一優先って事か、なるほどね。

とりあえず、Jが起きたら聞いてみるよ。陸樹も一緒に新年を迎えたらどうかって」

「Jは絶対、嫌がると思うけどww」

「その時は諦めてww」

 

目が覚めた純に玲音が聞いてみると、意外とあっさり承諾して、拍子抜けした。

 

「なんか、陸樹には最近悪かったって思ってたし、レンタカーも陸樹が借りてくれてたろ。それで帰りそこねて、1人で新年迎えさせるなんて、寝覚めが悪い」

「J、サンキュ」

「ただし、お前はソファで寝てもらうからな」

「えー、3人で寝ようよ」

「寝れるかっ!! それに、泊めるのは今日1日だけだからな!明日には帰れよ!」

「1日も2日も一緒だろ?」

「俺は玲音と2人でお正月を過ごしたいんだよ!邪魔すんなー!」

 

ぷんすかする純をまぁまぁと玲音がなだめる。

はぁっと純が溜息をつきながら言った。

 

「何で俺の周りは優し過ぎる奴しかいないんだ?」

 

「え?」玲音と陸樹が同時に声を上げた。

 

「玲音と陸樹は結構似たとこあるよな?

人に優し過ぎて自分の事を二の次にしちゃうとことか。もっと自分を大事にしてくれないと余計な心配しなきゃならないww」

 

玲音と陸樹が顔を見合わせて吹き出す。

 

さっき2人でした会話を聞いてなかったはずの純の口から同じ言葉が出てくる事がおかしかった。

 

そして、2人とも、やっぱり純だから好きになったんだなとストンと腑に落ちていた。

 

天然でマイペースで、でも大切な事は何も言わなくてもわかってくれる…

 

 

急に笑い出した2人に、純はキョトンとしていた。

 

END

 

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