純と玲音の共同生活   作:太陽に恋したライオン

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純の勘違いと理想のカップル

今日は、珍しく玲音の帰りが早いので、一緒に夕飯を作る約束をしていた。

 

事前に純が買い物をしておく事になっていたが、昼寝をしたら寝坊してしまい、慌てて買い物に来ていた。

 

玲音が帰ってきちゃうかもしれない時間なんだよな

 

キョロキョロしながら、買い物をしてると、離れた所に玲音を見つけた。

 

声をかけようとして、一瞬固まった。

 

玲音が女の子と並んで歩いてる?!

 

え?うそ?玲音だよね?

 

ビックリして、混乱して、心臓がバクバクして、逃げるように店を出てきてしまった。

 

よく考えたら、玲音が女性といる所なんて、初めて見た。

 

玲音が自分の知らない人間と、しかも女性と歩いていることに驚き、思った以上にショックを受けた。

 

背が高くて肩幅の広い玲音と小柄で可愛い感じの女性はお似合いに見えた。

 

マンションに戻って、顔を洗う。

 

よく考えたら玲音のバイト先には女性も多い。バイト先の人かもしれない。おかしな事じゃない。

 

なのに、なんでこんなに、ザワザワするんだろう

 

そうか…

 

あるべき姿の正解を見せられた気がした。

理想のカップル像ってこんな感じなんだろうなと思ってしまった自分に気が付く。

 

その時、ガチャっと玄関の扉を開く音がした。

玲音が帰ってきたのだ。

 

ど、どうしよう…さっきの人は誰かって聞いた方がいいのかな?

 

気持ちが揺れ動く中、

 

「J、ただいま」

 

玲音が珍しく困り顔で入ってきた。

 

「え、と、紹介したい人がいるんだけど?」

 

純は目を丸くした。

 

さっきの!

 

「姉さんに見つかっちゃって…」

「姉さん?!!」

 

正確には、玲音の兄さんの奥さんで義理のお姉さんだった。

 

最近、全く実家に顔を見せず、引っ越して、友達と暮らし始めた玲音を心配して来たという。

 

「まさか、こんな美人さんと暮らしてるなんてね!玲音も隅に置けないわねww」

 

「え、えっと」返答に詰まる。

 

「純は男だよ、姉さん」

「あら!ごめんなさい、失礼しました。女の方だとばかり…」お姉さんは少し当惑した顔をした。

「い、いえ」

 

「と、とにかく、玲音はちょっと1人だと頑張り過ぎたり、抱え込みやすい性格なので、心配だと思っていましたが、これで安心しました。寂しがり屋なので、ご迷惑をかけるかもしれませんが、玲音を宜しくお願いします」

「こ、こちらこそ」

 

それだけ言うと、お土産を置いて、お姉さんは帰っていった。

 

あー、ビックリした…

まさか、お姉さんだったとは…

遠かったし、小柄で可愛い印象だったから、玲音より年下に見えた。

 

純は自分の勘違いが恥ずかしくなってきた。

 

「J、ごめんな。急に姉さんを連れてきちゃって。どうしても会いたいってきかなくて」

「いや、いいお姉さんだな。でも、俺の事どう思ったかな?」

「綺麗だと思ったww」

「そういう冗談抜きで!」

「一応、最初に好きな人と暮らしてるって言ったんだ」

「え?!」

「でも、男だって聞いた時も、あんまり慌てて無かったから、大丈夫なんじゃないかな」

「そ、そうかな…?」

 

純が男である事や恋人である事を隠そうとせず、玲音がちゃんと家族に純を紹介してくれた事がすごく嬉しかった。

と、同時に申し訳なく思った。

勝手に勘違いして、あんなに動揺するなんて…

 

「玲音、ごめん」

「何が?」

「玲音がお姉さんといる所見かけたんだけど、すごく動揺して、逃げちゃったんだ」

「え?!」

「玲音が俺の知らない女性と一緒いるのが思った以上にショックで。玲音はお姉さんにちゃんと俺を紹介してくれたのに」

「ショックって?もしかして、ヤキモチを妬いたってこと?」

「まぁ」

「Jはそういう事にもっと無頓着だと思ってたww」

「なんだよ、それ?!

………

でも、本当は、それだけじゃなくて…何か、理想のカップルって、こんな感じなんだろうなって思っちゃったんだよ。女の人といるのが自然に見えて。俺の居場所が無くなるみたいな…」

 

言ってて気持ちが落ち込んできて目を伏せてしまう。

 

玲音が額をコツンと合わせて言った。

 

「俺も自分に自信が持てないタイプだから、Jに愛想を尽かされないか心配になる事はあるけど、他の人にどう見えてるかは気にならないよ。

俺はJが一緒にいてくれればいい。

でも、どうしたらJの不安も無くなるかな?」

 

優しくて甘いトーンの声に心がほぐれていく。

 

「じゃあ、愛してるって言って」

 

この前、酒の勢いを借りて言ってくれた言葉が聞きたかった。

 

玲音はちょっと顔を赤くして、囁くような声で

 

「愛してるよ」と、言ってくれた。

 

目を上げると玲音の笑顔が目の前にあって、心の中の雨雲を完全に吹き飛ばしてくれた。

 

いつも、何度でも、思ってしまう。

お前の笑顔は俺の太陽だ、って。

 

やっと笑顔が戻った純と玲音は愛を確かめるように、ゆっくりとキスを交わした。

 

 

後日、お姉さんはやっぱりわかってなかった事が判明した。

 

お兄さんから玲音に電話があって、

 

「何かすごく美人な彼女を男だと言って誤魔化してたけど、好きな人って言ってて、意味不明ってどういう事?!」

 

「いや、だから純は男だけど、好きな人なんだって!」

 

「・・・えーーー!!!お前、男と付き合ってんの?!」

 

「厶ッ だから何だよ?好きになった人が男だっただけだけど?!」

 

「あーーー、そっか、うん、わかった。奥さんには説明しとく。大変だと思うけど、頑張れよ。応援する」

 

 

電話を切った玲音が溜息をつく。

「兄さん、本当にわかったのかな…?」

 

やっぱり、前途多難だなww

でも、玲音がいれば大丈夫な気がしてくる…

玲音を信じる自分の気持ちは、信じられるから

 

END

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