純と玲音の共同生活   作:太陽に恋したライオン

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もうすぐクリスマス

もうすぐクリスマス

 

今年のクリスマスはこれまでとは違う。

玲音は妙に緊張するような、ソワソワする感じがしていた。

 

何せ、純と付き合うようになって、初めて迎えるクリスマスなのだ。

どう過ごすのがいいだろう、と悩む所だが、もう一つ、悩ましい問題があった。

 

バイトを休めるかどうか

 

玲音のバイト先の介護施設は、当然、土日が休みというわけではない。普段は家族がいる職員が出勤したがらないような日は積極的にシフトを入れている。

 

でも、今年のクリスマスは特別だよな…

 

休みたい、というのが本心だが、ちょうど土日にあたる今年は、休みたい人が多くて、争奪戦になりそうだった。

 

いつもなら譲ってしまうところだ。純のために心を鬼にして、突っぱねる事ができるだろうか?

 

全く自信が無い玲音だった。

 

クリスマスをどう過ごすか以前に、休みが取れるかという問題で頭が痛い。

 

Jはどう思ってるんだろう…

 

純は天然な上に、変にこだわるところと無頓着なところが極端で、予想できない事が多い。

 

Jは女の子じゃないけど、クリスマスは毎年楽しみにしてたって聞いた気がするし、プレゼントとか期待してるかもしれないよな。

家でまったり過ごすのか、レストランで美味しいものを食べるのか、どっちがいいんだろう???

 

考えれば考えるほど、悩みの沼にハマる玲音だった。

 

 

Jは何て言うだろう…

 

結局、休みは取れず、クリスマス当日の夜勤だけは免除してもらえた。

 

憂鬱な気持ちで、純にその事を告げた時、純はケロッとして、夜勤が入らなかった事を喜んでくれた。

 

「玲音の事だから、イブも当日も休み無しで無茶なシフト入れるんじゃないかと心配してた」

と笑った。

 

クリスマスを一緒に過ごせるかより、無茶をしないかを心配してくれた事にちょっと驚いた。

短い時間でも、一緒にクリスマスを過ごせる事を素直に喜ぶ。純のそういうサバサバしたところには、本当に救われる。

 

純はそれより、年末年始の休みが取れるかを気にしていた。ちゃんと休むと言うと、すごく喜んでくれた。

 

純と相談して、今年は実家に帰らず、2人で過ごす事にした。

 

やっとゆっくり2人で過ごす時間が取れる。

 

映画を見たり、一緒にご飯を作ったり、どこかへ旅行に行ってもいいなと想像するだけで楽しい。

 

年末の休みを楽しみに、後ちょっと頑張ろうと気合を入れる。

 

とは言うものの、クリスマスだって、本音を言うとやっぱり何かしたい。純より自分の方がそういうところはロマンティストなのかもしれない。

 

プレゼントだけは、純にナイショで用意した。

 

前に純がシルバーストーンのブレスレットをプレゼントしてくれて、純は色違いのブラックをつけている。今回はそのブレスレットと対になるブラックストーンのフープピアスを贈る事にした。スタッズタイプのもあったが、フープピアスの方が繊細で純に似合うと思った。

 

渡した時の純の喜ぶ顔を想像するだけで頬がゆるむ。ピアスだとつけてるのがパッと見ただけでわかるのも、ちょっと嬉しい。

 

ブレスレットを貰った時は純の気持ちに気がついて無かった。純もあまり目立たないようにブレスレットを選んでくれたんだと、今ならわかる。

みんなに打ち明けた今なら、隠す必要もない。

 

純へ初めて贈るクリスマスプレゼントに胸が躍るのを感じた。

 

特別な事が何もできない分、形に残るものを贈りたい。純はクリスマスを特別に思っていないかもしれないけど、自分の純への想いと感謝を表したいと思うのはエゴなのかもな。

 

絶対頑張って早く帰ろうと、今から強く念じる玲音だった。

 

 

一方、純は、クリスマスは特に何がしたいという望みは無かった。

 

むしろ、玲音がまた、帰って来れないような無茶な働き方をするんじゃないかという事が気がかりだった。夜勤はしないと聞いてホッとしたが、いつ帰ってくるかあてにならない。

 

玲音は優し過ぎる

 

それだけが心配なのだが、それが玲音らしさでもあるので、否定もできないのだ。

 

それでも、一応プレゼントだけは用意したので、シャンパンで乾杯くらいはしたいと思っていた。

 

恋人と過ごす初めてのクリスマス

 

何だか気恥ずかしいワードで、そんな事に振り回されるのもどうかと思ってしまうが、もう少し恋人らしくならないかなとは思っている。

 

どうしても友達の延長線上にあるような状態から抜け出せない。

 

キスをする事はあっても、友達にするようなキスとあまり変わらないんじゃないかと思う。

 

まぁ、普通、男友達とはしないものだが、親友の陸樹は海外生活が長いせいか、頬や額なら誰にでもキスしてくる。純は一度されそうになって、全力で拒否したからされた事はないが、翔はよくされていた。

 

そういうんじゃなくて、この前、酔った玲音がしてくれたみたいな恋人らしいキスをしたい。

 

そういう気持ちになるのって俺だけなのかなぁ?

 

相手をもっと欲しい、求められたいと思うのはワガママなんだろうか?

 

玲音はどう思ってるんだろうな…

 

もし、クリスマスの夜に玲音がちゃんと帰って来てくれたら、いつもより大胆に甘えてみようかな?酔ったフリをして…

 

玲音からのクリスマスプレゼントはそれでいい

 

クリスマスの夜を思い浮かべて、一人赤面する純だった。

 

END

 

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