あー、遅くなっちゃったな…
今日はクリスマス
シャンパンとチキンは事前に準備して、帰ったら2人でパーティーをする予定だった。
でも、予定より仕事が長引いてしまった。ホントに純にはいつも申し訳無いと思う。
急いで帰ると、純は嬉しそうに出迎えてくれた。
「お帰り!意外と早かったな!玲音の事だから、12時過ぎちゃって、クリスマス終わってたとかになるんじゃないかって思ってたww」
「ただいま!遅くなってごめん。待っててくれてありがとう」
「じゃあ、乾杯しよう!」
買ってきたチキンとシャンパンで乾杯する。
さっそく、純が「はい」っと、プレゼントを渡してくれた。
純があんまり、ニコニコするので、先にもらったプレゼントを開ける事にした。
「え!」
それは、玲音のブレスレットと対になるシルバーのフープピアスだった。
玲音も自分のプレゼントを差し出した。
「開けて」
純が箱を開けると、そこには純のブレスレットとお揃いのブラックのフープピアスが入っていた。
「え!」純も玲音と同じように驚いた。
デザインは幾つかあったはずなのに、お互いに同じものを用意した事に嬉しさが込み上げてきて、笑い合った。
「これで、ブレスレットもピアスもお揃いだね」
「びっくりしたけど、すごく嬉しいよ」
お互いの耳にピアスをつける。
愛おしそうに、玲音の指が純の耳から頬と首筋を優しくなぞる。
その仕草に純の鼓動がバクバクとしてくる。
幸せな気持ちでお互いの存在を確かめるように、キスを交わす。
玲音の綺麗な目が純を見つめる、その目に純は見蕩れてしまう。
でも、まだ足りない…
もっと玲音を感じたい
純は甘えた声で玲音に囁いた
「シャンパン、玲音から飲ませて」
「え?」
玲音の目がちょっと戸惑う。
ためらいつつ、シャンパンを口に含むと
純に口移しで飲ませた。
ゴクっと喉を鳴らして飲み干して
「もう一回」と甘えてみる。
玲音から飲ませてもらうシャンパンは何故かすごく甘く感じた。
純と玲音は初めてのクリスマスの夜にゆっくりと酔っていった…
翌朝…
いつも通り、早朝に玲音は目が覚めた。
昨日の夜の事は夢だったみたいな気分になる。
現実に引き戻されて、朝からちょっと憂鬱だった。
隣では気持ち良さそうに純がすやすやと寝ている。
昨日の大胆な純とは違って、あどけない可愛らしい寝顔に何だか安心する。憂鬱だった気持ちが晴れてきて、思わず頬にキスを落とした。
昨日はシャンパンというより、純に酔ってしまった。蕩けそうな眼差しで迫られて理性が保てなくなりそうだった。
口移しでお酒を飲ませるなんて初めてだ…
純が女の子だったら押し倒していたかもしれない。男同士だと、どうしていいかわからない。もどかしい気持ちでいっぱいになった。
でも、それは、自分だけが抱えている気持ちじゃないみたいで、むしろ安堵する。
昨日の純の紅潮した顔を思い出すと一気に体が熱を帯びてくる。
ダメだ。仕事に行くモードにならない。もっと浸っていたいのに…何で朝からバイトなんだろう。珍しく恨めしい気持ちになってしまう。
年末の休みのためだと自分を奮い立たせて準備を急いだ。
一方、純は昼前にようやく目を覚ました。
いい夢を見ていたのに…
玲音がいない一人ぼっちの部屋は寂しいなと思ってしまう。
初めてのクリスマスの夜は、友達とじゃなくて、恋人と過ごしてるって実感があった。ちょっといきなり大胆過ぎたかもしれないけど、普段の日には、あんな風に甘えられる自信は無い。クリスマスだからできたんだよな…
思い出すと赤面してしまうが、特別な夜だったと思う。恋人らしい夜を過ごせたら、それがプレゼントでいいって思ってたけど、ちゃんと玲音もプレゼントを用意してくれた…
鏡に映るピアスを見て笑みがこぼれる。耳に触れると、昨日の耳を優しくなぞる玲音の手を思い出してドキドキしてくる。ついニヤけてしまうのを抑えられない。
年末の休みを楽しみに、残りの仕事を早めに片付けようと思う純だった。
END