何で、こうなるんだ?…
純は深々と溜息をついた。
陸樹が運転するレンタカーには、いつものメンバーが揃っていた。翔は奥さんの実家に行ってしまったので、全部で6人だ。
俺は玲音と2人で旅行に行きたかったのに!
とはいうものの、優しい玲音が断り切れなかったというのも頭では理解していた。
玲音は、翔にどこに行くのがいいか相談したらしく、それを聞きつけた龍介が自分も行きたいと言い出して、何故かみんなで行くという話になってしまったのだ。
真琴がアメリカへ再度旅立つ前の思い出作りという事も加わって、話が大きくなってしまった。
翔が行けないので、ワンボックスカーをレンタルして陸樹と玲音が主に運転し、たまに純も手伝う予定だ。
今は陸樹が運転し、助手席には玲音が乗っている。陸樹は純に助手席でナビを頼んだが、ご機嫌斜めの純がブーブー言ったので、玲音がナビについたのだ。
玲音の後ろの席で、不貞腐れていた純だったが、龍介が心配して、僕が余計な事言い出したせいでごめんなさい、としおれているのを見て、慌てて機嫌を直した。
子供に気を使わせてどうするんだ!
せっかく行くんだから楽しまなきゃな
ようやく、純の機嫌が直り、車内に平和な空気が戻ったところで、駿が言った。
「Jのピアスって、新しくない?もしかして、クリスマスプレゼント?」
「う、うん」
「いいじゃーん!似合ってるよ。ブレスレットとお揃いだよね?」
龍介と真琴も、
「あれ、玲音さんのと色違いじゃないですか?もしかして、贈り合ったとか?」
「え?マジで?ロマンティックだな〜って、ブレスレットも実はペアだったんだ!石の大きさが違うから気付かなかったよ。それ、俺がアメリカに行く前からつけてなかった?」
「ホントだー!その辺、詳しく教えてくださいよ」
誰が教えるか!!!
3人に囃されて、純が赤面した。
陸樹がピクっとして、アクセルを踏む。
玲音が慌てて陸樹に注意した。
「ちょ、ちょっと、陸樹?スピード出し過ぎ!」
「うるさいな!大丈夫だから、黙ってナビしてろ」
純が後ろから口を出す。
「陸樹!みんな乗ってるんだから、安全運転しろよ!」
「わかってるって!文句あるなら、助手席に乗れっての」
玲音が小声で純に話しかける。
「次のパーキングで助手席交代する?」
「玲音が運転するならね」
「そうするかー」
玲音は、先が思いやられると思ったが、これはこれで、いつも通りなのだ。
やれやれと思いながらも、ワイワイとしたこの状況を楽しんでもいた。
純との旅行は次回のお楽しみに取っておいて、今は仲間との時間を楽しもう
車内は6人の明るいしゃべり声と笑い声で賑々しかった。
END