今回の旅行の目的地は海のそばの近場の温泉地
1泊だけなので、あちこちは行けない。
温泉と海鮮を楽しむ旅行だ。
とはいえ、とりあえず、観光も、という事で、お城とトリックアートミュージアムに行く事にした。
お城は小さいが、見晴らしがよく、富士山が綺麗に見えた。鎧や刀剣の展示があり、そういう/歴史物に詳しい玲音がみんなに学芸員さながらに解説してくれた。
トリックアートミュージアムでは、真琴、駿、龍介が特にノリノリで色んなポーズで写真を撮っていて、笑いが絶えなかった。
ようやく宿に着いて、夕飯の前に温泉に行こうという話になる。
純は、前回のキャンプでは一緒に入るのを諦めたが、今回はみんなと行こうと覚悟を決めていた。
玲音と暮すようになって、少しは免疫がついているはずだ…
一緒にお風呂に入った事はないけど、男同士なんだし、みんなと一緒なら、意識しなきゃ大丈夫に違いない!
そう思っていたのに、前回キャンプに行ってない真琴から予想外の言葉が飛び出した。
「なんか、貸し切り風呂もあるみたいだから、Jと玲音はそっちへ行けばいいんじゃない?」
「え?」「は?」「あ?」「ん?」「わ♡」
玲音、純、陸樹、駿、龍介が一斉に声を上げた。
「あれ?俺、何か変な事言ったかな?」
「変っていうか、何でそうなるんだ?!」
純はできるだけ平静を装って聞いた。
「だって、玲音が気にするかと思って」
「は?」
何でそこで玲音なんだ?!ますます意味がわかんない!
純が当惑したまま二の句を告げれないでいると
陸樹まで
「そうすればいいんじゃね」と投げやり気味に言った。
玲音が観念した様子で
「わかった。じゃあ、真琴の言う通りにさせてもらうよ」と言ったので、
純は、何でそうなるんだー?!!
と声にならない叫び声を上げた。
駿、真琴、龍介、陸樹の4人は、大浴場に来ていた。
駿が不思議そうに言った。
「この前のキャンプの時、Jが一緒に温泉行かなかったのって、そういう事なの?」
「でも、あの時、温泉に行かなかったのって、Jさんと陸樹さんですよね?」
3人の視線が陸樹に集まる。
「陸樹は2人が付き合ってるって知ってたの?」
「そりゃ、まぁ…Jから相談されてたし」
「玲音は、その頃気にしてなかったってことかな」
「鈍そうですよねww」
「えー、付き合ってるなんて全然気付かなかった!Jって、玲音に冷たくなかった?」
「それは、最初の頃だけじゃない?」
「太陽と月みたいでお似合いじゃないですか?」
辛い…
陸樹はこの状況に疲れを感じていた。
何で、こいつらから、2人がお似合いだとかって聞かされなきゃいけないんだ?
「ねぇ陸樹、Jから告白したの?」
「何て言ったんですか?」
「玲音は?どういう反応してた?」
「お前らなー…もう、知らん。先に出る」
陸樹は呆れて帰ってしまった。
残った3人は、しばらくの間、自分たちの経験談も踏まえ、あーだこーだと恋バナで盛り上がっていた。
END