純と玲音の共同生活   作:太陽に恋したライオン

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2人で温泉

4人が先に大浴場に行ってから、玲音に聞いた。

 

「真琴は何であんな事言い出したんだ?」

 

「気を遣ってくれたんじゃないかな、色んな意味で。確かに、俺だって、Jと一緒にお風呂入った事ないのに、みんなとJが一緒に入るのって、今更だけど、何かモヤモヤするし。陸樹も、たぶん、気にすると思うし。みんなも、変に気を使う事になるかもしれないだろ?今まで、そんな風に考えた事無かったけど…」

 

玲音が顔を赤くしながら言った事にはっとする。

 

確かに、キャンプの時と違って、今は俺達が付き合ってるってみんな知ってるし、変に意識したらお互いに気恥ずかしい思いをするかもしれない。

 

何でそこで陸樹の名前が出てきたり、真琴が俺じゃなくて玲音が気にするって言ったのかは納得いかないけど、玲音の言いたい事は理解できた。

 

ただ、気持ちの準備ができていない!

 

2人きりで温泉に入るって想定は無かった。

確かに、元々は2人で旅行したいって言ったけど…

 

急にドキドキしてきてしまう。

みんなと一緒なら、意識しないでいけるって思ってたのに…

 

とにかく、入るにあたって、2人で約束を決めた。

 

じろじろ見ないこと

触れないこと

照れないこと

 

温泉を楽しむ事だけ考えようと自分自身に言い聞かせる。

 

貸し切りのお風呂はこじんまりしていたけど、小さな露天風呂もあった。露天風呂からは海が見える。

 

最近、多忙だった事もあり、温泉に浸かると全身の力が抜けてリラックスした気持ちになった。

 

チラッと見たら、玲音もホッと力が抜けてるようにみえた。

 

「気持ちいいね」と声をかけたら

「やっぱり、温泉はいいなー」と明るい声が返ってきた。

 

露天風呂も行ってみようというので、出てみると、外気が気持ちよくて、本当に来て良かったなと思った。景色も素晴らしくて、開放感があった。

 

緊張も解けて、いつも通り、何気ない会話をして、笑いあった。

 

「何だか、2人で旅行に来たみたいだな!」と玲音が満面の笑顔で振り返った。

「そうだね」と笑顔で返した時、思わず目が合ってしまった!

 

ボンっと音がした気がした。

一気に赤面してしまって、慌てて顔をそむけたが、遅かった。

 

ま、まずい!意識しちゃダメだって!

 

「も、もう出る」とだけ言って出ようとしたら腕を捕まれた。

 

触るなって言ったろ?!

 

「逃げなくてもいいだろ。もう、見ないから…」

 

そ、そんな事言われても…

 

捕まれてるところから全身に熱が伝播する。

顔の火照りに加わって、頭がクラクラしてきた…

 

や、ヤバい…

 

「俺も、ホントはまだ一緒に入っていたいけど、む、無理…もう、のぼせ、そう・・・」

「えー!!!」

 

慌てる玲音に支えられて、外に出る。

冷たい水を持ってきてもらって、やっと生き返った。

 

「大丈夫?」玲音が心底心配した顔で覗き込んでくる。

 

「あぁ、もう大丈夫。ごめん。」

「いや、俺がもっと気をつければよかった。気が回らなくてごめん…」

 

ハハっと苦笑する。

お風呂にのぼせたというより、本当は玲音のせいでのぼせたんだからな…

 

とりあえず落ち着いたので、部屋に戻ると、疲れた様子の陸樹と対照的に、妙に楽しそうな様子の3人が期待のこもったワクワクした顔で、前のめりに、「どうだった?!」と聞いてきた。

 

「普通にいいお風呂だったよ」とぶっきらぼうに答える。こんな時、翔がいてくれたら、3人の暴走を止めてくれるのに!

 

陸樹が「もう夕食の準備できてるんだし、食べようぜ」と、助け船を出してくれた。

 

駿の興味が飯に向いたので、追求から開放された。

 

陸樹に「サンキュ」と感謝したが、

「あぁ」とだけしか答えず、目を合わせようとしない。

 

どうしたんだろう…?

 

夕食は部屋で美味しい海鮮をお腹いっぱい食べて、さっき撮ったトリックアートの写真などで盛り上がって楽しかった。

 

ただ、終始、上の空で元気の無い様子の陸樹の事だけが気がかりだった。

 

END

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