セイギノミカタ   作:らて丸

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Episode.7:領域(ココロ)

ギィンッ!!ギィンッ!!

 

ただ広い高専の通路に金属がぶつかり合う音だけが響く

 

相対しているのは白い制服を身にまとう紫髪に少しばかりの紅色のメッシュの入った少年と白髪にチェストプレート、更には腰布のような外套を棚引かせる男

 

双方とも握っているのは黒白の夫婦剣

 

『干将・莫耶』

 

一歩を踏み出し、ヤツへと剣を振るう

 

しかし、ヤツは気にもとめないように横を素通りしながら俺の剣を弾く

 

来るッ!!

 

急いで、視界でヤツを捉え剣を構える

 

「ぐッ…!?」

 

3連撃、陰剣「莫邪」を盾に心臓を護りつつ、陽剣「干将」で攻撃を弾く

 

再びヤツは姿を消す

 

「うおぉおぉぉおッ!!」

 

思考を加速させ、後ろへと回ったヤツの攻撃を再び防ぐ

 

そして、再び姿を消した

 

後ろかッ?

 

警戒を解かずに首だけ後ろを向くがそこには誰も居ない

 

身体に風を受ける

 

「なっ!?」

 

後ろを警戒して振り向いたがその先を読んで、男は俺の正面に立つ

 

再びの連撃、剣を機動をなんとか目で捉え、剣で弾くが、ヤツの鋭いケリが俺の腹に突き刺さる

 

「ガハッ!?」

 

なんとか体制を整え、前を向く

 

刀身にはヒビが入り、次振るえば砕けるだろう

 

「くそっ…投影、破棄(トレース・アウト)

 

「ゆ、結絃、私にもやらせろ!!お前だけじゃ無理だ!!」

 

「黙ってみてろ、アイツは俺が殺らなきゃなんだよ」

 

袖が破れた制服の上着を脱ぎ捨て、中に来ていたTシャツへとなる

 

これで、動きやすい…!!

 

「―――投影、開始(トレース・オン)

 

剣を一新し、正面を見る

 

しかし、相手のは、技量、経験、呪力量、筋力、速力、あらゆる面で劣っている

 

打ち合いでも不利だ

 

しかし、コイツを殺さないと俺は俺を許せない

 

「あぁああぁッ!!」

 

だが、現実というものは非情だ

 

俺の剣は、ヤツの剣を数回弾けば、硝子(ガラス)のように簡単に砕ける

 

防ぎそこねた斬撃は、俺の額に切り傷を刻み、右半分の視界が紅く染まる

 

「キミと私の投影が同等だとでも思っているのか?」

 

「ッ…」

 

想像(イメージ)通りに外見や材質保とうが、構造に理解がなければ話にならない」

 

そんなこと言われなくたってわかってる

 

「クッソォッ!!」

 

俺の陰剣とヤツの陽剣が吸い付き合うようにぶつかる

 

体の呪力が急速に廻りだした

 

ヤツの剣の構造、特性、材質、その全てが脳内を焼くように熱く、呪力という名の情報として刻まれていく

 

「ッあ…」

 

その隙をつかれ、長い脚による蹴りが穿たれる

 

切り結ぶ度に肉体へと刻まれる『干将・莫耶』への理解

 

「掴んできた…」

 

ここであの一撃(黒閃)を決めれれば…

 

自らの呪力を全身へと廻す

 

集中しろ…

 

無詠唱で両刀を破棄

 

そして、いつも決まりきった一句を唱える…

 

投影、開始(トレース・オン)

 

ミシリ…

 

「ぁっ…」

 

体の何処かが悲鳴を上げる

 

そんな事知ったものか…

 

呪術師・月見里 結絃としてではなく今は…

 

「衛宮 結絃として、アンタを殺す…!!」

 

「?」

 

「ほう…」

 

足へと呪力を送り込む

 

この際足が砕けても構わない

 

ヤツに確実に一撃加える…

 

 

黒い火花は…

 

 

鋼鉄の少年に、再び微笑んだ…

 

 

「なにッ!?」

 

「ウソだろ…」

 

8ヶ月の時を経て再び放たれる漆黒の火花

 

混沌の中で鈍く光るそれは…

 

男の腹へと十字の傷を食らわせた

 

ここで、呪詛師の男に浮かんだのは、負けの2文字

 

切り札を使わねば、眼の前の息子(宿敵)に殺される

 

しかし、単純な呪力による身体能力の強化でこの距離を一気に詰めるほどのパワー

 

幸いなところ、腕は無傷…

 

腹へ大きい一撃を食らったが内蔵へは届いていない

 

「まだだ…」

 

男は空中に剣を投影

 

少年へと雨が如く降らせる

 

空いた両手は自分の形(生得領域)を現世へと吐き出す手印を組む

 

 

『領域展開っ!!』

 

 

「「ッ!?」」

 

 

『無間之剣製!!』

 

 

「さぁ、第2ラウンドだ…」

 

「てめぇ…」

 

戦いは、終わらない

 

 

 

 

 

 

「どうした?私を殺すと言っていたが、手も足も出ないみたいだな」

 

「ほざけッ!!」

 

砂埃の舞う荒野、その空には自らが部品であると表しているような巨大な歯車が回っている

 

荒野には無数の、それこそ無限の剣があると錯覚するくらいに…

 

名もなき戦士の墓標のように剣が突き刺さっている

 

剣の丘、俺の父親『衛宮士郎』がたどり着いた生得領域

 

冷徹な正義に徹し、雑多のために大切な誰かを切り捨てる正真正銘の正義の味方

 

その結果地に堕ち、呪詛師として生まれ落ちた正義(巨悪)

 

「結絃ッ!!」

 

両刀で飛来する剣を弾くも相手の手数がこちらのものを大きく上回る

 

しかし、再び掴んだ呪力の核心

 

彼が扱う夫婦剣はこれまでとは比べ物にならないほど硬質となる

 

そして、彼は見たこと無い地面へと突き刺さる幾多な呪具へと視線を向ける

 

解析、鑑定、理解、吸収

 

彼の脳内で連続で行われる反復作業

 

投影術式は、その生得領域に貯蔵する呪具の階級と量に応じて、術者本人の呪力量が増していく特異な術式

 

本来、記憶できる呪具の種類には限りがあるが…

 

彼の母親に刻まれた虚数術式は、投影術式の根本を覆す

 

限りのある呪具の設計図を自分の脳と並ぶように造られた空間…

 

虚数空間は、彼の貯蔵量の上限を無くし彼に無限の可能性を持たせる

 

「うおぉぉぉッ!!」

 

膨れ上がった強大な呪力で強化された両刃

 

剣と砂が覆い尽くす男の領域は少年の試練としては完璧な場所だった

 

今も戦いの中成長していく少年は自らの生得領域(ココロのカタチ)を作り上げる

 

呪術師の成長曲線は必ずしも緩やかとは限らない

 

必中で狙われ、圧倒的な不利な戦況(逆境)

 

急速に膨れ上がる呪力、再度掴んだ呪力の核心、想像された生得領域

 

想像(イメージ)し続けろ

 

アイツに勝つ想像(イメージ)を!!

 

想像(イメージ)するのは、常に最強の自分!!

 

忘れるな、英雄への憧憬を…!!

 

想像は創造へと変わり、彼を現代の英雄(セイギノミカタ)へと覚醒する

 

親指を絡ませ、戦いの神の一柱の手印を結ぶ

 

無敗の英雄へとなるために結ばれた決意

 

 

『領域展開…ッ!!』

 

 

雲は晴れ、歯車は消え去り、蒼天が広がる

 

幻想が無いという意味ではない

 

無限の幻想と憧憬を抱く鋼鉄の少年にふさわしい領域

 

 

『無幻ノ剣製…ッ!!』

 

 

ここからが本当の戦いだ




遅れました

解説は0巻分終わったら出します…

ヒロインアンケート(この結果が反映されるとは言っていない‼)

  • クールビューティ!!禪院 真希!!
  • ヒロインぽくない!!釘崎 野薔薇‼
  • ザ・オトナな女性!!家入 硝子!!
  • 馴染みやすい!!新田 明!!
  • ドリーム魔法少女!!西宮 桃!!
  • クールスナイパー!!禪院真依!!
  • 筆者の最推し!!三輪 霞!!
  • 可愛い先生!!庵 歌姫!!
  • ブラックホール!!九十九 由基!!
  • 呪詛師だけどなんとかします!!ミミナナ
  • うるせぇ!!全員オトせ!!
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