ダンジョンにメイドが居るのは間違っているだろうか   作:taimanman

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我々書き手からするとね、真っ白な画面の前に座るのって凄い精神削るんすよ。
これからこの白い画面黒い文字で埋め尽くさなきゃいけないのかぁ、ってね。
マインド削って書いた作品です。
どうぞ。


変身シーンは見せられません

 僕の家におねえさんが来た。

 おねえさんはとってもキレイな人で、こんな山の中の小さな村にいるのが不思議なほどでもある。

 そんなおねえさんは今、形の良い顔を斜めに傾げ、くっきりとした切れ長の目を細めてあるものを眺めていた。

 

「ええっと、何故この家にはメイド服が存在するのでしょう……」

 

 それはぼくにもわかりません。

 何故かこの家に存在するメイド服。おじいちゃんが持っていたそれを手に取り理解できないといった顔を浮かべているおねえさん。

 そんな姿でも絵になるのだからきっと美人さんというのは何をしていてもキレイなんだろう。

 そうやって意識を別のことに向けている僕の後ろには、鼻息を荒くしておねえさんを見つめている、というかガン見しているおじいちゃんが居た。

 瞳孔が血走って開ききっているのが凄く怖いよおじいちゃん。

 苦笑いするしかない僕を他所に、おねえさんはメイド服を衣装をかける棒に吊るしていた。

 そのまま自分の着ている服に手をかけて脱ぎだし――

 

「――っていやおねえさんなにやってるの!?」

「?はい、なんでしょうか」

 

 こちらにくるりと振り向いてくるおねえさんの顔は全くの平常運転。

 僕がおかしいとでも言うのだろうか?

 というかもう既に上の服をほとんど脱いで下着姿に近い状態になっていて色々と駄目な状況だ。

 見えちゃいけない部分が見えそうで本当にマズイ。

 

 

「まだぼくとおじいちゃんがいるからちょっとまって!」

「ベル、落ち着くんじゃ」

「いやおじいちゃんははやくそとにでてよ!!」

 

 なんでそんなに落ち着いているの?

 おじいちゃんのことだからおねえさんの裸姿が見たいのかもしれないけど流石に駄目だと思う。

 そう思う僕に対して、おじいちゃんはまるで不出来な孫を諭すかのように僕の肩に手を載せてきた。

 

「ベルよ、今まで儂はお前に何を教えてきた? 女性が服を着替えとるんじゃぞ、しかも目の前で、こんなの見るしかないじゃろうが」

「い、いやでも」

「でもも明後日もない! いいかベル、大胆にも目の前で女性が服を脱ぐということはじゃぞ、それは相手がお前にその下の姿を、つまりは生まれたままの姿を見せていいと思っているということじゃ。それなのに変に気を使って隣の部屋に移ろうとしたり目を瞑っていたりするのは相手に恥をかかす行為になるのじゃ。女に恥をかかせるなぞ男がやってはいかん」

「そ、そんな」

「分かるかベル、これはお前がやらなくてはならんことなのじゃ。決して目を逸らしてはならん。男が避けては通れぬ道なのじゃ!」

 

 ……確かにそうかもしれない。

 そうだ、おじいちゃんは昔から僕に言って聞かせてくれていた。

 女性が着替えているときは覗かねば無作法なのだと。

 それどころか目の前で着替えているのにどこかに行こうとするのはおねえさんにとても失礼なんじゃないか。

 僕のメイドさんになるって言ってくれたおねえさんには恥をかかせるようなことをするわけにはいかない。

 ならば僕がするべきことは。

 

「おじいちゃん」

「なんじゃベルよ」

「ぼく、みるよ」

 

 おねえさんの着替えを。

 僕の覚悟を感じ取ったのか、おじいちゃんはもう何も言ってこなかった。

 ただその成長を喜ぶように満足げな顔をして僕に頷きをくれた。

 僕がするべきことは、おねえさんに恥をかかさないこと。そのためならば恥ずかしくても僕はこの目でおねえさんの裸姿を見る……!

 

「おねえさん、きがえ止めちゃってごめんなさい。ぼくたちには気にしないできがえてていいよ」

「はあ……。わかりました」

 

 結局なんだったんだという顔をしながらもおねえさんは着替えを再開しようとする。

 さあ、ここからがぼくの闘いだ――。

 

「……ああ、なるほど。ベル様は私が着替えるところを人に見られて大丈夫か心配してくださっているのですね」

「え?」

 

 そうしておねえさんが下のズボンも下ろそうとしていた時、ふと何かに気づいたように手を合わせてこちらを見てきた。

 

「それならば大丈夫です。こうすればいいですから」

 

 そう言うや否や、おねえさんの周りになにかの渦ができて、おねえさんを囲むように、風の壁ができていた。

 その壁の向こう側は、見えなくなっている。

 その渦は暫く回り続けているが、不思議なことに周りのものを巻き込んだりせずただただおねえさんを隠すことだけしていた。

 やがて渦が弱まり、だんだんと中が見えるようになると、着換え終わったおねえさんがこちらを向いて立っていた。

 

「以前会ったとある神に教わりました。確か女性が着替えているシーンは渦で隠して見えなくするのが様式美なんだと、熱く語られていたような。まあともかく着替える最中はこうやって周りに渦を発生させて見えなくするとその神はたいそう喜んでおられたので男性からすれば着替えはこうするのがよろしいのですよね」

「………………」

「いや、それ変身ヒロインものの変身シーン……」

 

 呆然とする僕を前におねえさんは自慢げにそう話す。

 それを聞いたおじいちゃんがなにか言っていたけれどもよくわからなかった。

 だけど一つだけわかったことがある気がする。

 ――おねえさんは、けっこう天然だ。

 

 あとおじいちゃん、よく考えたらやっぱりなにか間違っていた気がするよ

 そう心の中で呟きながら、僕はおねえさんのメイドさん姿を眺めていた。

 そんな僕を見てか、おねえさんはこちらに近寄ってくる。

 僕の目の前まで来たおねえさんは、そのままなめらかな動きで一礼して、改めてこう言ってきた。

 

「改めましてベル様。今日より私は貴方のものです。この身がどうなろうとも私は貴方に尽くすことを誓います。

その証としてベル様には私に名前をつけていただけないでしょうか?」

「え?おねえさんのなまえ?」

 

 そういえば、ぼくはまだおねえさんに名前を聞いていなかった。

 これから一緒に家で暮らすんだから名前は絶対に必要だ。

 だとしても名前をつけるって一体

 

「私は精霊です。そのためこの身には今まで名前がありませんでした。私の名前をつけるのは私と契約する人だと決めていたからです」

「な、なまえがないの!?」

「はい。以前暮らしていた村では仮の名前として偽りの名(フェイク)と呼ばれていましたが、本当の名前ではありませんでした。今回ベル様に全てを捧げる証として、名前を頂きたいのです」

 

 衝撃だった。

 精霊には生まれた時名前がないのだとか。

 誰かに名前をつけてもらい、その代わりにその人と契約を結ぶということが多いらしく、今回もそのとおりに僕がおねえさんに名前をつけなければいけないのだとか。

 でもいきなりそんな事言われてもぱっとすぐには思いつかない。

 なにか参考になるものでもあればいいんだけど。

 

 おねえさんを見てみる。

 何度見てもキレイな人だ。浮世離れした美しさというのはおねえさんのために作られた言葉なんだと言われても信じれしまいそうなほどに。

 でもそこから名前にできるかと言われると難しい。

 なにか体につけているものもないし、どうにもなぁ。

 う〜ん。困った。

 どうしようか。

 悩みに悩んで、それでもなにも出てこない。

 そもそもおねえさんと出会ってからまだほんの少しだけしか経っていないしなにか出てくるわけがない。

 記憶に残っているのだって天然なことと寂しそうだったこととちょっと変な人って言うことぐらいで、他には泣いていたことぐらいしか……

 

「あれ?」

 

 泣いていた。

 あの時おねえさんは僕にしがみついて泣いていたんだ。

 悲しそうだったけど、でもその後はなにかスッキリしたかのような晴れ晴れとした顔を浮かべていた。

 あれがおねえさんにとって僕のメイドさんになると決めたきっかけならばあの時こそが転機だったんだろう。

 だからあの涙こそが僕とおねえさんを結ぶ最初の思い出だ。

 

「……(ティア)

「え?」

「ティア、っていうなまえでいい?」

 

 僕とおねえさんとの最初の繋がり、二人が交わるきっかけとなった出来事。

 あの涙を名前にすれば、新しいおねえさんの始まりにぴったりなんじゃないだろうか。

 

「ティア、ティア――」

 

 おねえさんも、その言葉を口にして確かめていた。

 自分に染み込ませるように、僕らのつながりを確かめるように。

 そして少し伏せていた目を開け、彼女は僕の手を取った。

 

「私の名前はティア。今ここに貴方に全てを捧げることを誓います。どんな時も、どんな場所でも、貴方がいる場所が私の居場所です。全てをもって貴方、ベル様のお役に立てるよう努力いたします」

 

 光が生まれた。

 それは僕らをとりかこんで祝福する。

 温かく、柔らかな光がこの時を照らす。

 

「頂いた名に恥じない働きを約束します」

 

 そうやって僕に誓ってくれた彼女を、光が認める。

 

「まだぼくにはメイドさんはよくわからないけど、これからずっといっしょにいてくれる?」

 

 少しおねえさんの言っていることがわからないまま、情けなく笑う僕に光が呆れる。

 

「はい。ベル様が死ぬまで私の居場所はあなたのそばです」

 

 それでも彼女は僕に約束してくれた。だから。

 

「わかった。ありがとう! でもおねえさんもじぶんをだいじにしてね?」

 

 自分がどうなっても僕を助けてくれるという彼女に少しだけお願いをする。

 自分のことも大事にしてねと。

 それを聞いたおねえさんは、少し困ったように笑ったあと、受け入れてくれた。

 

「それが望みならば、必ず」

 

 光が僕らに吸い込まれていく。

 彼女との間に見えない繋がりが生まれた気がした。

 

 ――こうして、僕とおねえさんは契約を結ぶ。

 絵本にでてきた英雄達と同じように精霊と契約をした僕は、そのことでしばらく興奮してはしゃぎまわっていた。

 その僕を眺めているのはおねえさんとおじいちゃん。

 子供ながらに喜んでいる僕を微笑ましそうに見ている二人の眼差しが少し恥ずかしくて、僕は二人に背を向けた。

 そんな姿を笑うおねえさんとおじいちゃん、二人とともにこれから過ごしていく日々が、楽しみだ。

 そうやって二人に背を向けていた僕は、後ろを振り向いて、二人とともに笑った。




アァアアアアアアアアアアアアアアアア!?
文が下手!
すごい下手。もう嫌だ。下手すぎるよ。
誰かアドバイスをください。
文章力がなさすぎるんです。
お願いします。
頑張ってるけど難しいんです。どうすれば文章書くのが上手くなりますか?
ちなみに次回で多分ベルの幼少期は終わります。
そんじゃまた。
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