ダンジョンにメイドが居るのは間違っているだろうか   作:taimanman

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書き方を変えた。と思っているが実際に変わっているのだろうか?
あんま変わりなかったらどうしよ。
まあいっか。
それよりアンケート結果は皆の想像通り生存です。生存222死亡49
そんなことよりもアンケートでふざけてマスターネタ出したの誰も反応なくて寂しい。
まあいいけど。
次はなんのアンケート取ろう?
ま、とりま今回も書いたので見てってくださーい。


お金がやって来た!

「ギシャアッ」

「う〜ん。あんまり強くないなぁ……」

 

 ダンジョン7階層。

 ギルドで買っていた地図に沿って、ひたすら真っ直ぐ下への道を突き進み続けて今に至る。

 ダンジョンについて相談に乗ってくれるアドバイザーの人からは初心者のうちは先ず一二階層で経験を積んでいくように言われたけど、はっきり言ってまったく手応えが感じられなかった僕はそのままこの階層まで来ていたのだ。

 後で知られたら怒られるかもしれない。

 今頃になって少し冷や汗をかき出す。

 脳内でジトッとした視線を飛ばし続けてくるエルフの姿が浮かんだ。

 

「それにしてもこんなにモンスターが居ると後処理も大変だね」

「そうですね。地上のモンスターは魔石が小さかったので持ち運びやすいですがダンジョン産となるとたかがキラーアントでもそれなりに荷物を圧迫してますし」

「別に重たくはないんだけど……」

 

 大量の魔石は一個一個が小さくても複数集まればそれなりの大きさになる。その分持ってきている大きなバックパックの容量(スペース)も取るので、別段重さは感じないのだけど動きに制限がかかる。

 まあ今居る階層のモンスター位なら何も問題はないけど、これがもう少し深くなると万が一がでてくるかもしれない。

 

「一応は初日なわけだし、そろそろ帰ろっか」

「まだ余裕はありますが……、焦る必要もないですしね。わかりました」

 

 まだダンジョンという場所に慣れていない僕らは、念の為に余裕を持って初日の探索を終えることにした。

 初めてのダンジョンに興奮しもう少し潜っていたい気持ちはあるものの、流行ってはいけないと気持ちを切り替え元来た道を引き返す。

 初めての探索は、こうして呆気なく終わった。

 ……そう思っていた。

 

「ヴオォオオオ――」

「ん? 今なにか」

 

 帰り路、6階層までの正規ルートをティアとひたすらなぞり続けている際に、何かの音が聞こえた。

 

「ヴオォオオオオオオ――」

 

 それは段々と大きな音に変わっていく。

 閉鎖的なダンジョンの通路に反響している音は、遠くからでもよく通る。

 そのため少し離れた場所にいるであろうこの音の発生源の絶叫もよく聞こえ、その特徴的な声の色からそのモンスターの姿が脳裏に浮かび上がっていた。

 

「ヴモォオオオオオオオオオオオオッ!?」

「やっぱりミノタウロスだ」

 

 やがて現れたのは、やはりというか牛頭人体のモンスター、ミノタウロスだった。

 薄暗いダンジョンの通路を照らす淡い燐光に映し出されたその姿は圧巻で、盛り上がった筋肉に腕と足の先に付いた蹄、頭から湾曲して生えた先の鋭い二本の角はまさに物語に出てくる怪物と同じ姿をしていて、恐ろしい。

 禍々しさとかはない、けれど際立ったその全身の筋肉が僕と隣のティアに強烈な威圧感を放っていた。

 だけど。

 

「本当なら初めてのダンジョン探索中に七階層でミノタウロスと出会ったなんて不幸極まりない出来事なんだろうけど、僕らはちょっと普通じゃないんだ」

「ヴモ?」

 

 普通ならば泡を吹いて一目散に逃げ出すであろう現状、けれど何事もないかのようにその場に突っ立っている僕らを見てミノタウロスが首を傾げる。

 いつも浴びている視線や感情とは違ったものを向けられて、少々困惑していた。

 けれどそれも束の間、当然だけどすぐに立ち直ったミノタウロスは、僕目掛けて一直線に突撃して来た。

 

「なるべく大きな魔石だと良いんだけど」

「ヴモォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!?」

 

 差し迫った暴力に呑気なことを呟きながら待ち続ける僕。一見すればそのほとんどが僕の死を疑わなかっただろう。

 だけども、実際は違う。

 勢い良く向かってくるミノタウロスに一歩踏み出し、僕はナイフを取り出す。

 そしてゆったりと半歩分体を横にずらした。

 獲物が横をすり抜けた現実にその勢いを緩めようとしたミノタウロスが後ろを振り向く。その直後振り向いた勢いのまま右に向かって回転しながら、ミノタウロスは地面に倒れていった。

 その首筋には一筋の赤い線。

 僕がすれ違いざま付けたものだ。

 勢いよく突撃してくるのだからその体にナイフを添えればそれだけで自らの勢いに押されて刃筋はその体に深く沈んでいく。

 僕はミノタウロスに対してナイフを構えていただけだった。

 それだけで、今この牛のモンスターは倒れている。

 

「別に普通の冒険者なら今の攻撃でも倒せるかもしれないけどね、僕はちょっと違うんだ」

 

 今まで何度も死にそうな試練にぶち当たってきた。

 ある川の中で水棲型のモンスターとの戦闘。

 森の奥深くで力に溢れた猿型モンスターの群れと一人で激突。

 普段からおじさんやお義母さんを相手に鍛錬を続け、度々おじさんやお義母さん(主にお義母さん)から齎される無茶苦茶な試練を乗り越えてきた。

 挙句の果てには竜の谷にてドラゴンの群れと一人で闘わされたこともある。

 迷宮産とはいえ今頃ミノタウロスの一体二体ぐらいじゃどうともなるはずがなかった。

 ――だって鍛錬中のおじさんとお義母さん二人を一人で相手するときとこのミノタウロス一体を相手にするのとどっちが怖いかって言ったらねぇ。

 正直話にもならない。

 

「だけどミノタウロスの魔石ならそれなりの大きさ何じゃないのかな?」

「恐らくはそうでしょうね」

 

 けれどもその価値は別だ。

 ミノタウロスならば少なくともそこらへんの石ころみたいな大きさの魔石よりは大きなものを持っているはず。

 探索を終え帰還中の思わぬ収入に、思わず顔が緩む。

 どうしてミノタウロスがこんなところに居るのかは知らないけど、転がり込んできたお金に少し機嫌が上向きになった。

 

「ヴォオオオオオオ――」

「まだ居る!?」

「ベル様! 行きましょう!! 臨時収入です(お宝がやってきました)!!」

「うん!」

 

 また聞こえてきたあの声に思わず顔がそっちを向いてしまう。

 何故か増えてくれたミノタウロス(お金)に、僕とティアは勢いよく走っていった。

 

 

           *

 

 

「どこにっ」

 

 複雑なダンジョンの通路をひた走っていく。

 少女、アイズ・ヴァレンシュタインは今、普段はあまり変わらない顔を焦りの色に染めてダンジョンの7階層を駆け抜けていた。

 始まりは17階層でのこと。

 同じファミリアの仲間達と共にダンジョン深層へ遠征に行っていた帰りに、アイズ達はミノタウロスの群れと遭遇していた。

 信じられないほどの数の猛牛を前に、しかしその階層よりも遥か下層まで潜っている少女たちは手こずるはずもなく、一体、また一体とミノタウロス達は数を減らしていく。

 しかしそれが悪かった。

 そのあまりの実力差と殲滅速度に恐れを抱いたのか、群れの後方にいた一体のミノタウロスが突如後ろに振り返って全力で逃げ出したのだ。

 それに感化されるように次第と他のミノタウロス達も背中を見せて走り出していく。

 最終的には、生き残っていた全てのミノタウロス達が、アイズ達から逃げ出していた。

 

「ちょっと嘘でしょ!」

「てめえらモンスターだろ!?」

 

 その光景にアイズ達は大いに慌てた。

 なんせ彼女達ならば瞬きの間に数体まとめて屠りされる相手でも他の冒険者達にとっては別だ。

 これより上層にいる冒険者達は未だ低層に逗まっている低レベル帯の存在、とてもではないがミノタウロスの群れがまとめて突撃してきたならひとたまりもないだろう。

 自分達の過失で大勢の冒険者達を殺してしまったとなればとんでもない大失態だ。

 驚愕が解けるなり慌ててアイズ達は牛達の後ろ姿を追いかけた。

 

「――!!」

「ヴモォオ」

「オラァッ!」

「ヴヴゥ」

 

 そして今、ダンジョン8階層。

 追いかけてきたミノタウロスを殺して次はと目を辺りに向ける。

 しかし同僚の青年がとどめを刺したのを除いて、辺りにミノタウロスの姿はなかった。

 

「あと、五匹居るはず」

「来い! アイズ!」

「!」

 

 まだ逃した存在を討伐しきれていないアイズは次のミノタウロスがどこに居るのかと焦るが、そばに居た獣人の青年がその鼻を頼りに匂いを嗅ぎ分け己を呼んでくる姿に急いでついて行った。

 そして曲がった通路の先に二体のミノタウロスの姿を見つける。

 急いで追いかけていくものの、しかしその姿に追いつくことは叶わずミノタウロス達は更に上の階層に上がっていく。

 これ以上上に行ってしまえば確実に死者が生まれる。

 危機感と焦りを薪にアイズは全力で足を回し続けた。

 

 そして駆け上がった7階層、まだ見える牛の背中は通路の先で角を曲がる最中だった。

 あと少しと更にペースを上げ足を走らせる。

 しかし無情にもその先で声が上がった。

 

「あ! また来たよティア!」

「はい、急ぎましょう」

 

 人が居る。その事実に顔が真っ青になる。

 走り抜けて角を曲がった先に見た光景にアイズの頭の中が真っ白に染まった。

 誰か二人が、ミノタウロスのすぐ目の前に立っていた。

 

「逃げてっ!」

「チッ。走りやがれっ!!」

 

 隣の獣人の青年、ベート・ローガと共に視線の先の二人に叫ぶ。

 もう遅いと分かっていても叫ばずにはいられなかった。

 直ぐそこの二人にはしかしミノタウロス達の方が先に辿り着く。

 どれだけ全力で駆けたところで、魔法を発動させたところで、今更間に合う距離ではなかった。

 あと数十メートル足りないという事実にアイズの目の前が真っ黒になる。

 二人の実力は分からないものの、二人共ものすごく目立つ容姿をしている。

 真っ白な髪に深紅の瞳の少年と同じく白い髪に深い蒼色の瞳の少女。こんな容姿でこのオラリオで見たことも聞いたこともない以上はさして実力のある冒険者ではない筈であり、ミノタウロスをやり過ごせると期待することも難しかった。

 

「ヴモォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」

 

 そしてとうとうミノタウロスは二人にその豪腕を振るった。

 アイズの顔が自分が殴り飛ばされたかのような苦悶に歪む。

 だが……

 

「ヴォ?」

「ヴモォ?」

「え?」

「は?」

 

 その二人は立っていた。

 地に足をつけ、それぞれの得物であるナイフと直剣を振り切った体勢で止まっていた。

 すぐさま刃物を鞘に収める。その動作をしている間に、二人の後ろで二体のミノタウロスが床に沈んでいった。

 なんてことのないように、彼らはミノタウロスを倒していた。

 

「これで最後かな?」

「もう吠え声が聞こえないので恐らくはそうじゃないですか?」

「合計五体か〜。もうちょっと来てくれても良かったんだけどなぁ」

「まあこれだけでも最初にしては上出来でしょう」

「まっそうだよね」

 

 仲よさげに話す二人。

 そんな少年少女を前にして、アイズの脳内は混乱していた。

 意味がわからない。

 こんな見た目の二人は聞いたことが無い。

 これだけの強さであれば確実に有名になっているはずだ。

 推定レベルは恐らく共に3以上、下手をすれば第一級に届きうる実力を持っているかもしれない。

 にもかかわらずアイズはこんな二人の話はオラリオにいて一度も聞いたことがなかった。

 ありえない存在。

 しかし二人は今目の前に確かに居る。

 この正体不明の二人に驚き、しかしだからアイズの脳内を困惑に陥れているのかと問われればそうではない。

 アイズは、アイズには今どうしても信じられないことが起きていた。

 しかし嘘だろうと幾ら思っても目の前にはその事実があった。

 アイズは、ただひたすらに目を見開いて二人を、正確には片方の少女だけを見つめていた。

 彼女からは、己と同じ気配が感じられる。

 

「精、霊」

「!?」

 

 思わず口から漏れる。その言葉に反応した少女が、勢いよくアイズの方を向いてきた。

 

「どうして」

「なるほど、あなたからは同じ気配がします。ですが、少し違いますね。……これは、混ざっている?」

「!?」

 

 今度はアイズが驚く番だった。

 それを知っているのは自分とその保護者的な立ち位置にある四人だけ。つまり今ほんの少しの間だけで、それが暴かれてしまったということ。

 やはり彼女は精霊で間違いない、そう判断したアイズが詳しく話を聞こうとする。

 

「あなたは……」

「おい」

 

 しかし、隣りにいたベートが後ろを振り返ってアイズに呼びかける。

 

「もう糞牛はいねえんだ。さっさと戻んぞ」

「あっ」

「ぼさっとしてんな!」

「…………」

 

 すごく名残惜しい。

 けれど自分が帰らなければ仲間たちが帰るのが遅れてしまう。

 非常に後ろ髪を引かれながら、アイズはその場を去ることにした。

 

「あの、ミノタウロスを逃がしてしまってごめんなさい。それと、倒してくれてありがとうございます。また今度お詫びをさせてください」

 

 最後にそう言って、アイズは戻っていく青年の後を追いかけていった。

 

 ――この出会いが、後にどのような結果をもたらすのか、今はまだ神ですら、誰も知らなかった。




ミノはあくまでお金です。
だって考えてくださいよ。何時もあの二人にぼこされ、色んな危機を投げつけられ、ドラゴンの群れすら壊滅させることになったベルが負けると思うかい?
現在の実力はベルがLv.3上位ぐらいでティアがLv.5ぐらい。ただし精霊の力使い出したらブースト。
アイズ初登場。
の癖に今までずっとタグに出していました。
今日やっと出てきてほっとしています。詐欺にならなくて良かった。
えっ?アミッド?
……なにそれ僕知らない。
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