全知のシュラハトとかいうエグい魔族の兄のような立場に生まれてしまった 作:ポポビッチ磯野
記者『10巻の領主マハトの悪友関係に感極まってえちちだった全知さんの情緒を乱したかった、などと供述しており現在独房にて執筆した作品がこちらです』
地獄のようなノンストップ連勤がやっと終わった。
社員証をかざして、警備員さんに会釈をしめでたく退勤!!!
死に体へムチを打ちながら、酔っ払いと残業組溢れかえるホームになんとかたどり着くとざわついてうるさい終電に乗り込み、最寄り駅から10分以上歩きやっと我が家(賃貸)がみえた
もう築20年以上だけど今日はとっても素敵なマイホーム(賃貸)に見えるよ♡
そして階段を上がり、ポストから水道修理のマグネットをとって鍵を差し込むと
さっと身を滑り込ませ、防犯のためにしっかり二重に鍵をしてチェーンを通すとやっと一息つけた。
「ただいまぁ〜…」
リーマン狩りなんてもはや死語だろうが最近は何かと物騒だからな用心することに越したことはないだろう
それにこんなにクタクタではあるが気持ちは上がりまくっている
なにせ明日から少し早い夏休みになるからだ!
少し奮発して、ひとり旅なのに新幹線なんかに乗ってブラブラ何泊も旅館を巡る。
そんな計画は半年前から準備してて、有給の承諾とったり上司部下に色々根回しして仕事片付けて…うっ……俺頑張ったよ…!!!
涙を堪えながら、スマホを我慢しつつ簡単にカップスープとレンチンご飯と昨日の餃子で食事
寝落ちたら事なのでシャワーで風呂を済ませ、3分パックでスキンケアをしたら
アラームをしっかり確認してベットに潜り込む
1時には全部済ませて横になれたから俺超スーパーめちゃんこえらいわ。
でもいつもよりも早く横になったからか体が落ち着かない気がする
(興奮で目が冴えた?いやもう少ししたら眠くなるはずだ)
ようやく落ち着いたのかやってきた眠気に身を任せながら
準備したデカいキャリーケースを横目に、明日から始まる夏休みにニヤつきながら眠りについたはずだった
ーーーーふと意識が浮上して、目を覚ますと森のようなものが広がっていた
ぐるりと周囲を見回すと角の生えた子供が一人、空にはまんまるお月様、少しだけひんやりとする風が髪の毛を揺らす
「は?」
全く訳が分からない状況に俺はどうして子供に角が生えてるんだ?とかなんか俺も小さくない?とかなになに期の子供かァ!!と心にノ○住んでる人種だからか色々ツッコミを入れてしまう
いやまあよく、はないけどとにかく眠る前の事を思い出そう
①まず、ベットで寝たはずなのにいきなり屋外
②しかも人の手が入ってなさそうな山中と……
うーん安直であるが夢としか思えないんだよなぁ、だって寝たし俺。
いやもしかすれば、よく聞く異世界転生ってやつかもしれないが
(まあそれはこの夢が醒めて、ベットにいなかったら考えることだな)
ため息をつきながらがしがしと頭をかいて、気持ちを切替えてちらりと横を見る。
どっから見ても角が生えてる子供だな?
(しかも全裸かぁ〜)
ん〜しっかりありますね〜!
あ?!ってことは俺もかな?いやここは俺の夢(仮)だからそうじゃないと信じたいけど、ーーーーわぁい全裸だよねぇ!
頼む、尊厳のため全裸は嫌だ全裸は嫌だ……!せめて、せめてパンツとかシャツとかズボン!!!
強い祈りが聞き届けられたのか、ふっと体から何かが抜けるような感覚がしたあと、頭に重みが現れて目を開ける
「や、ヤッター!服だ!」
わさわさと地面に転がる服を集めて身につける
パンツとシャツ(なぜかキャラもの)とスボン(なぜか短パン)ではあったがこれで人間になった気がするな!
(…まあシャツくらいは着せるか)
パンツはわからん、自然派だと可哀想だからデカ目のシャツをワンピースみたいに着てもらう
デカい角が大丈夫なように、肩にプチプチ着いてる服!と念じればまた少し抜けた感覚の後服が現れる
「ちょっと触れるけどいいか?」
「……」
おっと無視か?それとも耳が聞こえてない?まあとりあえず着せちゃうか、無言は承諾ってことで。
「よし!」
服を着せたあとちょっとひと息して適当に散策しようとなったが、ただ夢の中とはいえ子供をこんな何も無い森の中で放っておくことは出来ないよなぁと、声をかけた
「なあ君、ここがどこかわかるかい?」
「……」
隣の子供は反応を示すどころか俺と目すら合わない、声掛けたの2回目なのにこれってやっぱり無視?いやまあ確かに俺たち初対面だし仕方ないけど。
「なら少し歩こう、手を握ってもいいか?」
またこれにも反応がなかったが一応確認はしたので手を取って歩き出す。
そっと後ろを横目で見れば、反抗もせず手を引かれるまま歩く。
(うーん、)
精神的には子供を誘拐する感じってこんな風なのかなと思ってしまい罪悪感というか、ちょっと気分が悪くなった。
そうして何回か日が登り沈んで、お月様が出てを繰り返し、一緒に過ごすが分かったことといえば、
結構な山に俺たちと化け物?と動物くらいしか居ないってことと
子供はよくわからないが日がなぼーっとしててあまり反応がないこと
子供に関してはたまに休憩しながら、そいつに果物や魚、獣肉食べさせたり水を飲ませたりした。
(ちゃんと火は通してあるし、火はライター欲しいなーと思ったら指先から出てきたから夢の中って便利だよな)
「好き嫌いするなよ」
「……」
焼いた魚と木の実を手に持たせてやると、木の実を捨てようとしたため一応釘を指しておく。
どうやら木の実よりも魚とか肉のほうが好みらしい
するとビミョーにだが若干雰囲気が曇ったようで不満そうにしているのが少しだけわかった。
ずっと見てるからか、体からでてる雰囲気でちょっと感情が読めるようになってきたのは良かった。
空気読んで生きてた新入社員の経験が活かされたよ。
しかし依然として目は合わず、声も聞けないまま深い瞳がずっと遠くを見ていた。
その姿に不気味という感情よりも先になんとなく、いつか妹が見せに来てくれた赤ん坊のような、無垢なままなんだと俺は思った。
まあ赤ん坊より随分大人しい感情表現ではあるが、それでも見分けられるようになったんだからな!
そう思うと余計に世話を焼いてしまうし、目が離せなくて、段々可愛いなとも思い始めていた。
「もーほら口元汚れてるぞ」
「……」
とまぁしばらくこんな感じで世話を焼いてると、やぁっと反応を示してくれるようになったのだ!
俺が声掛けたら手を出してくれるし、デッカイ化け物が近くにいると腕を引いて立ち止まったり隠れたりする。
ま、声は聞けないしまだ目を合わせてくれないけど!!!!!!!!!
そんなことも気にならないくらいに嬉しいし、俺の“弟”可愛いがすぎるな!(悟り)
……とはいえ少し油断しちまったみたいだ
「ッは……悪い、お前がせっかく教えてくれたのに…」
己よりも何倍も大きく恐ろしい化け物に、不意打ちをくらってしまった。
多分下はダメだ脚から先の感覚がない。
一瞬だったからひどい痛みは無いがダラダラと流れている感覚はあるし、恐ろしくて視線を下げることが出来ない。
ーーーでも、でもまだ意識を失う訳にはいかない。
今ならアドレナリンが出てて無茶だっていくらでもってな。
(この化け物が俺につられている間に弟を逃がさないと)
俺が兄ちゃんなんだからこいつを守らないといけないんだ。
丸呑みにしてやろうと口を開けた化け物から、弟を背に庇うように必死に立とうとする。
「グルァァ!!!」
「ーーーーー失せろ」
ジュッと焼き切れるような音がして、化け物が一瞬で塵になった。
奴がいた所にはもう何も無い、まるで最初からいなかったように。
これを俺の弟がやったと、不思議と驚きや恐怖はなかった何故かと言われれば、日に日に強くなる気配を感じとっていたからかもしれない。
小物?いやもっと小さいモンスター?みたいなのは近くにすら寄ってこなかったというのもあるか。
「…っよくやったな、流石おれの、弟だ……」
「何故」
敵がいなくなったため俺は踏ん張ることやめてそのまま地面に倒れる、火照った体には地面の冷たさがちょうどよく感じた
そして動けなくなった俺に、初めて目が合った弟がじっと見下ろし問いかけてくる
「何故、お前は私を弟などと呼び、代わりに負傷した?」
「え、そこ?……っまあ、きっと俺が兄ちゃんだからだ、体が……勝手に動いた…」
もう助からないことは分かってるし、上手く口が動かなくて、話すのも辛いが弟が初めて俺に口を聞いたんだ
しっかり答えてやらなきゃいけない。
「では、何故お前の未来は見えない?百年先の未来も観測できると言うのにお前の未来だけは全く見えない上に、お前の動きで未来が揺らぐ」
何故?まだ幼さが残る顔で小首を傾げられると、この可愛さにまるで誘惑されてる気がする。
ハッいかん、今はシリアスな場面だった
「……俺の夢、だからじゃ答えにならないか?」
「ーーーー理由はわからないということか」
バッサリ切り捨てられてしまったが、事実なんだけどな?とおかしくてちょっと笑いながら同時に納得していた。
やっとわかったこいつがずっと遠くを見ていたのは、未来と世界を視ていたんだ。
だから言動が大人びていて、俺という不安要素があったから今まで話さなかったんだろう。
聡い子だ、それくらい警戒心を持ってた方が生き残れるだろ、これから成長が見れないのが悲しいくらいだ。
ちょいちょいと手招きをすると特に疑うことも無く近付いてくる。
可愛いやつめ、まあほぼ下半身ないし、死にかけのやつに警戒する必要もないと思うけどさあ
精一杯の笑顔と力を振り絞って、頭を撫でてやると少しだけ未来を見通す瞳が揺らいだ
「俺の弟、この先そばに居てやれなくて…っごめんな…でもお前なら大丈夫だ……」
魔力と鼓動が弱くなり、ぽとりと太ももに落ちた手が急速に温度をなくしていく
ジリジリと体が消失していく光景に、思わず手を伸ばし、その塵を掴んで閉じ込めてしまいたいと思った。
(この感情は、)
「ーーーーわからない、」
この時、掴もうとした感情は魔族にとって理解するために永い時間と命を使ってもわかるかも分からないモノだと彼は知っていたが、それでも“兄”というものに興味をもった瞬間だった。
《人物紹介》
兄と名乗ってるモノ
今回魔物に生まれてしまい、魔物の体に人間の感性があるという地獄展開になってしまった。
しかしそれを知ってるのは全知さんだけで済んだのである意味幸運だった。
元一般的な男性で独身、ちょっと社畜気味ではあるが
時々熱を上げて推したりするライトなオタクなため推し事の為に金を稼げるタイプ
今回はなんとかSAN値チェックは免れた
妹は怖いけど大切だし、甥っ子はかわいいしってなれば面倒見ちゃうよね〜!!
弟って呼ばれてた後の全知のシュラハトさん
生まれた時はきっと魔法制御難しくてピャッって見えちゃったり情報整理とかもしてただろうから、しばらく無言だったけど
よく見たらなんかこいつ変じゃね…?こわとなって黙ってた
なのに世話を焼かれるし、頭撫でられるしでよくわからなくなった
この感情を知ることは無駄に等しいとわかるけど、兄って名乗ったアイツには興味を引かれてる。
《あとがきとあいさつ》
皆様本当にお久しぶりです、初めましての方はどうも、ポポビッチ磯野です。
葬送のフリーレンが面白すぎて検索したのに一件もなかったので※むしゃくしゃして久しぶりすぎる小説にひーこらしながら書き上げました!
けど一部が素っ気ななすぎる文章になってるんですが、なんか、いい感じに脳内補正でお願いします!
これでも肉付けされた方なんですよ??ほんとですよ。
多分あとから加筆修正がはいると思いますが、一旦投げちゃいます
だって煮詰まったし!仕事あって眠すぎるから!だはは
まあなんでもいいんです、このお話が皆様の暇つぶしになればと思います。
※1件もないどころかあるやろがいって話なんですが、多分支部にはオリ主ものは無かった記憶あるので、その記憶とごっちゃになった可能性
失礼いたしました。