アリアが森に入ってすぐのこと。突然、森の木々がいくらか拓けている場所に出た。その一帯には木がない代わりに、地面には幾つもの大きな花のつぼみが膨らみかけていた。
『ここは……?』
「あ! もしかしてここって!?」
アリア達は不思議に思いながらもその場所へ足を踏み入れる。するとその中心には、およそ掌大の大きな花が一輪だけ咲いているのが分かった。
「やっぱりそうだわ。こんな花、少し前までこの森には咲いていなかったはず。それに大きすぎる…」
『どうやらこれもモンスターのようだな。霧の原因とは思えんが…』
そう呟くと二人は顔を見合わせ、お互いに覚悟を決めた表情をする。そしてブレスレットをそこへ向け、封印してしまおうとした。
だがその時だった。
「きゃあ!」
封印を逃れようとするかのように、花のモンスター ――フローラルが茎から飛び立ち、アリアの周囲を飛び回り始めた。
『アリア!』
その声に、すぐにブレスレットを向けようとするアリアだったが、その行く手からはすぐに花は逃れていき、なかなか封印してしまうことができない。
逆に無数の花びらや花粉が花からは舞い上がり、アリアへ襲いかかる。
「くっ……邪魔しないで、おとなしく封印されなさい!」
アリアは風魔法を使って加速し、飛来する花びらから飛び退いた。だが、それでも花粉を完全に避けきることはできず、腕にかすってしまう。かすった部分はぴりぴりとした感覚があり、軽いしびれが襲ってきた。
(これじゃ近づけない……。でも、このまま放っておいたら森中に広がるかもしれ
ない!そうなったら村にまで被害が出るかも)
そう思ったアリアはこの場を打開すべく、カードを一枚取り出す。
「行って、スライム!」
繰り出したのは植物性のものを主な餌としているスライム。当然、攻撃能力に劣る植物性モンスターにとってはこのような小さなスライム一体でも十分な脅威になり得た。
アリアの指示を受けたスライムはその体を変形させながら素早く花が元いた茎の根元へと向かっていく。そして無防備なそこに食らいつこうとした。
それに反応してフローラルも花びらのカッターや花粉で追い払おうとするも、粘体のスライムには効果が薄く、逆に取り込まれて食われていく。効果が出ていないのを感じ取ったのか、その場にとどまってよりいっそうの攻撃を行い始めたフローラル。
だがそうなっては、元々強力とは言えないモンスター。アリアによってあっという間に封印されてしまった。
「やったね! これでもう大丈夫かな?」
『ああ。これで残ったつぼみも枯れていくだろう』
「よかったぁ~」
アリアはほっと息をついた。
コモン:【ゾンビ】【スライム】【ホーンラビット】【ゴブリン】
アンコモン:【スケルトン】【グリムリッパー】 New→【フローラル】
レア:【スノージャイアント】
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