リコベル・アクションズ   作:ライダーGX

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第10話

とある一室、夕陽の日差しを浴びる中で、1人の男がタブレット端末でウォールナットの死ぬ様子を見ていた。

それを見ていたのはあの吉松シンジだった。

 

「良く撮れてるね…、いい仕事だ。それより彼の側に居るのは護衛か?」

 

『え? 殺した方が良かったですか…?』

 

吉松はパソコン画面で電話回線で誰かと話していた相手、それはロボ太。彼が吉松と話している。

 

「いや、それはいい。先月からの依頼はこれで完全に終わりだ、長期間お疲れ様、その内…また頼むよ」

 

『へ!日本最高のハッカーとなったこのロボ太にご用命とあらば、いつでもまた…それでは』

 

ロボ太はそう言って電話回線を切り吉松は夕陽に身体を向けながら言う。

 

「どんな時でも必ず仕事を成し遂げる…、良い感じだよロボ太君。道具らしくてね…」

 

吉松はそれを言った後、タブレット端末を手に取り、ウォールナットのそばに居る千束と零士の画像を見る。

そして彼は零士を指でさすりながら呟く。

 

「少年よ…、君は千束の何なんだ?」

 

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

 

そして同時刻、夕陽が徐々に暗くなり、皆が帰宅する頃、一台の救急車が走っている。

車両の中で零士と大雅、千束とたきなは死んだウォールナットの遺体を見つめる。

 

護衛対象を死なせてしまった事に何も言えない千束とたきな、零士と大雅はそれをただ見つめる事しかなった。

 

ちなみに彼らのバイクと車はクリーナーに頼んで、リコリコの裏に運んで貰うよう手配した。

 

そうしないと行けない感じがしたからである。

 

たきなは千束に小さく謝る。

 

「すいません…」

 

「たきなのせいじゃない」

 

千束はそれを否定し、たきなはそれに黙り込む。

そして零士は腕時計の時刻を見て、ウォールナットの遺体に向けて言う。

 

「そろそろ()()()()も良いんじゃないか?」

 

()()も頃合いだろ」

 

「「え?」」

 

千束とたきなは零士と大雅の言う言葉に意味が分からずだったが、その時、ウォールナットの遺体が動き出し、着ぐるみの被り物を外した。

 

「ぷはーっ!」

 

「ええっ!?」

 

着ぐるみから出て来たのは何とミズキ、突然の事に千束とたきなは驚き、ミズキは汗だくになりながら言う。

 

「あっつー!ビール頂戴!」

 

「はい、どうぞっす」

 

っと救急隊員の1人がビールを差し出し、それをミズキが受け取りビールを開ける。

そんな中で千束は慌てていた。

 

「え!?み!ミズキ!?どどど!どう言う!」

 

「落ち着け千束」

 

「ちゃんと説明するよ」

 

「ええーー!?先生!?それに雄哉君も!?」

 

「それにあなたは鞍馬さん!?」

 

千束とたきなは救急隊員の全員が知り合い、リコリコの店長のミカ、そしてリリベルの雄哉に圭介である事に驚きを隠せなかった。

 

「ゴクッ!ゴクッ!ゴクッ! かあー!美味いわ! あっ、これ防弾。血が出る仕組みのね、マジクソ重いけど」

 

ミズキは今着ている着ぐるみを叩くと、血が噴き出し、そう言う仕組みであること事を見せる。

するとたきなが気になる事を問う。

 

「あの、本物のウォールナットは何処に?」

 

「そうだよ!一体どこにいるの!?」

 

「すぐ近くにいる、そうだろう?」

 

『その通りだ』

 

っと零士の言葉にウォールナットは千束とたきなは驚き、置いてあったスーツケースが開いた。

 

「追ってから逃げ切る一番の手段は死んだと思わせる事、そうすればそれ以上捜索されない」

 

スーツケースから出て来たのはまだ幼い少女ぐらいの子、VRゴーグルをしている様子で、それで外の様子を見ていた。

 

「まさか…わざと撃たれたんですか!?」

 

たきなはあの行動を見て、偽装工作だと言う事を問う。

 

「そうだ、そうじゃないとテロリストとハッカーはあまりにもしつこいから。それにこれはミカ店長のアイディアだそうだよ」

 

その問いに雄哉が答え、ビールを飲んでいたミズキは何故か残念そうだった。

 

「あ~あ、最後はハリウッド並の大爆発を用意してたのに、無駄なったか」

 

「そうなると回収するこっちの身にもなって欲しいっすね」

 

「まあ早く終わって、良かったじゃないか」

 

ミカと圭介がそう言う中で、ゴーグルを外した少女が零士達を見る。

 

「想定外にもきちんと対処して、見事だった。流石はリリベルとリコリスだな」

 

「すっごい偉そうな口調っすね。この子」

 

「チビ助、お前は黙ってろ」

 

言葉をこぼす圭介の問いに、雄哉が黙らせる。

っがその際に戸惑っている千束が問う。

 

「ちょ!ちょっと待って!色々聞きたい事があるけど! つまりその…予定通りで、誰も死んでいない…て事?」

 

「そうよ~、この子めっちゃ金払い良いから命掛けちゃった♪」

 

「ダメっすよミズキさん! 軽く命かけちゃ!」

 

圭介がミズキの言葉に慌てて訂正する中、千束が無事である事にホッと胸をなでおろす。

 

「はぁ~良かった皆無事で~…心配したよ~!」

 

「おわっ!?」

 

っと千束は少女に抱き着き、それに驚く少女。

その様子に零士と大雅は薄っすら笑みを浮かばせる。そして雄哉が零士と大雅に問う。

 

「零士、大雅。お前等は薄々気づいていた様だが、何処で気付いたんだ?」

 

「え? 零士達もグルなんじゃないの?」

 

「違うよ。俺達だって細かい事は聞かされてない、ましてやおやっさんや雄哉達まで絡んでいたなんてな」

 

っとその言葉に千束は勿論、たきなも振り向き、それに零士と大雅は答える。

更にその続きを言う。

 

「それに気付いたのは車の運転と、あの建物内での事だ。なんだか妙に運転が上手い感じだし、それにウォールナットから酒臭い感じがしたんだよ」

 

「ミズキ特徴である、アル中の特徴がな」

 

「ほぼ最初っからじゃねえか!?」

 

そう零士達の問いにツッコミを入れるミズキ、その際にたきなは何やら考え事をしていた事に誰も気づかなかった。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そして夜の喫茶リコリコの営業時、零士達は今回協力してくれた雄哉達にコーヒーを奢り、ミカは特性団子を作ってる中で、未だに千束は膨れていた。

 

「いい加減機嫌直したらどうだ?」

 

「事前に話してくれても良かったんじゃないですかね?」

 

「だってあんた芝居下手だし、これは零士達も言える事だけど。むしろたきなと自然なリアクションをして貰った方が良いじゃない、ほら~こう言うの♪」

 

っとミズキは千束に変な泣き顔を撮ったスマホ画面を見せ、それに千束は目を大きく開いて驚く。

 

「あ、ああ~!ちょ何撮ってんの!」

 

千束は慌ててミズキの所に行き、スマホを取り上げようとするも、ミズキは持ち前の身長を生かして届かない位置に移動する。

 

「凄い画像だったな」

 

「ああ、凄い画像だった」

 

「あんまり見ない方が良いって言うが」

 

「これは無理っすね」

 

千束の泣き顔画像にただ唖然とする零士達、だがそんな時だった。

 

「やっぱり“命大事”って方針、無理がありませんか?」

 

たきなの発する言葉に千束は勿論、零士達もそれに振り向き、たきなを見る。

 

「あの時、皆で行動を共にしてれば今回の結果にはならなかった筈です」

 

「でもそうするとあたしが困るんのよね~」

 

ミズキの言う通り、もしあの場で皆で動いていたら、今回の偽装作戦は失敗に終わっていた。

ウォールナットは文字通り本当に殺される。

 

それだけは避ける必要があった。

 

「目の前で人が死ぬのほっとけないでしょう?」

 

「私達リコリスは殺人が許可されています! 敵の心配なんて…」

 

千束の言う言葉に反論するかのようにたきなは言う。

 

だがそれを千束は両手を合わせながら言う。

 

「あの人達は今回は敵だっただけ。誰も死ななかったのは良かった良かった」

 

「そう言う話し無いと思います…」

 

どうも千束の言葉に納得が行かないたきな、だがそれはもう1人もそうだった。

 

「あのー千束先輩」

 

「ん?何チビ助君」

 

千束に問いかけたのは、圭介だった。圭介は気なっている事を千束に問う。

 

「俺はまだそんなに知らないんすけど、どうして千束先輩はそんなに命を大事にするんすか?」

 

「……」

 

その言葉に千束は何故か言葉が止まり、それには零士が言う。

 

「チビ助。下手に問いかけるのはやめろ」

 

「え?何でですか」

 

「どうしてもだ。いいな?」

 

零士のその目線に圭介は思わず言葉が止まり、それに頷く。

雄哉は零士に「すまない」と謝り、ミカが出来上がった特性団子を千束に渡す。

 

「ほらほら皆もうやめろ。私達も騙すような作戦を立てて悪かった」

 

「あ~、先生甘い物で買収するつもり~?」

 

「おいおい、そんな事言うと俺が貰うぞ?」

 

っと零士が千束の特性団子を取ろうとする。

それを慌てて千束は止める。

 

「ああ~!ごめんごめん!貰うから!」

 

「心配しなくても、零士達の分もある。今回はお前たちも悪かったな、それとよく頑張った」

 

それに零士達の特性団子を置いて、それを零士達は思わず見る。

 

「おっ?太っ腹ですな~おやっさん」

 

「ゴチになります♪」

 

「いただきます」

 

「ありがとうございますっす!」

 

零士達は特性団子を受け取ると同時に千束はたきなに頼みを言う。

 

「たきな、座敷に差布団引いてて」

 

「はい」

 

「おいおい、相変わらず切り替え早いな」

 

零士がそう言うと同時に零士と大雅は特性団子を座敷の方に向かう。

するとたきなが押し入れから座布団を取り出した際に、上の方に少女が居て、凄いスパコン並みの機械があった。

 

零士と大雅が驚くと同時に千束が来て、たきなが押し入れを閉めた瞬間、零士達は押し入れに押し掛ける。

 

「おいおい!今何か居たぞ!?」

 

「おい開けろって!」

 

「この~!!」

 

零士達が必死に開けようとしている中、雄哉達がたきなの側に来て見る。

 

「どうした?」

 

「分かりません」

 

たきなはそう答えた瞬間、押し入れが急に開き、開けようとしていた零士達は倒れる。

中で少女が抑えていて、手を放したのだ。

 

そこへミズキが声を掛ける。

 

「うちで暫く匿ってくれって、あんまり騒ぐんじゃないよ?」

 

そう言うと、店に誰かが来店してきた。

来店して来たのは吉松だった。

 

「やあいらっしゃい。また来てくれたか」

 

「君のおはぎが恋しくなってな」

 

「最近よく来てくれるな。忙しいんじゃないのか?」

 

「ようやく仕事が一段落してね。掃除に手間取ってね、リスの様にすばしっこい奴だったよ」

 

吉松が言ったのと同時にまた誰かが来店してきたのだ。

 

「よう!ミカちゃん! 元気にしとるか?」

 

「おお、これは正十郎さん」

 

何と来店してきたのは高橋正十郎だった、意外な人物の来店に一瞬吉松が見て、また目線を戻す。

 

「今日は抹茶ラテを飲みに来たんじゃよ」

 

「それはそれは、ではすぐに入れますね」

 

「頼む。おや?見かけない者じゃの? つい最近来たんか?」

 

「ええまあ」

 

っと何やらすぐに馴染んでいる正十郎と吉松。

 

 

 

一方零士達は少女の元に集まっていた。

 

「それで君、ここに住むの?」

 

「お前たちの仕事を手伝う条件に、言っとくけど格安なんだからな」

 

「よーし、それじゃあこの男を探してくれ」

 

零士はスマホ画面で銃取引の画面を見せる。

天才ハッカーウォールナットならば出来る筈、それを見た少女はそのスマホ画面にアクセスし、画像を取って解析を始める。

 

「画像の保存は完了…、後は何とかするか」

 

「なら時間を掛けて…だな」

 

「今日から仲間ね。名前は?」

 

千束がその事を聞くと、少女は当たり前に名前を言う。

 

「ウォール…」

 

「待て待て、その名前は言うな。別の名前はあるだろう?」

 

「…クルミ」

 

「おほほほ!日本語になっただけじゃん!」

 

千束は思わず少女…、クルミに抱き着きながら言い、それには零士達は呆れつつも笑みを浮かべている。

そんな中でたきながツインテールの1つのヘアバンドを取り、それを輪ゴムピストルの様にし、千束に狙いを定めていた。

 

っとそれを圭介は気づいて問う。

 

「え?何してるんすか? たきなちゃん」

 

「「「「え?」」」」

 

零士達が振り向いたと同時に、たきなが輪ゴムピストルを撃ち、ヘアバンドが千束に向かう。

だがそれを千束は瞬時にかわして、かわしたヘアバンドを零士がクルミに当たる瞬間にキャッチする。

 

「…え?」

 

「え?」

 

「「ええ~…」」

 

っとなんとも気まずい感じになってしまったと言うのは、言うまでもなかった。

 

 

 

 

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