とある高級バー、そのバーはVIPのみが入店出来る店で、そのバーではミカと吉松シンジが居たのだ。
「シンジ、何故帰って来た?」
「ミカに会いたかったからさ」
「からかうんじゃない。お前の目的は千束だろう?」
ミカの言葉を聞いたシンジは鼻で少しだけ笑った後、グラスに入ったウイスキーを少しだけ飲んで言う。
「…私を覚えていなかったな」
「あの時一度見ただけだ、無理はない…」
そう言ってミカはウイスキーを飲み、そして彼が気にしていた事を言う。
「シンジ…何故会いに行ってやらない? 千束はずっとお前を探していたんだぞ」
ミカは千束の恩人がシンジである事を知りながらもそれを言うと、シンジはこう言った。
「…“アラン機関”は支援した対象に接触する事は禁じている。話しただろう?」
「それだと矛盾しているじゃないか、それなら店にだって来なくてもいいだろう」
「フッ、私に消えろと…?」
「それは…」
彼の言葉にミカは少しだけ言葉が詰まってしまう、吉松シンジはアラン機関の人間、対象者に会うことは出来ない事はミカは知らない筈はない。
何せ彼等は千束に内緒で会っているのだから。
それを言われたら何も言えないミカ。
するとシンジはミカにある事を聞く。
「ミカ…私と交わした約束、守れているか?」
「…勿論だ」
「いいぞ…。天才は神からのギフトだ…必ず世界に届けなくてはならない、たぐいまれな…殺しの天才をな…」
シンジのその言葉にミカは少しだけ重苦しい表情をする。
千束の才能…、それはこの世にはあってはならない殺しの才能と言う物、それを聞くとミカはまたしても胸が苦しくなった。
するとシンジが別の事を言い出した。
「ミカ、少しだけ気になる事がある」
「…なんだ?」
「千束と一緒にいた彼…、新藤零士君だったかな? …彼は千束の何なんだ?」
「零士…?」
その事を聞いたミカは思わずシンジの方を見る。
シンジは何故零士の事を聞いて来たのか分からず、その事に少し言葉が止まってしまう。
「…すまないシンジ、零士の事はあまり話す事は出来ない」
「そうか…、分かったもういい。すまなかったな」
シンジはそう言って謝り、ウイスキーを飲みながら考える。
「(新藤零士…、君はアラン機関の支援もないのにどうしてそれほどの才能を持っている。……少しばかり興味が湧いたな)」
零士の事にシンジが興味を示した事に、この時は零士は知る由もなかった。
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零士達が集合場所だった駅、その場所では緑髪しバサバサした髪型をした男【真島】が地下鉄内に入って行く、同時に真島の背後から何人か男が現れ、そして駅のホームに数名の男が何人かいて、大きなバックを持って真島の前に置く。
そして真島は顔を少し上げて鼻で回りの空気を吸い込み、吐き出した後こう言った。
「すぅ~…はぁ~…、匂うな~。貯金された、脅迫された、健全で不健康な嘘の臭いだ~…バランスを取らなくっちゃな!!」
そう言った後真島は大きなバックからある物を開くと、その中に入っていたのは『ロシア製 汎用機関銃 PKM』が入っていた。
真島がPKMを取ろうとした時に、背後から何者かが現れる。
「わりぃ…遅れた」
「あ?」
真島は振り向くと、金髪の髪色をした少年がフード付きのコートを着ながらフードを被り、更にブーツの音を鳴らしながら近寄る。
それに真島はその少年の方を見ながら言う。
「遅ぇよ…、何道草してんだよ」
「そう言うな、ちょっくらムカつく奴を“アンバランス”しに行ってたんだよ」
「何がアンバランスだよ…、バランスを悪くするな」
「何言ってる。俺がアンバランスした状態をお前のバランスで整えるんだよ…」
「ハッ! 言ってくれるじゃねぇか…!」
真島はそう言ってPKMを取り、その少年が近くの男に指示をし、アサルトライフルを寄こす。
真島の部下がアサルトライフル【AKM】か【AK74】を渡して来て、その少年はAKMを受け取り、マガジンを確認した後初弾を装填させてチャンバーに弾送る。
そして零士達がショッピングモールから出て来た際に、周囲に違和感を感じた。
周りにはベージュの制服を着た男女が数名居て、それを見た零士達は呟く。
「リリベル…」
「それにリコリス…」
「なんだか多いですね…」
「妙だな…」
零士達がそれに違和感を感じていると。
「零士? それに大雅もか?」
「あれ?千束先輩にたきなちゃん?」
突然零士達に声を掛けられ、その方向に零士達は振り向くと、そこには雄哉と圭介、更にエリカとヒバナが居た。
「たきな…その格好は?」
「これは私服って言う奴です」
たきながエリカにそう答える中、零士と大雅は雄哉と圭介の元に行き、事情を問う。
「おい雄哉、圭介。一体何が起きてるんだ?」
「こんだけのリリベルやリコリスが配置されてるのおかしいぞ?」
「…今回の作戦は話せないんだ、すまない…だがこれが終わったら説明する」
「え?でも雄哉君…そんなことしたら」
「高橋さんはそんな事気にしないさ」
エリカが雄哉に言う中で、雄哉の言葉に零士と大雅は思わず釣られる。
「え?高橋さんが?」
「なんで高橋さんが出て来るんだよ?」
「だからそれは今度説明するって、今はお前等は動かない方が良い。私服を着ている時はリリベルやリコリスじゃないからな」
そう言い残して雄哉達は圭介たちを連れて何処かに行き、それを見た零士達はただ顔を合わせるだけであった。
そして地下鉄のホームでは、部下が電車が来たのを合図を送り、真島と少年は立ち上がる。
「来たぞ…始まり、始まり…始まり~♪」
「構えろ…」
少年の言葉に部下達は銃を構え、電車来たと同時に…。
「フフフ…ふあはははははは……ハッ!!!」
真島がPKMを撃ち、それに釣られる様に部下達もアサルトライフルを撃ちまくり、少年もAKMを撃ちまくる。
彼等からの銃撃により電車は穴だらけとなり、真島はそれに興奮している中、その少年だけは何故か違和感を感じている。
そして真島達は銃を撃つのをやめ、穴だらけになった電車を見る、ドアが開くと誰も居ない無人の電車だった。
「…あ?」
「っ! 避けろ!!」
少年が言った言葉と同時に部下の1人が撃たれ、電車を見ると、ベージュ色のリリベルやリコリス数名が拳銃とSMGを構えていた。
「ヤバッ…!」
リリベルやリコリスは攻撃を始め、部下は次々と撃たれてしまい、真島はその攻撃を被弾しながらも逃げる。
一方少年の方はと言うと、銃撃を軽々と躱して、AKMを手放した後、脇の懐からある銃を取り出した。その銃の名は【マテバオートリボルバー】。
マテバを取り出した少年はまず1発を近くのリコリスの方に向けて撃ち、それによりリコリスは肩を撃たれてしまい、それを見たリリベルが言う。
「カバー!!」
数名のリリベルとリコリスが撃たれたリコリスの元に集まり、防御態勢と入る。
その間に真島が柱の裏に隠れ、あるリモコンを取り出す。
「そうか…!お前等か!!」
真島はそう言ってリモコンのスイッチを押すと、柱が爆発し、それにリリベルとリコリス達は巻き込まれてしまう。
同時に真島と少年は咄嗟に違うホームに退避して、その爆破から逃れる。
そしてその爆発が地上にまで達し、入り口は爆風で飛び、近くに市民たちは驚いた。
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零士達が帰宅しようとした際、待ち合わせ場所の駅が封鎖されて、警察も居る事にたきなは見て。
「あれ…、何かあったんでしょうか!」
たきなが現場に向かおうとした際、千束がそれを止めて、たきなが千束の方を見る。
「私服で銃を出すと警察に捕まるよ? 制服を着てない時はリコリスじゃないからね。今日は帰ろう、戦利品もあるしさ」
「そうだな。それに雄哉達が後日話してくれるみたいだしな、たきな、今日は帰るぞ」
千束が買い物袋を見せながら言って、大雅がたきなにそう言う。
たきなは少々納得しないものの、今持っている物を見て、仕方なく帰り始め、千束も同じように帰り始める。
零士と大雅は爆破された駅を見て、千束とたきなの後を追いかけるのだった。
そして翌日、零士達がリコリコで営業していると…。
「キャアアアアアアアアアア!!ハレンチイイイイイイイイイイイイ!!!」
突如ミズキの大きな声がこだまし、準備をしていた零士と大雅は向かうと、ミズキが千束の首を絞めながら問い詰めていた。
「アンタ昨日零士の家に泊まったな!!?その男物のパンツが何よりの証拠だああああ!!」
「違う違う違う!!! って言うかミズキだって知ってるでしょ!!零士と大雅は一緒に住んでるって!!」
その様子を見て、零士と大雅はため息を吐く、どうやらミズキは千束はたきなのパンツを処分している時、興味本位でそのパンツを履いたのだ。その様子をミズキに見られてしまった。
「未だに男が出来ない私へと当てつけか!!この野郎おおおおおッ!!!」
「聞けよ~~~!!! っ!たきな!たきなのだから!!」
っと零士と大雅は横を見ると、たきながすぐそこに居て、それを見たミズキが勢いでやって来て、たきなのスカートを上げて見た。
零士と大雅は咄嗟に後ろを振り向き、たきなのあれを見たミズキは言う。
「可愛いじゃねぇか」
「いやだからそれを昨日買いに行って、え、あ、ちょい何処へ」
千束が何処かに行くミズキに言うと、ミズキはホールで大声で叫ぶ。
「皆さーん!この店に裏切り者と嘘つき野郎が居ますわよーーー!」
「うわあああああ!!!やめろやめろやめろおおおおおお!!!」
「はいお披露目~!」
千束がミズキを止めようとしたが、逆に掴まってミズキにトランクスを見せびらかせてしまった。
その様子に零士と大雅はため息を吐く中で、たきなは真っ赤な果実の様に顔を赤くして固まっていた。
するとたきなが零士と大雅の方を見て言う。
「…み、見ました…か?」
「見てねぇよ」
「そうだな…。こっちとしてはちょっと見たいが」
「っ!不潔です!!」
ドゴッ!!
「ぐほっ!」
小声で言ったにも関わらず、たきなには聞こえていたらしく、たきなの横蹴りを喰らってしまった大雅、それにより蹴られた所を押さえる。
零士はその様子をただ苦笑いするしかなく、ホールの方を見て、ミズキやクルミにもてあそばれている千束に少しだけ笑うのであった。
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そして別の場所、真島と少年は地下鉄から無事生き延びていた。
「いつつ…また俺だけ生き延びちまった」
「その運だけはいいな」
「ヘッ、ありがとうよ…。くくく…あれがこの国のバランスを崩している奴等か…面白い」
真島が笑っている中で少年は引っ掛かりを感じていて、それに気付いた真島が問う。
「ん? おい…何考えてんだよ?」
「…リリベルとリコリス、俺の記憶ではあいつ等は敬遠の中だった筈だが…」
「はっ? 何だと…」
『へぇ~、リリベルとリコリスの事を知っている奴がいるんだな?』
っと真島と少年とは別の声がするのを聞いて、2人は探す。
『ここだ此処』
「あ?」
真島がスマホの方を見ると、ブリキの被り物をした人物、ロボ太が画面に現れる。
「何だお前?」
『よう…お前が真島だな? それとお前もな。俺はロボ太、今後お前たちをサポートする世界最高のハッカーがお前たちに──』
ロボ太が説明する中で、真島がスマホの通話を切り、それにロボ太は驚く。
「切れた!? おい!おい!!」
ロボ太の事には興味もない真島はスマホを回す。
「へっ…お前、あいつ等の事を知ってるならもっと情報を寄こしな。それだとバランスが悪いぜ」
「悪いな、アンバランス過ぎたか…、良いぜ…なら始めようぜ」
「ああ、始まりの時がな」
少年と真島は旧電波塔を見ながらそう言う。
そして後にこの少年が零士と大雅の最大の敵として、最悪の過去を思い出させるのだった。