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第22話
喫茶リコリコは本日も平和、しかし世間ではあのニュースが話題を呼んでいた。
「おっ、このニュースまだやってるぞ」
例の地下鉄の脱線事故、その事故は余りにも悲劇的な事故だったらしく、話題を呼んでいたらしい、だが本来は違う、これはDAがテロリスト達を殲滅する為に偽装映像を流している。
「この社長は知らないんだろうな~…」
クルミはそう言ってせんべいをかじりながら言う。
っとその際クルミは店の中に誰かが居ない事に気付く。
「おい、そう言えば零士と大雅はどうしたんだ?」
クルミの言葉に千束が厨房から顔を出してくる。
「零士と大雅? あの2人なら雄哉君達の所に行ってるよ~」
「なんでも前回のあの事件について聞きに行っているみたいで」
千束とたきながその問いに答え、それに納得するクルミだった。
そして零士と大雅は雄哉達が集まっている秘密の隠れ家に集まっていて、そこで零士と大雅は雄哉から前回の作戦を聞いていた。
「「リコベル!? それもリリベルとリコリスの混合部隊!?」」
「ああそうだ。それも総司令官はあの高橋さんでな、リリベルとリコリスの中から選別された者達がリコベルに配属になったんだ」
「はい、それにその中にはあのフキ先輩等が入っているらしく。俺達もその中に入ってるっス」
雄哉と圭介の言葉を聞いた零士と大雅は思わず顔を合わせる。あの聖十郎がそんな計画を立てていたとは驚きであった、もう引退している筈の人がそこまでやれるなんて思ってもいなかった。
ましてや組織を結成する程の資金を何処から調達かまだ分からないのに、あの聖十郎はそれを容易に出来ている。
本当に凄い人だと零士と大雅はそう思った。
「そうそう、近い将来お前等や千束達にもその部隊に招集掛ける事があるかもだから。その辺は心に入れといてくれ」
「俺達がか?」
「雄哉…忘れてないか? 俺達はリコリコでかなり忙しいし、別の仕事もある。それにリコベルってDAの関係組織だ、千束がまず嫌がって行きたがらないし、たきなの例の件もあるから無理だぞ?」
大雅が招集の事を聞いて、零士がその説明をした後、雄哉達がそれを頷きながら言う。
「分かっている、だが零士と大雅が思っている様な組織じゃない。前回はテロリストを誘い出す為に戦ったが、普段はテロリストを捕まえ、犯罪を未然に防ぐ…何時もと変わらないやり方だ…」
「なる程、高橋流のやり方って訳ね」
「まあ理解した。だがあのたきな兎も角、千束は引き受けてくれるかどうかだ…」
零士と大雅は少し気がかりがあった、たきなは問題ないが千束は殺しを絶対にしない者、その事を考えると参加は難しいだろう。
すると雄哉達がこんな事を言い出した。
「心配ない、その事に付いては高橋さんはミカさんに話し合っているらしい」
「え?高橋さんがおやっさんに?」
「あり得ないだろう。あのおやっさんと話し合ってるって」
その言葉にどうも腑に落ちない零士と大雅であった。
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「はいはい~皆さん注目! 今回の依頼内容を説明しよう!とっても楽しいお仕事ですよ~!」
夜、リコリコのホールで千束が何故かウキウキ状態な感じでタブレット端末を持って皆に叫んでいた。
その様子に零士と大雅はたきなに問う。
「おい、こいつどうしたんだよ?」
「こんなウキウキ状態久々に見たぞ」
「知りません、私は初めてなので。それよりミズキさんが説明しないのですか? 私…もう読みましたけど」
「今回やたら乗り気なのよ…」
お座敷に座っているたきなとミズキは既に内容を読んでいて、ミズキはつまらなそうにしている。
「ちょいちょいちょい!ちょい!! そこ!私語はしない!そしてそこのリス! ゲームしてない?」
「聞いてるよー…」
2階でVRゲームをしているクルミは、ゲームをしながらも返事をする。
「そして零士!大雅!私とたきな、そしてクルミにチョコレートパフェを作って!」
「おい…」
「なんでお前はそうなんだ…」
その事に少しばかり呆れる零士と大雅。
「こら千束、説明の時にそれを頼むのは駄目ぞ」
「ハーイ♪」
ミカに注意されながらも、千束は返事した後小さく咳払いをした。
「えーと、依頼人は72歳男性日本人、過去に妻子を何者かに殺害され、自分も命を狙われた為に、長らくアメリカに避難していた。現在は…筋…き、き…筋」
「筋萎縮性側索硬化症」
千束が読みずらそうにしている所をクルミが変わりに言い、それに零士と大雅は納得する。
「ALSね~」
「そりゃあキツイな」
「自分では動けないのでは?」
「そう!去年余命宣告を受けた事で、最後に故郷の日本、それも東京を見て回りたいって!」
「観光…ですか?」
たきながそれを聞いて呟く。
「泣ける話でしょう~? それで~まだ命を狙われている可能性がある為、BodyGuardします!」
「なる程ね…」
「ボディガード…か、千束の好きそうな仕事だな。そう思わねぇか?おやっさん」
「そうだな…」
ミカはそう呟き、たきなは気になる事を問う。
「何故狙われているのですか?」
「それがさっぱりなのよ…、大企業の重役だって敵が多すぎるのよ…。その分報酬がたっぷりだから」
「だがいきなり戻って来てすぐ狙われるって事は無いだろう」
「確かに日本に来てすぐ狙われるとは思えないけどね、行く場所はこっち任せるらしいから、私がバッチリ!プランを考えるから!」
「旅のしおりでも作ろうか?」
「それだ!」
千束がフィンガースナップをしながらクルミのアイデアをすぐに採用する。
すぐさま準備をする千束達に対し、零士と大雅はミカに詰め寄る。
「おやっさん、少しいい?」
「ん?どうした?」
零士と大雅に呼ばれたミカ、一度外に出て誰も聞いていない事を確認した後、零士と大雅はミカにあの事を聞く。
「おやっさん、実はこの間雄哉達から聞いたんだけど、リコベルが結成されてその中に俺達や千束達が加わるって話は本当か?」
「俺達は別に構わないけど、問題は千束とたきなだ。千束は殺しを嫌がるし、たきなのあの件をまだ持っている奴等もいるんだ。それをどうして…?」
「ああ…聞いたのか。…私も最初は反対したさ…、聖十郎さんからこう言われたんだ…“これは千束ちゃんとたきなちゃんの為だ”っとな」
「千束とたきなの…?」
「どういう事だよ?」
零士と大雅は聖十郎の言葉を聞いて、思わず首を傾げる。
一体それの何処が千束とたきなの為に繋がるのかが理解出来ないからだ。
「どうも聖十郎さんは近い将来高橋派リリベルとリコリスはこれまでにない窮地に立たされる事になると聖十郎さんは言っている。あの人の予言は必ず当たるからな、それを踏まえて千束とたきなにリコベルの席を置くようにと言われたんだ。
まあ結果的に私はお前たちだけじゃなく、あの子達を危険な場所に送り出す事になってしまったのは言うまでもないがね…」
「おやっさん、それが理由ならば仕方ねぇよ」
「そうだよ。それに千束にしっかりと説明したら必ず納得してもらえるさ」
「…すまない、2人共」
ミカは零士と大雅に感謝しながら謝り、今から店内に戻り、しおり作りに取り掛かるのだった。