リコリコの押し入れでミカとクルミが零士達が依頼人である松下を護衛している様子をPCでモニタリング中である。
その中でクルミが千束の様子を見ながら言う。
「それにしてもあれだけ動いて全く問題のない人工心臓か…。DAの技術部門のサーバーをのぞきたいな」
「…調べても無駄だ。あれはDAの技術じゃない」
「へえ~…、じゃあこれか?」
クルミは千束の胸元を拡大させると、そこには銅色のフクロウのチャームが映し出される。
それを見たクルミは口角を上げながら言う。
「噂のアラン機関…、その技術って所か」
「…君に秘密は通用しない様だな…」
「まあな、だがアランチルドレンには使命が与えられる筈…。千束の使命って何だ?」
「それは千束が決める事だ」
クルミはその事をミカの方に向きながら問うが、ミカはそれをはぐらかすかのように言う。
「ふぅ~ん…、まあいいか。千束も興味深いものだが、この2人も興味深いけどな」
するとクルミは千束から遠くから見ている零士と大雅の映像に切り替え、彼等の様子を窺う。
「この2人…今までの仕事ぶりから見て千束以上の運動能力や射撃能力もかなりのものだ。普通の人間じゃあない、ミカ…この2人は一体何者なんだ?」
「…生憎、零士と大雅の事は私も知らない。知っているのは聖十郎さんだけだ…」
「あの爺さんか? やはりリリベル関係って事か」
「そうなる…」
「わしの事が何じゃって?」
っと別の人物の声にミカとクルミが別の方向を向くと、別の襖から正十郎が現れる。
「せ!正十郎さん!!」
「いきなり出て来るな!!」
「ガーハッハッハッハ!すまんすまん! なんせ鍵が開いておったからノックしたんじゃが、聞こえんかったか?」
正十郎の言葉にミカは思わずしまったとした表情をする。店の戸締りをするのを忘れてしまった事に…。
「全く…わしだったからいいものの、他の奴等だったら大変じゃぞ?気を付けるのじゃな」
「…申し訳ありません」
「丁度いい、ボクはあんたに聞きたい事があったんだ」
「ん?わしにか? 一体なんじゃ」
正十郎はクルミに聞きたい事があると聞かれ、クルミの方を見ると、クルミは零士と大雅の画像を正十郎に見せながら言う。
「この2人の身体能力…、千束の身体能力を上回る程だ。人工心臓の状態で…、なのに零士と大雅はそれがない状態でこれだ。一体この2人はどうなってるんだ?」
「……それを聞くか」
正十郎は少し困った様子になりつつも、重い口を開かせる。
「……あの2人は最初はDAが見つけたんじゃない。ある機関から譲り受けたんじゃ」
「譲り受けた…?」
「その事は私も初めてですが」
「当たり前じゃ、あいつ等は噂のアラン機関でもない。あいつ等は…アラン機関とは違う機関…【
「「テスタメント機関?」」
ミカとクルミは正十郎から聞いたその機関の名に首を傾げる。2人が全く知らない機関が正十郎からの聞かされたのだから。
「テスタメント機関はアラン機関以上に謎に包まれた組織。このわしでもその名しか知らん、下手に調べん事じゃ、じゃないと…」
正十郎は左目を触り始め、そして左目の眼球を取ってミカ達に見せる。
「この様な結末になる」
「正十郎さん…!」
「左目は義眼と言う事か…(そうは言ってもボクは無知が嫌いなんだ。必ず調べてやる)」
クルミが心の奥底でそう思った時にPCの映像にある人物が映し出される。
それをクルミが調べて、ミカと正十郎に伝える。
「おい、お客さんだぞ」
「誰だ?」
「こいつだ」
映像に黒髪のロン毛の男性をした人物がバイクに乗って千束達の後を追いかけている様子が映し出される。
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「サイレント・ジン?」
『ああ、凄腕の殺し屋だそうだ』
クルミから零士と大雅、そして千束とたきなに通信で追跡している人物の事を伝える。
『ジン?』
「ん?おやっさん知ってるのか?」
『昔警備会社で共に仕事をしていた。私がリコリスの訓練教官としてスカウトされる前の事だ』
「昔のおやっさんの仕事仲間か…。んでどう言う人物?」
大雅がサイレント・ジンの事をミカに問う。
『本物だ。直接声を聞いた事は無いが…』
『なら素早く終わらせるのが手っ取り早いぞ』
「あれ?高橋さん?」
『あれ?おじいちゃんがどうして?』
『丁度店に用があっての。それよりもじゃ、零士に大雅。お前さん等でそのサイレント・ジンを黙らせて来い。丁度その近くには雄哉達が居る、そいつ等と連携して対処するんじゃ』
正十郎の言葉に零士と大雅は思わず顔を合わせる、この近くに雄哉達が居る事が余りにも都合がよすぎるのではと思うくらいだ。
だがそんな事を考えている余裕はない。
「分かった高橋さん、そのように動く。行くか」
「ああ、今回はリボルバーは使えないからこいつを使おう」
そう言って零士と大雅はホルスターからある銃を取り出す。
零士と大雅が取り出したのはベレッタ90-Tow コンバットカスタムとH&K USPマッチ シューターカスタムだ。
この2つはサプレッサー装備と相性が良く、零士のベレッタ90-Towはグリップをフィンガーグリップにしている。
更に大雅のUSPマッチはマガジンをカスタムしている為、装弾数は15発から17発に増えている。
零士と大雅はベレッタとUSPを確認した後、サイレント・ジンが居る場所へと向かう。
サイレント・ジンは千束達の行動を見張っている中で、ジンはこちらに向かって来る2人組の気配を感じ取る。
それは零士と大雅の事だ、ジンはその行動を察知して別の場所へと移動し始める。
だがその行動は零士と大雅も同じだった。
「零士」
「ああ、奴が移動したのを感じた。どうやら危機感知が相当優れてるな」
「零士!大雅!」
零士と大雅の背後に雄哉と圭介がやって来る。
「さっき高橋さんから連絡を受けた。お前等の依頼に謎の殺し屋が来ているみたいだな?」
「ああ、今からそいつを黙らせに行く。雄哉と圭介はなるべく気配を消しつつ向かってくれ、俺達はこのまま向かう」
「ええっ!?先輩達何言ってるんすか!相手は殺し屋っすよ!?」
「だからだよ。俺等はそこ辺の奴等とは違うってのを見せつけてやるんだよ」
そう言って零士と大雅は隠れながらジンの元に向かい、残された雄哉と圭介は顔を合わせる。
「先輩…どうしますか?」
「仕方ない…零士達の言う通りにしよう。一応付近にいるエリカやヒバナに連絡を入れろ、なるべく姿を消してこちらに向かえってな」
「了解っす!」
圭介はそう言って無線機でエリカたちに連絡を入れ始め、雄哉は警戒しつつ圭介の連絡が終えるのを待ち、その後気配を消しつつジンの元に向かうのだった。
此処から徐々に零士と大雅の出身元が明らかになります。
正直に言ってDAやアラン機関よりも凄いです。