第43話
千束のマンションに雷前と真島の2人がやって来て、千束は自分のセーフハウスを捨てざる負えなくなった。しかしその代わりに住む場所は零士と大雅の家にセーフハウスに住むことになった。
その後リコリコをお休みにした零士達は、千束とたきなを連れて山岸さんの所にやって来た。
零士達は大雅のランエボに乗ってきて、駐車場に止めて山岸さんの病院に入る。
そして千束が零士と大雅に言う。
「それじゃあ2人共、一応ここで待ってて。此処からさきはたきなと一緒に行くから」
「何かあったらすぐに連絡を入れますので」
「分かった」
「なるべく早く済ませろよ?」
零士と大雅は一応外に出て、ランエボの中に戻り、千束とたきなは山岸の病院内に入る。
しかしこの時に千束とたきなに異変が起きることなど、零士と大雅は知るよしもなかった。
一方その頃、リコベルの本部では、正十郎が何やら資料を読んでいて、それを読み終えた後、御子を呼ぶ。
「御子ちゃん」
「はい…」
御子は陰から姿を現し、正十郎の前に立つ。正十郎は資料をデスクの上に置いて、御子にある命令を下す。
「御子ちゃん…少しばかり零士達の周りを探ってほしい。何やら嫌な予感がする」
「嫌な予感…ですか?」
「うむ、ワシの勘違いであってほしいのだが、どうも今日はそんな感じがしてならんのじゃ。もしかしたら零士達の身に何かがあるに違いない、頼めんか?」
「分かりました、早急に向かいます」
そう言って御子はその場からすぐに消えていき、残った正十郎は椅子にもたれながら考える。
「(…ミカちゃんからの報告によれば、突如現れたテスタメント機関の刺客…そして雷前と真島が千束ちゃんのマンションに襲来…。これが
そう考える正十郎だったが、その考えは更に悪い方向に進むことをまだ知らなかった。
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一方その頃千束とたきなは病室に入っていた。本来ならたきなは病室の外で待っている筈だが、千束が駄々こねると思って、一緒に病室に入っているのだ。
その予感は的中し、千束は駄々こねていた。
「う~~~!ねえ!もう終わった!?終わったよね!?」
「千束、五月蠅いですよ。もう少し静かにして下さい」
「だって~!今日山岸さんって聞いていたのに、違う人じゃない!?」
千束は今注射を受けている人が山岸ではなく、別の人物である事に不満を持っていた、それにたきなは問う。
「今日は山岸さんではないんですね?」
「はい、山岸さんは急遽用事が出来てしまって、私が行う事になりました」
そう言って注射を終えると、千束は安堵する。
「はぁ…良かった~、さあ!次の…」
すると千束の意識は失い、その場に倒れてしまい、それにたきなは驚く。
「千束!!?」
たきなが駆け寄ろうとした時に、その看護師がたきなの首にある注射器を打ち込み、それによりたきなは気絶してしまった。
その看護師の正体は、吉松の側近である姫蒲だった。
姫蒲はたきなを検査台の上に寝かし、千束を別の場所へと連れて行くのであった。
だがその時、扉が開いて彼女の前に数名の男が現れる。
「っ!あなた達は…」
「失礼、我々はテスタメント機関の者です。その者も一緒に連れてきてほしいのです」
「…何故?」
「零士と大雅をおびき寄せる為です、どうか…」
姫蒲はテスタメント機関の言葉に少しばかり疑問を思うところがあるが、テスタメント機関にはテスタメント機関の考えがあるのと悟る。
「…分かりました、ですが私はこの子を抱えているため無理があります、出来ればそちらにもお手伝いをお願いしたいと…」
「分かりました」
そう言って男の1人がたきなを連れて行き、姫蒲の後ろに付いていくのであった。
そして零士と大雅は車の中で待っていたが、時間が掛かり過ぎている事に少しばかり疑問を思っていた。
「…いくらなんでも時間が掛かり過ぎないか?」
「ああ…、まあたきなもいるから大丈夫だろう。飲み物を買おうぜ」
「ああ」
そう言って2人は車から降りて、病院の中に入り、自販機の前に立つ。零士と大雅が互いに財布を取り出した時だった。
ゴトッ…。
自販機の横の扉が少しだけ空いていて、少しばかり物音がした。
それを聞いた零士と大雅は振り向き、その扉の中を見る。
するとその中には口元を縛られ、手足を拘束された山岸が居たのだ。
それを見た零士と大雅はすぐに駆け寄り、口元の拘束を解く。
「山岸さん!」
「どうしたんですか!?」
「あんた等!すぐに千束達の所に行って! 彼女が危ない!!」
その言葉を聞いた零士と大雅はそれに頷き、一応山岸の手の拘束を解いた後、2人はパイソンとM686を持って千束達の所に向かう。
そして千束が行われている検査室に入ると、そこには誰もいなかった。
2人は各部屋を探したが、千束とたきなの姿は何処にもなかった。
「千束!何処に要るんだ!?」
「最後はオペ室か…、こんな所にはいないと思うが」
零士と大雅は最後にオペ室の所に来て、入ると同時に銃を構える。すると千束とたきなが台の上に載せられていて、そこには姫蒲とテスタメント機関の者達が居た。
「来たか、零士、大雅」
「お前等は…!?」
「テスタメント機関か!? 千束とたきなをどうするつもりだ!?」
「この女たちは我々には関係ないが、お前達をおびき寄せる為に利用するつもりだったが、まさか自ら来るとはな」
テスタメント機関達の言葉を聞いた零士と大雅は、少しばかり苛立ちを覚えながら銃を構える。すると姫蒲が…。
「動かないでもらえますか? この者の心臓を破壊する事が出来るんですよ? それとこの者の頭も吹き飛ばすことも出来ますよ」
っと姫蒲が銃をたきなの方に向け、最後に千束の胸の中心部に電気ショックを与える装置が取り付けられていた。
それを見た零士と大雅は歯を噛みしめ、銃を下すのだった。
零士は姫蒲を見ながら言う。
「千束をどうするつもりだ」
「貴方には関係御座いません」
「うるせぇ!!今している時点で大有りだろうが!!」
「黙って貰おう、そしてお前達にはこれを打って貰う」
っとテスタメント機関が零士と大雅にある注射器を投げ渡し、それを零士と大雅はキャッチする。
「何だよこれ?」
「これを打ってどうするつもりだ?」
「早くしろ。さもないとこの者達の命はないぞ」
そう言ってテスタメント機関は銃を取り出し、たきなの頭に銃を突きつける。
零士と大雅はそれを見て時間がないと確信し、悔しながらもその注射器を腕に向けて打つ。
「「っ!?」」
すると何かが零士と大雅の中に入り込んでいき、それに零士と大雅は思わず片膝をつく。
「(何だ…!?)」
「(急に力が…!?)」
「よし、これで終わりだ」
そう言ってテスタメント機関はたきなから零士と大雅の方に銃を向け、零士と大雅に頭に銃を突きつけ、引き金を引こうとした。
するとその時だった。
ピュピュン!!
「ぐぁ!!」
「グホォ!!!」
サプレッサーの射撃音が鳴り、テスタメント機関の2人の頭に風穴が空いて、その場で死ぬ。
姫蒲もそれに驚いて、天井の端っこを見ると、何者かが陰から現れ、忍びの服装をしていて、更に現代的な装備をしながら銃を構える御子が居た。
「くっ!!」
姫蒲は御子に銃を向けるも、御子はそれをすぐに撃ち、姫蒲の銃を撃ち落とす。
それに状況不利となったと確信し、姫蒲はすぐにその場から離脱する為、窓を突き破り、その場から逃げ去るのだった。
御子はそれを追いかけようとせず、零士と大雅に駆け寄り、すぐにテスタメント機関の男達の服の中を探り、2つの注射器を見つけ、零士と大雅の首に打ち込む。
それにより急激に抜けた力が戻り、それにより零士と大雅は御子の方を見る。
「御子さん…!」
「どうして?」
「正十郎様から零士様達の安全確保を命じられました。それよりも千束様達の容態を…」
っとその事を聞いた零士と大雅はすぐに千束とたきなの方に駆け寄り、千束とたきなの容態を確認する。
だがこの時零士と大雅は知らなかった。千束の人工心臓は既にやられてしまった事に…。
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