【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ   作:ラットマンΣ

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魔皇

 閉じられていた瞳がゆっくりと開く。

 現れた蒼い瞳は氷の様に冷たく、全てを飲み込む様に深く光はない。

 そして魔皇は突き刺さった大剣を手に取る。

 瞬間、溢れ出る殺気の波で汗が溢れる。

 

「皆んな、戦闘準備!」

 

「「「言われなくても分かってる!」」」

 

 全員が刺す様な殺気に対して戦闘態勢を取る。

 ……これが魔皇ッ! 

 人類を……この星を脅かす大災害! 

 身体の震えが止まらない。

 けど! 

 戦うしか選択肢はない! 

 

「行くぞ! 魔皇! 私達は貴様を倒し、世界に平和をもたらすもの! 今ここで貴様を終わらせる!」

 

「——————」

 

 しかし魔皇は何も発さない。

 ただ、玉座の前で私達を待ち受けるだけだ。

 ならば……

 

「勇者アリス! いざゆかん!」

 

 こちらから攻めるのみ! 

 私は正面から魔皇に向かって突撃する。

 

「身体強化魔法!」

 

「二大聖女クレア、シズハよ勇者アリスに力を!」

 

 ジニスとレストによる強化で威力は充分、脚に力を入れ一瞬にして魔皇の懐に入る。

 そして神速の十六の斬撃を放つ。

 しかし……

 

「全部ガードされた?!」

 

 魔皇はただゆっくりと大剣を盾にして攻撃をガードしていた。

 そして、反撃がやってくる。

 魔皇は大剣を持ち上げ力一杯振り下ろしてきた。

 聖剣でガードするがそれでも守り切れない! 

 たまらず、後ろに飛び回避する。

 だがこれで良い。

 私達のパーティーにはもう一人頼れるアタッカーがいるのだから! 

 魔皇の死角からフェロウが大鎌で切り裂く。

 魔皇は背中から出血し膝をつく。

 

「ナイス、フェロウ!」

 

「アリスの陽動あってこそだ。だが、まだ足りないらしい」

 

 魔皇は大剣を杖代わりにし立ち上がる。

 カァン、と言う鉄の音が響くと同時に私達の身体に無数の切り傷が生まれる。

 

「なっ?!」

 

 切り傷から一気に出血が始まる。

 このままじゃまずい。

 とにかくレストを守りながら戦わなくてはいけない! 

 

「陣形を変えます! レスト! 皆んなをお願いします!」

 

 レストの奇蹟による治療を少しでも長引かせるために私は魔皇に再び正面から突貫する。

 魔皇は大剣でこちらへと切り掛かるが、遅い。

 大剣の太刀筋を避け魔皇へと近づいていく。

 一歩、また一歩と無限に思える様な歩みを進め再び魔皇の懐に入り込む。

 今度の斬撃は一点集中! 

 例えガードされようと態勢ぐらいは崩すはず! 

 そこに賭ける! 

 思惑通り魔皇は大剣でガードをした。

 だが、十六の連撃の前に少し後ろに体制を崩す。

 ならば! 

 私はさらに連撃を続ける。

 次第に魔皇は耐性が保てなくなり、床に倒れ込む。

 あぁ……これで最後だ! 

 

「星神剣ノーデンスよ光を!」

 

 その言葉を鍵としノーデンスが光り輝く。

 そのまま全身全霊で魔皇の体を貫いた。

 

「馬鹿な! 我が魔皇!」

 

 千貌道化が近づいてくる。

 流石に出血のしすぎだ、一旦距離を取り後方で待機していたレストに治療してもらう。

 

「ああ……ああ……()()()()()()()()()!」

 

 瞬間身体中が怖気立つ。

 千貌道化は恍惚の表情を浮かべ、魔皇の死体を踏み荒らす。

 

「長い、長い道のりでした……ですがこれで我が父は蘇る! この世界すらも飲み込んで! ふふふ、ははは、あははは!!!」

 

 瞬間、一閃の斬撃が輝いた。

 

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