【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ 作:ラットマンΣ
現実改変の魔法に対するカウンター……無いことはない、があまりにも滅茶苦茶で無謀だ。
師匠の『
だが、この方法には問題が二つがある。
一つ、魔力消費の多さ。
『
持って十分が限界だ。
そして二つ目、これは推測の域を出ないが、もし魔皇が同じことをできるとしたら?
現実改変の重ね合いになり圧倒的に俺たちが不利だ。
魔皇は
つまりは改変可能回数自体は問題じゃないが、自滅の時間を早めてしまう。
自滅しちまえばチクタクマンの思う壺だ。
アリスにはなんとかするって言ったが流石に厳しいぜ、コレは……
「一旦、視るか」
瞳を閉じ、『
そうして見えた未来は……
◇◆◇
「ありがとう!愚かな人類!」
狂気じみた笑顔を浮かべるチクタクマン、その姿が少しずつ変わっていく。
「あれが……
その姿は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎
みるな、しるな、にんしきするな……
「
◇◆◇
瞳を開く。
……あぁ……失敗した、失敗した!失敗した!
視ちまった!
クソが!そんな罠アリかよ!!!
事象の確定なんて生優しい、あれは未来に必ず現れる!
俺たちは……俺たちは最初から詰んでたんだ……
混乱が止まらない。
俺はなんてことを……
「ジニス!」
アリスの呼ぶ声で少し冷静になる。
「ジニス、どうしたの?!」
「すまねぇ……俺のせいだ……もう何も意味がないんだ……」
そう、意味がない。
魔皇を倒しても、倒さなくても奴は現れる。
「どういうこと?」
訳のわからないアリスは俺に聞く。
あぁ……本当にすまねぇ……
「『
「え?」
「全部最初から仕組まれてたんだ……チクタクマンは———
言い切る前に腹部に激痛が走る。
視線を向ければ、そこには俺の腹を貫いたチクタクマンの腕があった。
「かはっ……」
「説明下手ですねぇ、ジニスさんでしたっけ?まぁ、未来を確定してくれてありがとうとだけ言っておきますか」
チクタクマンはそう言うと俺の腹から腕を引き抜こうとする。
させねぇ……ここで俺ごとお前を殺せば未来は変わる!
「抜けませんね?」
「縫い付けた、からな……」
「はぁ、で?何ができるんですか、愚かな人類」
チクタクマンは不機嫌そうに俺に尋ねてくる。
「お前を殺せる」
「は?何をバカなことを———
チクタクマンは不死身だ、普通の手段じゃ殺せない。
けど、俺はチクタクマンを縫い付けた。
俺自身とチクタクマンの
今なら、俺が死ねばコイツも死ぬ!
だから!
「終わりだ、チクタクマン!」
「やめろ……やめろ!やめろ!やめろ!」
「ジニス!」
チクタクマンは焦り、アリスは俺がやろうとしてることに気がついたのかこっちに向かって走ってくる。
けど、もう遅い。
「我は全てを手放す者」
◇◆◇
「自滅魔法だぁ?」
「そうだ、ワタシが死にたくなった時に使う予定の魔法だ」
師匠はサラッとそんなことを言う。
「あ〜……アレか?不死身に耐えられ無い的な?」
「その通りだ。キミたちにはいつか終わりが来るだろう?だが、ワタシには来ない。そして親しい者との別れだけが来る。だから作った」
「あー、なんとなくわかるな。別ればかり経験してたらどんな奴だっておかしくなっちまうだろうな」
「だろう?まぁ、コレを使う時はアイツも死んだ時だからまだ先だがね」
「アイツ?師匠の知り合いか?」
「まぁ、姉妹みたいなやつさ。で、一応だがこの魔法覚えてみるか?案外簡単だぞ?」
「誰が覚えるかっつうの!」
◇◆◇
結局、術式だけ盗んでおいたのが役に立つとか何の皮肉かなぁ……
アリスは泣きそうだし、倒れてる師匠は酷く絶望した顔してるなぁ……
けど、コレでいいんだ。
さよなら、優しい勇者達と馬鹿な師匠。
俺は俺なりのケジメつけて退場するぜ。
「あ……がぁ……」
チクタクマンが崩れ落ちていく。
同時に俺の身体も砂の様になって消えていく。
死ぬのは怖い。
けど、俺のせいで大切な人たちが死ぬのはもっと嫌だ。
だから———
「じゃあな、アリス」