【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ   作:ラットマンΣ

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真なる魔皇 アザトース

「あぁ、本当に長かった。68億と数万年耐え続けた甲斐があった……ッ!」

 

「何故……お前は死んだはず……そうでなくともお父様に侵食されきっているはず……なのに!」

 

 一閃を放ったのは魔皇、そしてその一撃を受けたのは千貌道化だった。

 

「幾星霜待ち侘びた事か、私を倒すものが現れる事を。人類が、生命が進化するのを待ち侘びていた! そして時はきた! この瞬間を持って魔皇アザトースをこの次元から葬り去る!」

 

「ほざくな……人間如きがァァァア!!!」

 

 状況が全く理解できない。

 だけど直感でわかる。

 魔皇は敵じゃない、真の敵は千貌道化と奴が言う()()()

 ならば! 

 

「魔皇! 勇者アリス加勢する!」

 

「マジかよアリス?! あぁ! もうどうにでもなれ!」

 

「理屈はわからんがどうやらそう言う流れらしい、ならば共に戦うのも一興よな!」

 

「サポートはお任せを! さぁ、皆さん行きますよ!」

 

「勇者一行……恩に着る! 我が名はアキル! 誰からも忘れられし邪悪の魔皇にして真なる魔皇アザトースを封じる者なり!」

 

「ほざけ! 原生生物どもが! 千貌道化のニャルラトホテプが貴様らの希望を打ち砕く!!!」

 

 千貌道化……ニャルラトホテプがその姿を変貌させていく、しかし———

 

「お前には仕事があるぞ、ニャルラトホテプ! 大好きなお父様と一つにしてくれる! 統合魔法発動!」

 

「なっ! そんなことしたらお父様が形を得てしまう! ぐ、ぬァァァア!」

 

 

 

融合邪神

 ニャルラトテップ/アザトース

 顕現

 

 

 

「あぁ……ァァァア!!! なんたることだワタクシとお父様が一つになってしまったァァァァア!!! 許さん! 許さんぞ原生生物どもォォオ!!!」

 

 そう叫ぶのは歪な人型となった黒白の生命。

 3つの燃えるような瞳と細い胴体2対のカマキリの様な腕、三つの鎌のような脚。

 異形と言うに相応しいその怪物を睨む。

 やつは千貌道化にして魔皇が言った真なる魔皇、ならば奴を倒せば本当の平和が訪れるはずだ! 

 ならばもう何も迷わない、私達はただ戦う! 

 それだけだ! 

 

「行くぞ! 皆んな! 魔皇!」

 

「「「「応」」」」

 

 まずは魔皇が攻め込む。

 先程までの動きと全く違う素早く軽やかな動きで怪物に切り掛かる。

 

「その程度の攻撃が当たるかぁ!」

 

「あぁ、()()()()()それでいい」

 

「何ぃ?!」

 

 怪物が振りかざした腕は魔皇をすり抜ける。

 

「本命はこっちだ!」

 

 怪物の背後に回り込んだ魔皇が大剣で一閃する。

 そのまま、また消える様に姿を隠す。

 

「グァァア!!! おのれおのれおのれ!」

 

「私達も忘れられちゃ困るわね! 千貌道化!」

 

「我が秘技を見せてやろう」

 

 フェロウがそう呟くと鎌がさらに巨大に鋭くなる。

 実にフェロウの十倍はあろう大鎌が形成され怪物を切り裂く! 

 

「がァァァァア!!! ふざけるなぁ!!!」

 

「おっと、傷が塞がりそうじゃねぇか? よくねぇよなぁ!」

 

 ジニスの魔力が爆発的に放出される。

 

「是なるは賢王が生み出しし魔術の極地、絶対零度の氷結魔法! 『アブソリュート・ゼロ』!!!」

 

 ジニスの究極の魔法によって怪物の傷が凍りつき再生できなくなる。

 

「あり得ない! この私が……ッ!」

 

「さぁ、審判の時です! 二大聖女の力を今ここに! 聖装擬似展開! 『滅亡輪廻(アナイアレイション)』起動!」

 

 レストの奇蹟によって巨大な重力場が形成される。

 怪物はその重力場に固定される、ならば後は()()がトドメを指すだけだ! 

 

「魔皇!」

 

「勇者!」

 

「「行くぞ!」」

 

「魔剣展開、是なるは破滅を齎す災禍の一撃……」

 

「星神剣展開、是なるは星の光を照らす希望……」

 

虚神の一閃(イマジナリ・バースト)

 

星神剣星の軌跡(ノーデンス・ロード)

 

 光と闇、二つの超威力の強大な光線(ビーム)が混ざり合い千貌道化を穿つ。

 

「がァァァアaaaaaaaaaA…………………………」

 

 そうして千貌道化は光の粒子に消えていった。

 残ったのは崩れかけの魔皇城と漆黒の球体だけだ。

 

「やべぇ! 早く避難しねぇと!」

 

「安心しろ、キミたちは勝ち取った未来を生きなければならない」

 

「魔皇?」

 

 私が魔皇に問う。

 魔皇はどこか優しげに答える。

 

「さらばだ勇者達、最後にキミたちに会えて良かった。私は最後の仕事をしなければならない」

 

「……死ぬつもりなの?」

 

「勘が鋭いな、アリス。あの黒い球体を私ごと消す。それが私の最後の仕事だ。それではな、勇者達。キミたちの未来は希望に溢れている!」

 

 パチンと魔皇が指を鳴らす。

 瞬間、私達は北の大地の果てに飛ばされていた。

 黒白の太陽は自ら潰れ自壊し後には何も残っていなかった。

 

「……魔皇」

 

 

 

 

 

 

 ———少し前、魔皇城内部

 

「肉体も限界か……」

 

 魔皇の肉体は少しづつ砕け始めていた。

 

「だが後は簡単だアレを切る。それだけだ」

 

 魔皇は一歩歩み漆黒の球体を切り裂く。

 瞬間爆発的な力が広がり収束して行く。

 その中心部にいる魔皇は当然無事ではない。

 しかしその顔は穏やかだった。

 

「クリス、ケイト、雪奈、皆んな、遅くなったね。すぐに私もそっちに行くよ。これで、ようやく……」

 

 そうして魔皇アキルは滅び、世界には平和が訪れたのであった。

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