【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ   作:ラットマンΣ

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二章-3 魔薬編
勇者改め冒険者アリスです!


 魔皇討伐から時は経って約二年。

 アリス()は所謂何でも屋を始めた。

 迷い猫探しから巨大熊(ギガントベア)討伐までお任せあれの『何でも屋アリス』を。

 巷では冒険者ギルドなるものが発足されて前までより劇的に冒険者達が増えた。

 そのおかげか様々な発展が毎日の様に起こっている。

 魔術による遠距離通話や魔石を使った装備品等色々だ。

 まぁ、マイナスな事もあるのだが……

 生き残った魔物や魔獣による冒険者被害、新しい技術を悪用した冒険者狩り等。

 それらを咎めるのも私の……いや、私たちの仕事だ。

 元勇者パーティーの面々は個々に被害にあった冒険者の救助や、悪辣な冒険者の捕縛を行なっている。

 因みにフェロウ、レスト、私、ジニスの順で不人気だ。

 何がって? 

 悪辣冒険者から見た捕縛されるとき嫌なやつランキング。

 とまぁ、そんな感じで今日もお仕事です! 

 

 

 

「これはこれは、勇者様。此度はこんな田舎の頼みを聞いてくださってありがとうございます」

 

「いえいえ、それに今は元勇者ですよ。そんなに畏まらないでください」

 

「ありがとうございます。それでは依頼なのですが……どうにも、この村の付近に盗賊団が住み着いたらしく毎日村の作物や立ち寄った冒険者を襲っている様でして……」

 

 お婆さんが言い切る前に剣を抜く。

 

「どうかしましたか?」

 

「殺気、隠せてないですよ? 村の皆さんは殺したんですか?」

 

 お婆さんは舌打ちすると声を荒げる。

 

「テメェら! このクソ雌をぶっ殺すんだよ!」

 

 そう言って全方位から荒くれ者達が出現する。

 その数50、なら……

 

起動・蛇腹剣(スイッチオン・スネーク)

 

 起動のための言葉を紡ぎ剣は分裂し鞭の様になる。

 起動した蛇腹剣(スネーク)を振り回し周囲の荒くれ者を死なない程度に切り刻む。

 流石荒くれ者、硬い。

 お婆さんはその光景を見て絶句する。

 

「ば……化け物め! なら……」

 

 そう言うとお婆さんは丸薬を一つ噛み砕く。

 瞬間、お婆さんは10メートル近い筋骨隆々の巨体の怪物と化した。

 

「うぐァァァア!!! コロスコロスコロス!!!」

 

「……噂の薬ですか、できたら殺したくはないのですがちょっと無理そうです。ごめんなさい」

 

 そう言って蛇腹剣(スネーク)を元の剣に戻す。

 

起動・巨剣(スイッチオン・バスター)

 

 新たな起動呪文を紡ぎ剣は私の体の三倍のサイズに巨大化する。

 眼前から襲い来る巨獣に対して、ただ一閃、縦に斬る。

 

「ァァァア? ァァァア……」

 

 両断された巨獣が地に這いつくばる。

 地面は大量の血液で赤く染め上げられる。

 

「どうかその魂に救いを、さて……」

 

 通信用魔術機(通称:マドホ)でジニスに連絡を入れる。

 今回の件は最近流行りつつある魔薬によるもので間違いない。

 それを調べてもらうためにもジニスの力が必要だ。

 流通経路を特定して犯人を捕まえる。

 今の私の目的はそれだ。

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