【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ   作:ラットマンΣ

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魔薬の原材料は……

 ジニスに現地に来てもらい早速怪物と化したお婆さんを解体し始める。

 

「いや、グロいわ! まぁ、しょうがねぇけど……」

 

「グロいとか言わないの! 一応元は人間だったんですから」

 

「とは言えなぁ、骨格レベルで別物になってるなコレ。胃袋のあたり切開してくれ、魔薬が残ってるかもしれん」

 

「りょーかい! せい!」

 

「……相変わらず躊躇ないな。で、どうだありそうか?」

 

「んー、見た感じないですね。消化されちゃったのかな?」

 

「なら、俺の出番だな。魔術で痕跡を探す」

 

 そう言ってジニスは開かれた胃に手を触れる。

 無詠唱での魔術行使、ジニスもこの二年で大きく変わったようだ。

 しばらくしてジニスが胃から手を離す。

 

「結果が出た。断片的にだがな。魔薬の原材料はショゴスやミ=ゴなんかの一部と複数の薬物で出来てるな。奇跡的な配合だ。変な話だがコレを作ったやつは天才だよ。そこらのネズミが巨熊(ギガント・ベア)を嬲り殺しにできるレベルだ」

 

「つまり?」

 

「激ヤバ。さっさと作り手捕まえないと取り返しのつかない事になる」

 

「なるほど、荒くれ者達は尋問しても何も知らなかったしちょっと不味いね……」

 

魔薬(これ)の何がまずいって誰でも使えちまう事だ。十人程度に使わせりゃ町ひとつ潰せる。こっちの方でも続けて調べてはみるが早めの対処が望ましい。マドホ使って勇者パーティー再結成と行こうじゃねぇか!」

 

 ジニスはニタリと笑ってそう言ってマドホでレストに連絡を入れる。

 私もフェロウに連絡を入れるが……

 

「フェロウ、久しぶり今大丈夫?」

 

「……」

 

「フェロウ?」

 

「…………」

 

 そのまま通信は途絶した。

 これは、何かあったに違いない! 

 なら……

 フェロウのマドホの位置を確認する。

 場所は厄災の森の湖畔。

 私達とフェロウが初めて出会った場所。

 

「ジニス! フェロウがヤバいかもしれない! 私は先に厄災の森の湖畔に行くから後からレスト連れて大急ぎで来て!」

 

「っ! わかった!」

 

 そう言って私は走り出す。

 全力で走れば3時間で湖畔には着くはずだ! 

 頼む、フェロウに何もないであって! 

 

 

 

 ———厄災の森 湖畔

 

「う……そ……」

 

 そこに居たのは身体中に傷を負ったフェロウだった。

 右腕はもぎ取られ、両足は捻れている。

 

「フェロウ!」

 

 すぐさま私はフェロウに近づき生死確認をする。

 幸いまだ脈はあり呼吸もしているが、どちらも弱い。

 このままでは衰弱死してしまう! 

 早くレスト達が来ないと……

 瞬間、森の気配が変わる。

 殺気と暴力に溢れた暗い気配に。

 周囲の気配を探る。

 不意に湖畔の水面から手が伸び現れ私を掴む。

 そのまま私は水底へと引き摺り込まれる。

 水底にいたのは巨大な腕と口の集合体ともいうべき怪物だった。

 掴まれた状態から身動きが取れないまま怪物の口へと運ばれる。

 フェロウをやったのはこの怪物だったのか! 

 だが、拘束を解こうにも力が足りない。

 そのまま怪物の口内へと放り込まれる。

 口内はギザギザの歯がびっしりと生えておりそれで私を噛みちぎろうとする! 

 水中故武器の変形コードを言うこともできない! 

 そのまま私は無数の歯に切り刻まれた……

 激痛が走る! 

 腕と足は辛うじてくっついているが、二度目はない! 

 どうする?! 

 取れる選択肢がない! 

 二回目の咀嚼が始まろうとした時、怪物の動きが止まる。

 同時に極寒の吹雪を思わせるような冷気が満ちる。

 あぁ、ジニスたち……が、間に合ったんだ……

 そこで私の意識は途切れた。

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