【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ   作:ラットマンΣ

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同盟をもう一度

 ———賢王の書庫にて

 

「……痛ぅ」

 

 激痛で目を覚ます。

 ここは……賢王の書庫、か? 

 私は……

 そうだ! フェロウは?! 

 激痛の中、体を起き上がらせるが周囲にフェロウはいない。

 

「ちょっと! まだ治療中なんですから! 起きないでくださいアリス!」

 

 声の方を振り向く。

 声の主はレストだった。

 

「レスト……フェロウは?」

 

「フェロウさんは賢王様とジニスが集中治療中です。ですが、よかった。2人とも無事で……」

 

「ジニスたちが間に合ったおかげよ、ありがとう」

 

「……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()? 傷も簡単にですが治療されてましたし……」

 

「……え?」

 

 じゃあ、あの極寒の冷気を放ったのは誰だ? 

 あんな大魔法を使えるのはこの世界でもそうはいないはず……

 一体何の目的で? 

 ……! 

 

「そうだ! 私達を襲った怪物は?!」

 

「ジニスが凍りついた湖から切り出して持ってきてあります。治療が終わったら解剖して検査するそうです」

 

「……そう」

 

「どうかしましたか?」

 

「いえ、ただ……何か良くない予感がして……」

 

 そんなことを話していると部屋にジニスと賢王様が入ってくる。

 

「いやぁ、老朽機体(老骨)には応えるねぇ……フェロウの治療は無事終わったよ。彼女のことだから数時間もすれば目を覚ます筈さ」

 

「だな、今回は師匠も手を貸してくれたし安心だ。で、そこの馬鹿患者の具合はどうだレスト?」

 

「どうもこうも、相変わらず打たれ強いと言うか頑強と言うか……もう大丈夫そうですよ」

 

「何その言い方、ちょっとムカつくんですけど?!」

 

「大丈夫そうだな! そんじゃアリス、来てくれ」

 

 ジニスは真面目な口調でそう言った。

 私はジニス達の後に続きながら冷凍された件の怪物が保管されてる部屋に向かった。

 部屋に入ると針のような冷気が肌を突く。

 私とフェロウを襲った怪物は見事に氷漬けになっていた。

 

「にしても誰がやったんだか……湖全体を凍らせるなんて馬鹿みたいな出力、そうそう出せるもんじゃないぜ?」

 

「…………」

 

 賢王様が静かに氷像と化した怪物を見る。

 その表情にはどこか懐かしさがあった。

 

「師匠、どうしたんですか? なんか心当たりでも?」

 

「あぁ……無くはない。が、ありえない筈だ……これは……」

 

 賢王様が難しい顔をする。

 どうやら何か知っているらしい。

 だけど、ありえないって一体……

 

「ジニス、この怪物の解析は私がやらせてもらう! お前はアリス達と一緒に魔薬の出所を掴め! いいな!」

 

「なんだよ急に……まぁ、分かりましたよ。つうことでフェロウが目覚め次第勇者パーティー再結成! で、いいよなアリス?」

 

「ええ、構わないけど……フェロウは腕が……」

 

「あ? 腕がどうした? 確かに()()()()()()()()()が、問題なく治したぞ?」

 

「……は?」

 

「?」

 

「私がついた時にはフェロウは片腕がもがれていたわよ! 一体……」

 

 私のその発言を聞いて賢王様が反応する。

 

「やはり、か……どうやら此度の事態は相当らしい。まさか()()から使者を遣わせるとはな……」

 

「賢王様、天獄ってあの天獄ですか? 死んだ後に辿り着くって言う楽園の……」

 

「まぁ、そんなとこだ。しかしまぁ、遣わしたのは()()か。無難なところだな」

 

 何処か懐かしそうな顔をしながら賢王様が語る。

 

「?」

 

 賢王様以外の全員が頭にハテナを浮かべる。

 

「何、昔の知り合いを思い出していただけさ。それよりも今回は事態が予想より酷いらしい。君達には期待しているよ」

 

「よくわからないけど、お任せください! 勇者パーティーの力を見せてやりますよ!」

 

 本当によくわからないがやる事は単純だ。

 魔薬を作ってる奴を見つけてブッ飛ばす! 

 それだけだ。

 数時間後、フェロウが目を覚ました。

 事態の説明をして彼女にも協力してもらう。

 さぁ! 勇者パーティー再結成だ! 

 

 

 

 ◇◆◇

 

 

 

「随分と世界は変わりましたね。ですが私のやる事は変わりません。弱きを救い悪きを挫く。シスター静葉、参ります!」

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