【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ   作:ラットマンΣ

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プロジェクトアナンタ始動!高次元設計機『アイン・ソフ・オウル』起動!

 私利私欲のままに巨大ロボットの製造計画は始動した。

 三人は早速巨大ロボットを作るための装置……『ノア』最下層に存在する高次元万能設計機『アイン・ソフ・オウル』の元へと向かうのだった。

 

「にしても、『ノア』に『アイン・ソフ・オウル』って……ネーミングに法則つけないタイプかよ?」

 

 道中のエレベーター内でグレンがぼやく。

 

「私は基本的にネーミングはそこまで拘らない主義なのさ。強いて言えば、その時ハマってる物の名前を付ける感じさ」

 

 リリスはそう答える。

 そうかい、とグレンは不満そうに答える。

 思えばこの段階で既にこの先の展開は見えていたのかもしれない。

 間も無くして三人が乗っていたエレベーターは最下層へと到着する。

 

「さぁ、紹介しよう! これこそがこの地球上で最も進化した万能の設計機! その名も『アイン・ソフ・オウル』さ!」

 

 そう言ってリリスが手を向けた先には近未来的な銀色の操作台のような物と大きなガラス窓、そしてガラス窓の奥には巨大な銀色の空間が広がっていた。

 

「なんつうか、ザ・近未来って感じだな」

 

 そう零ながらもグレンの目には好奇心の火が灯っていた。

 

「見た目だけじゃないさ! 『アイン・ソフ・オウル』は高次元万能設計機、ありとあらゆる設計が可能なだけではなく擬似設計シュミレーション、完成品のデータを使った稼働、強度等のシュミレートも可能だ! 正に万能さ」

 

 ふふん、とリリスがドヤ顔をする。

 

「なるほどなぁ、じゃあ早速作りますかね!」

 

「おいおい、使い方の説明がいるだろ?」

 

 リリスがグレンに当然の疑問を投げかけるが。

 

「いや、やりながら覚える。それに……」

 

 グレンがボタンを一つ押す、と同時に機械音声で『『アイン・ソフ・オウル』起動シークエンスに移行しました』と静かに鳴り響いた。

 

「案外こう言うのは得意なんだ」

 

 そう言ってグレンは設計を始めた。

 

 

 

 

 

 が、しかし即座に問題が発生した。

 

「もっとスリムにしろ! なんだこの寸胴鍋みたいなボディは! 美しさが足りないじゃないか!」

 

「はあ〜⁈このフォルムがいいんだろうがよ! ロボにスリムさとか要らないんだが⁈」

 

「二人とも、そんなに争わないの。ここは間をとってスリムを骨組みにマッチョな感じに……」

 

「「勝手にいじるな‼︎」」

 

 非常に重要かつ複雑な(しょうもない)問題が発生したのだ。

 リリス曰く『人型といえばスリムが鉄板‼︎寸胴鍋ボディ等ロボットに対する侮辱に等しいね!』

 グレン曰く『寸胴鍋ボディの良さがわからないのは二流以下、寸胴鍋ボディには夢と勇気が詰まってるッ‼︎』

 シェリー曰く『リアル系もスーパー系も好きだけど本音を言うとゲテモノ系がいいわぁ、下半身多足とか腕三本とか触手とか最高じゃない!』

 ……そう、この三人は同盟こそ組んだが致命的な食い違いがあった。

 それは各々の曲げれぬ信念。

 何を信じ、何を尊ぶのか。

 即ち機体デザインに対する信条の食い違い。

 しかもよりにも寄って三人とも全く方向性が違うのだから面倒極まりない。

 

「よしわかった。なら、こうしよう」

 

 リリスがパチンと指を鳴らすと床の一部が競り上がり銀色の円柱が出てきた。

 

「こいつで決めよう」

 

 リリスが円柱に肘をつける

 

「おいおい、腕相撲かよ? そんなんアンタが不利すぎるんじゃないか?」

 

 グレンはリリスに言い放つ。

 

「おや? もしかして私に負けるのが怖いのかい? まぁ、私は見た目の通り華奢だからねぇ。万一にでもキミが負けたらプライドも傷つくだろうから逃げるのもしょうがないか」

 

「は? 負けないが? 世の中にはひっくり返せない現実があるって理解(わか)らせてやるよ……」

 

 ……それは、実に残酷だった。

 圧勝できる。

 そう確信していたグレンは無様にも瞬殺されたのだ。

 

「実に無様だな」

 

 フハハとリリスが笑う。

 そこでグレンの心は完全に屈服(わか)らせらてしまったのだ……

 

「なんか悲壮な感じのところ申し訳ないけど、勿論私にもやる権利はあるわよねぇ?」

 

 指をゴキゴキと鳴らしながらシェリーが既にスタンバイしていた。

 

「あぁ、そうそう、今回は勝ちたいから私も()()でいかせてもらうわね?」

 

 そんなシェリーに対しリリスは……

 

「ふふ、降参で」

 

 声が震え、半泣きになりながらそう宣言した。

 無理もない、何せシェリーの本気は腕をもぐと言っているのと同義なのだから。

 こうして激しい(しょうもない)争いの果て機体デザイン権はシェリーが獲得したのだった。

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