【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ 作:ラットマンΣ
———某国 某所 『教会』本部、入口にて
「あぁ、マジでやだ……」
金髪の女性……クレアが愚痴をこぼす。
「珍しいですね、クレアがこの手のイベントでテンションが低いなんて、変なものでも食べましたか?」
黒髪の少女……静葉は心配げにクレアを見つめる。
何故彼女たちが『教会』本部に呼び出されたのか、それは前回の呪楼に関する事だ。
彼女たち(と
故に、その功績を称える為に彼女らは呼ばれたのだ。
「『教会』のイベントだからだよ……しかも今回は
クレアが大きくため息をついた。
「前から気になってたんですけど、クレアのどこが落ちこぼれなんですか?」
静葉は不思議に思い質問する。
「あー、そういやシズハにはまだ言ってなかったな。アタシは今
クレアは淡々と語る。
「奇蹟って、いったい……」
静葉が当然の質問を返す。
「『教会』は本来、
クレアはさらっと答えた。
「……ッ! そんなの」
静葉が言葉を発する前に荘厳な音色が響く。
「どうやら時間みたいだ、行くぞシズハ!」
そう言ってクレアと静葉は『教会』の扉を開きまっすぐ歩く。
「「あれが噂の新米か、確かに力を感じる」」
「「しかし、今回倒したのは落ちこぼれのクレアだ、能無しのくせに」」
「「静かにしろ、一応式典だ」」
あちこちからヒソヒソと声が聞こえる。
クレアはまたかと言わんばかりに呆れていたが、静葉は静かに怒り狂っていた。
それこそ今すぐ全員殺さんがばかりに。
そんななか歩き続け、一番奥、大司祭と呼ばれる老人が座る玉座にたどり着くと二人は跪いた。
「此度はこのような式典を……」
クレアが言葉を発しようとした時、突如地面に漆黒の穴が現れた。
「シズハ!」
「はい!」
「「聖装展開!」」
二人は即座に臨戦体制をとる。
式典に来ていたものたちも同様だ。
彼ら彼女らは各々の奇蹟を振るう用意がすでにできていた。
「やぁ、久しぶりだね。大司祭殿」
穴から浮遊するように現れたのはスーツを着こなした幼い少女だった。
少女は道化師じみたお辞儀を大司祭にする。
しかし、その場にいる誰もがその異様かつ異常な生命エネルギーをもって少女を敵と認定し攻撃を仕掛けた。
仕掛けたはずだった。
「外野は大人しくしたまえ、はしたないぞ?」
誰も体が動かせない、奇蹟さえ使えない。
少女はたった一瞬でこの場にいる全てのエクソシストを鎮圧したのだ。
「久しぶりですね。不死なるリリス」
大司教が少女の目を見て告げる。
その顔は非常に穏やかだった。
「その呼び名はやめたまえ。
そう言うとリリスはクレアと静葉を連れてホールの中に消えていき、ホールは閉ざされた。
「全く、相変わらずめちゃくちゃな方だ。しかし嘘はつかないのだからタチが悪い。さて……」
大司祭はおもむろにに電話をかけ始める。
必要な人材を集める為に。