【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ 作:ラットマンΣ
———地下超巨大施設『ノア』第十層 高次元万能設計機『アイン・ソフ・オウル』制御室にて
「ごめんなざい! わがっだ! もうやりまずがら! だがら許じでぐだざい! お願いじまず!」
シェリーは泣き叫びながらそう叫ぶ。
「意外と
ケイトは少しびっくりしながらそう呟いた。
「どうやら
リリスは冷たい目で腹を裂かれ内臓を滅茶苦茶にされたシェリーを見ながら冷酷に告げた。
「なぁにが『友よ』ですか! もう友達じゃ無いもん! これ終わったら絶交よ! 絶交! 勿論、途中から加担したケイトちゃんもよ!」
シェリーはプンスコ怒りながらも自身の肉体を再生させる。
「君、それ言うの何兆回目だい? まぁ、仕事するなら構わないがな。後、ケイトは見逃してやれ。私が半ば強引に加担させたからな」
リリスがそう告げる。
「そうなのケイトちゃん?」
シェリーはケイトを見つめる。
「まぁ、な……‥ただ、あたしは弱いから従うしかなかったんだ……」
ケイトはそう言う。
それをみたシェリーは
しかし、それも次のケイトの一言で打ち砕かれる。
「だって、だって……拷問やるだけで10億払うなんて言われたらやるしかねぇじゃんか!」
力強くケイトは叫んだ。
シェリーの感涙は一瞬にして引っ込み、叫ぶ。
「やっぱり嫌い‼︎」
そう言いながら肉体の修復が完了したシェリーは『アイン・ソフ・オウル』制御室の窓の外側、作業用ブリッジに通じる扉に向かう。
「よろしく頼むよシェリー」
リリスは静かに告げる。
「えぇ、えぇ! やってやるわよ! そうしてその成果に
そう言うとシェリーはブリッジから黒いモヤに包まれた『アナンタ』の元へと向かった。
「と言うかさ、結局シェリーは何やるわけ?」
血塗れのケイトがリリスに問う。
「何、ちょっとした魔術……いや、アレは魔法の領域だな。それをやってもらうのさ。それと、私達が血だらけだとそこにいる二人がグロッキーになりかねんから、ほれ」
そう言うとリリスはホールを使い飛び散った血や二人にこびりついた血を回収した。
「あー、どうりで二人とも顔色悪いわけだ」
ケイトはケラケラと笑ってグレンとメリアーナを指差す。
「普通、1週間ずっと仕事してる後ろで拷問作業されてる奴がいたらこうなるしなんなら、普通発狂するからな! メリアーナ見てみろよ! 現実逃避のために精神壊れかけてんだぞ!」
そう言ってグレンが指差したメリアーナは虚な目で天井を見上げていた。
「ちょうちょだぁ!」
言動も完全に壊れてしまっている。
「マズイ! 彼女が壊れるのはマズすぎる!」
そう言うとリリスは怪しげな薬を虚空から取り出し、メリアーナに飲ませた。
「……ハッ! 私はいったい何を?」
メリアーナは元に戻った。
「ヨシッ‼︎」
リリスが渾身のドヤ顔をする。
「もう、突っ込む気力もねぇよ……」
グレンは天を仰ぐ。
「そういや、結局シェリーがやる
ケイトがリリスに問う。
「
リリスは静かに答えた。
「それってすごいの?」
ケイトはイマイチ凄さがわからないのかリリスに再度問う。
「凄いなんてものじゃないぞ! 何せ、完全な複製しかも自分の好きな様に複製できるんだ! 例えるならスマホの画像拡大をリアルでやる様なものだぞ! もっと言えば1から2を何も無しに作れる……もはや
リリスは力説する。
「はへ〜、なんか凄そう」
ケイトは結局理解できてなかったが、グレンとメリアーナはその凄さを理解した。
今回のパターンで言えば『アナンタ』を必要サイズの50メートル、もっと欲張れば無限に巨大化させられる。
その上、好きなように複製できると言う事は巨大化させる必要のない場所、例えばコックピット等はそのままに装甲や各種稼働に必要なシステムだけを弄り倒せるのだ。
それは正に魔法と言うのに相応しいだろう。
「まぁ、今回の場合はサイズがサイズだから最低でも
そうリリスは告げる。
無理もない理外の技術に万能があったらそれこそ
それでも、それほどの魔法をたった7週間で完了する時点でかなりインチキくさいが……
「……話は変わるが、リリス、アレの設計データもできたぞ」
グレンはどうにかなりそうな頭を必死に戻してリリスに告げる。
すると、「本当か!」とリリスは食いつくようにデータを確認する。
「相変わらず完璧な仕事だ! グレン!」
リリスは満足げにグレンを褒める。
「アレ……って事はアタシの担当する奴ね!」
ケイトが楽しげに跳ねる。
「あぁ、その名も「
「え? ネーミングダッサ。名前はアタシがつけるわ……」
リリスはケイトの一言を喰らい膝から崩れ落ちた。
「ネーミングセンスが無い……だと⁈この私が‼︎」
「だって基本他から取ってきてるじゃんアンタ、オリジナル系は無理なタイプね」
ケイトの鋭い言葉のナイフが突き刺さり、リリスは倒れ込む。
「やめてやれよ……流石に言い過ぎだ」
グレンは今回ばかりはリリスを庇う。
「……ははぁん、さては
ケイトは悪い笑みを浮かべてそう告げる。
「なんでわかるんだよ……」
「アンタの反応と女の勘よ」
ケイトはニマニマ笑いながら告げる。
「いやぁ! きっとグレンの事だからかっこいい命名理由があるんだろうなぁ! ケイトちゃん、とっても聞きたいなぁ!」
ケイトはわざとらしくグレンを煽る。
「ったく、まぁ、別に聞かれて困るようなもんじゃねえし教えてやるよ」
「あら意外、普通に乗ってきた」
「うるせぇ……さて、語らせてもらいますかね」
そう言うとグレンは『アナンタ』の名の理由を語り始める。
「『アナンタ』は本来インド神話に登場するナーガラージャ……
グレンは静かに語り終えた。
「「無駄にロマンチストね/だな」」
グレンが語り終えるとリリスとケイトがそう告げる。
「うるせぇやい!」
「私は良いと思いますよ、自らの希望を込めた名……素晴らしいじゃ無いですか」
メリアーナはグレンにそう返した。
「ほれみろ! 理解者だっているんだ! ロマンチストで何が悪い!」
ケイトはムッ、としてグレンの座っている席の後ろに立ち、首元から抱きしめる……様にしてナイフを喉元に突きつける。
「なんでございましょうかケイトさん!」
グレンは生命の危機を感じて一気に下手に出る。
「アタシなんで『アナンタ』が
「それはですね! アレです! 完成した機体の披露まで隠しとこうって言う遊び心でして、俺とリリスとシェリー以外にはモヤに包まれて見えるんです!」
グレンは早口で答える。
「ふぅ〜ん」
ケイトはナイフを喉元に刺さらない程度に食い込ませる。
「……!」
グレンは訳がわからなかったなんで今自分がこんな状況になっているのかを、なんでケイトが死ぬほど不機嫌なのかを。
できる事は静かに怒りが収まるのを待つ事だけだ。
「あいつ馬鹿だな」
リリスはメリアーナのそばに近寄って小さく呟く。
「馬鹿? どこがです?」
メリアーナはリリスに質問する。
「多分、ケイトはグレンに
瞬間、二人の間にとてつもないスピードでナイフが3本飛んできた。
「ごめん、ごめん!
そう言ってケイトはナイフを回収する際小さく呟く。
「グレンに
ケイトは真顔で小さく低い声でそう告げた。
二人はものすごいスピードで首を縦に振る。
「よし、グレン〜暇になったんなら遊〜べ〜よ〜」
ケイトはグレンを半ば無理やり連れ出して行った……
「「怖ぇ……」」
肝が冷え切った二人はそう呟いたのだった。
「私が言うのもなんだが、面倒な女に惚れられたな……グレン……」
リリスはそう呟いた