【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ   作:ラットマンΣ

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賢王の書庫

「ん……うぅ……」

 

身体の痛みで目が覚める。

辺りを見回すが古い遺跡のように見えるが、事前に調べた情報と遺跡の中身の光景が一致する。

どうやらここが賢王の書庫らしい。

と言うか、私の装備品が服以外全てない。

……全てない?! 

 

「聖剣は! ッ……!」

 

「落ち着きなよアンタ、死にかけた気分はどうだい?」

 

そう飄々と言ってきた者の方を見る。

黒いローブに身を包んだ私と同い年くらいの青年がそこにいた。

 

「……貴方は誰?」

 

警戒しながら問う。

賢王の書庫には賢王しかいないと聞いていたが彼は多分違う。

魔力の量こそ一般人より遥かに多いがなんと言うか、威厳が足りない。

警戒が必要だ。

 

「おお怖、殺気ビンビンで俺ちゃん困っちゃうぜ。まぁ、名乗ろうか。俺の名はジニス、魔導師をやってる。死にかけたアンタを助けたのも俺と師匠だ」

 

「……嘘ではなさそうね。で、何故私の装備がないの?」

 

「そう怒んなって、今師匠が再構築(リメイク)中だ。曰く『デザインが気に入らん! 可憐な少女には美しい鎧と相場が決まっている! なのに何だこの無骨なデザインの鎧は! ありえん! これだから最近の奴は気に食わん!』とか騒いでたぜ」

 

「それは……好意的な意味でとって良い……のかな?」

 

「師匠的には好意的じゃねぇかな? 長いこと……まぁ、師匠からしたら長くねぇが。 俺はそれなりに長くあの人と居るがてんでわからねーがよ」

 

「そう、そして今までの話から察するに貴方の師匠が賢王様なの?」

 

「そそ、とてもそうは見えないが賢王様だよ。あんなちびっ子の何処が王なのかねぇ」

 

ジニスが発言した瞬間、雷がジニスを襲う。

そうしてカツカツと音を立てながら一人の少女が私の居る部屋に現れた。

 

「我が弟子ながらこの程度の雷でノックアウトとは、全くだらしがない。さて、最後の勇者よ。キミの装備のリメイクが終わった。早速だが着たまえ。さぁ早く!」

 

「ちょ、少し話を……」

 

「時間は買えないのだよ! さぁ早く!」

 

「わ、分かりました……あの、せめて外でお待ちいただけないでしょうか……」

 

「む、それもそうだな。君とて乙女か、私が失礼だったな。 バカ弟子も引っ張り出すとしよう」

 

そう言って少女は魔法でジニスを宙に浮かせ、部屋の外に出ていった。

私は賢王様がリメイクした鎧を身に付ける。

と言うか、これ本当に鎧か? 

どちらかと言うとドレスとかに近い様な……

インナーは黒一色の簡素なもの。

青色を主体にしたドレス状の服を身に纏い、腰の部分でベルトを巻く。

腰から下はベルトによってマントの様になり、その上から胸部、関節部に鎧を身に付ける。

 ……いや、鎧要素足りなくないか?! 

 

「おや、着れた様だな。ふむ、やはり美しい! これでこそよ! あんな無骨な鎧などより百倍は良いわ!」

 

「な、急に入らないでください! と言うかこれ防御力とか大丈夫なんですか?!」

 

「何、安心しろ。ワタシの魔法で防御力は底上げしてる。今までの鎧より固くそして動きやすい装備に仕上がっているはずだ。さて……アリスよ、何故最初に賢王の書庫(ここ)に来た?」

 

先程までの雰囲気から一転し真面目な態度で賢王様は話す。

私が最初にここに来た理由、それは——

 

「賢王の書庫には今までの魔皇討伐の歴史が全て記録されています。その中に魔皇を倒すヒントがあると思い私はここに来ました」

 

「なるほど、実に堅実な考えだ。ならばワタシも語るとしよう。今は賢王としてある者、星の観測者、リリスが視てきたこの星の歴史をな」

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