【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ   作:ラットマンΣ

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苛烈なる戦士フェロウ

———厄災の森にて

 

「さて、フェロウを探しましょうか」

 

ジニスに足を治してもらった私はそう言って立ち上がる。

 

「あんまり無理するなよ、治したて何だからな」

 

「わかってる、ごめんねジニス」

 

「反省してるならよし、次からは気をつけろ」

 

そう言って差し出されたジニスの手を取る。

思えば彼がパーティーに加入してから迷惑をかけっぱなしだ。

こんなんじゃダメだ! 

もっと勇者らしくしなくちゃ……

そんなことに思いを馳せながら森を探索する。

 

「ジニス、探知魔法で見つかった?」

 

「あぁ、見つかった。見つかったが……アレはまためんどくさそうだ」

 

ジニスはそうボヤく。

どうやらジニス的にはよっぽど面倒な相手らしい。

 

「アリス、聞いた話だとフェロウはエルフらしい、しかもこんな森にいるエルフと言ったらいかれた奴だろうな」

 

「何、話してみれば意外といい奴かもしれないじゃない? とにかく行ってみよう」

 

そうして私達は森の中心の泉、そのほとりに辿り着いた。

そこには一人の生傷だらけのエルフの女性が佇んでいた。

探していた戦士……フェロウだ。

 

「貴女がエルフの戦士フェロウ? なら話は早い、私は勇者アリス魔皇討伐の為どうか力を貸してはくれない?」

 

それを聞いたフェロウは笑う。

 

「俺を必要とするか、勇者! ならばその身を持って力を示せ!」

 

言うと同時にフェロウはその細い体に似つかぬ、身の丈ほどもある大鎌を虚空から取り出した。

空間魔法の一種だろう。

 

「さて、今の勇者は何処までやれるのかな!」

 

血走った目でフェロウ華奢な見た目に反したスピードで大鎌を振り下ろす。

まるで重さを感じさせない、それこそ空気を扱うかのように。

私は何とか聖剣でガードするが見た目に反して一撃が果てしなく重い。

足が地面を割り沈む。

その刹那、星の輝きと見まごう様な光の数々がフェロウを襲った。

ジニスの流星魔法だ。

しかしフェロウには全く効いていない、それどころかその表情は怒りの形相に変わっていた。

 

「貴様ァ! 戦士の戦いに水を刺したな! その命を持って償う覚悟あってのことだろうな!」

 

「うるせぇ! こちとら魔皇討伐目指してるんだ! 取れる手段は何でも取るに決まってるだろうが脳筋エルフが!」

 

「ッ! なら死ね!」

 

「させない!」

 

フェロウの意識がジニスに向いた瞬間、聖剣をフェロウに向けて切りつける。

しかし……

 

「甘い甘い甘い!」

 

フェロウは聖剣に対して大鎌を引っ掛け、そのまま私を地面へと全力で叩きつけた。

地面は割れ、口からは血が吐き出る。

だけど、この程度で止まっていたら魔皇討伐なんて夢のまた夢。

 

「ジニス! 補助魔法を!」

 

「お前また……!」

 

「いいえ! 今度は間違えない!」

 

ジニスの補助魔法で肉体を強化しフェロウの一撃一撃をいなし続け機会を伺う。

相手の呼吸、攻撃のリズム、癖、それら全てを読み切りたった一度の隙を見逃さない! 

そして渾身の一撃をフェロウの大鎌に当て粉砕することに成功した。

フェロウは一瞬何が起こったかわからない顔をしたが、それもすぐに消え元の武人の表情に戻った。

 

「……ッ! 認めようお前たちは戦士だ故に戦士フェロウ、それに続くとしよう」

 

「勝った……の?」

 

「貴様らの勝ちだ、それにそこの魔導師の性根の悪さは気に入った!」

 

「うげぇ……俺は気に入られたく無いんだがな……」

 

「とにかく! 戦士フェロウ、力を貸してくれる?」

 

私はフェロウに手を差し伸べる。

フェロウはその手を握りしめる。

 

「ああ俺はお前たちと共に行こう!」

 

こうして私達のパーティーにフェロウが加わった。

後は僧侶が欲しい。

ならば次に行くのは冥界か。

兎にも角にも———

 

「疲れたぁ!」

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