【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ   作:ラットマンΣ

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冥界へと続く旅路

「「冥界に行く?!」」

 

「二人ともそんなに驚かなくても……」

 

「絶対反対だね! 大体冥界のあるティンダロスの大口の底まで行くのに厄災の森(ここ)から何ヶ月かかると思ってるんだよ!」

 

「ジニス……」

 

「俺としても論外だな、冥界なぞ行ったところで何がある? 死者の霊魂と魔族だけだぞ?」

 

「フェロウ……二人の言いたいことはわかるけど、今のパーティーには僧侶が足りないの。それを補う為に冥界に行くのが一つの理由よ。冥界には腕利きの魔族の僧侶がいると言う話だから。それともう一つは冥界に眠る魂に会うこと。どうしても話をしたい魂がいるの! だからお願い!」

 

私は二人に頭を下げる。

二人は少し考えた後はぁ、とため息を一つこぼした。

 

「仕方ねぇ、うちらのリーダーが行きたがってるならついてくしかねぇか」

 

「……俺の認めた相手だ、その意思に従おう」

 

「……! 二人ともありがとう! さぁ! それじゃあ早速大陸の東の果てティンダロスの大口まで行きましょう!」

 

「……また長い旅路になりそうだ」

 

「何を言ってるジニス? 4ヶ月もあれば東の果てには着くだろう?」

 

「あー、フェロウは知らないからか……まぁ、そのうちわかるよ。うん」

 

「?」

 

そうしてフェロウを仲間に加えた私達パーティは東の果て、ティンダロスの大口を目指して歩み始めました。

その道中、魔族の村に滞在した際のこと。

 

「魔物を生きたまま捕まえて欲しい?」

 

「はい、勇者様! 魔導の研究の為にグランドスライム……ショゴスを一匹捕獲していただきたいのです!」

 

「はぁ?! ショゴスだぁ! あんなバケモン生きたまま捕まえるなんて無理があるだろ!」

 

「同意だな、ショゴスの捕獲は無理難題だ。アリスわかってるな?」

 

「……ええ、受けましょう! その依頼!」

 

「「は?」」

 

二人は何故か目を丸くしていたが困っている人を助けるのは勇者の務め、故にこの依頼も当然受けるのです! 

 

「フェロウ、わかったか? これがウチのお人好し勇者様だ」

 

「俺の想定以上とは……これは確かに時間がかかりそうだ」

 

「さぁ! 明日からショゴスを探して捕まえますよ!」

 

 

 

———その夜 宿屋にて

 

「アリス、少しいいか?」

 

「何? フェロウ?」

 

「何故そんなに人助けに手を出す? 我々の目的は魔皇討伐だ、それこそが一番重要じゃ無いのか?」

 

「……そうじゃないよ、フェロウ。困っている人がいたら助ける。少なくとも自分が手を差し伸べられるなら必ず助ける。そうやってみんなが助け合わなきゃ意味がないんだ。それがいつか広がってこそ本当の平和は訪れるの。だから私はそれをやる。勇者としてでは無くアリスとしてやらなきゃいけないことなんだ」

 

そんなことを教えてくれた()()()に思いを馳せながらフェロウに語る。

 

「そうか、聞いた俺が無粋だったな。それでこそある意味勇者らしいな」

 

「そうかな? うん、そうだと良いなぁ」

 

そうして深まる夜の中、私達は眠りに着いた。

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