【本編完結済みと言ったな、あれは嘘だ 本編改稿中】 混沌怪奇譚 夢幻に生きる者たちよ   作:ラットマンΣ

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ショゴス捕獲作戦

———翌朝

 

「さて、ショゴスを探しに行きますよ! ジニス、フェロウ!」

 

「朝から元気だねぇ……とりあえずちゃっちゃと終わらせようや」

 

「だがどうする? 探すのはジニスの探知魔法があるが、ショゴスとやり合うのは俺たち3人だけじゃ厳しいぞ? しかも今回の依頼は生捕りだ。アリス、何か案はあるのか?」

 

そう言ってフェロウが問いかける。

もちろん無策なわけでは無い。

ショゴスは太古の昔にこの星に空から落ちてきた星の外の生命体……らしい。

城下町付近や大きな町や村の近くにごく稀に出現する黒いスライムはショゴスの細胞から分裂した劣化体……いわゆる垢のような存在だ。

スライム自体は初心者冒険者でも簡単に倒せるほど弱いが、ショゴスは違う。

狡猾な知性と巨大な肉体、何より打撃も斬撃もほとんど効かない怪物だ。

現に、ショゴスによる被害は北側諸国を中心に酷く時には村一つが犠牲になる時もある。

そんなショゴスを生捕りにする方法、それは———

 

 

 

———村から離れた山脈の洞窟にて

 

狂気を孕むような山脈の奥深く、その深淵たる湿りきった洞窟の奥で響く『テケリ・リ テケリ・リ』と言う奇怪な鳴き声、ショゴスの鳴き声だ。

 

「それじゃあ手筈通りに、私とフェロウで奴を足止めするよ!」

 

「了解だアリス!」

 

そう言ってフェロウと私は眼前の巨大なショゴスに向かって突撃する。

フェロウの鎌による一線と私の聖剣による剣戟でショゴスに攻撃を繰り返すがダメージはほとんどない。

反撃と言わんばかりにショゴスはその身を武器のように変え身体を捩らせ鞭のように高速で振るい、私達を攻撃する。

フェロウは何とか避けるが私はその一撃を掠ってしまう。

掠っただけで肉が抉られる、出血が止まらない。

幸い当たった位置は致命的な箇所ではない、戦闘はまだ続けられる。

 

「おい、アリス! 大丈夫か?!」

 

「問題無し! それよりフェロウも大丈夫?」

 

「は! 笑わせるな! この俺がそう簡単にやられるか!」

 

「上等! さぁ! ショゴスよ! ()()()()()!」

 

そう、私達はあくまで時間稼ぎ。

ジニスの氷結魔法の発動のための! 

 

「さぁ、凍獄の時間だ!」

 

ジニスのその一声で圧倒的な冷気が空間を支配する。

絶対零度の氷結魔法はショゴスを最も簡単に氷の柱に封印させた。

 

「いよっしゃぁぁあ!!! やったよ! ジニス! フェロウ!」

 

「はいはいはしゃぐ前に治療な、全く危なっかしい作戦ばっかり考えやがって……」

 

「良いではないか、戦士としての胆力があると言うものだ! それにしてもこのショゴス、()()()()()()()な?」

 

「……へ?」

 

私はその言葉を聞いて目を丸くする。

私の記憶が正しければ、ショゴスは軍隊をも凌駕する怪物だ。

確かにそれを3人だけで捕獲できたのには言いようのない違和感がある。

 

「いや、過去のショゴスはもっと強かったぞ? と言っても一万年以上前の話だが……」

 

「マジかぁ……これより強いってどんだけバケモンなんだよ……」

 

「ま、まぁ今回は依頼達成ってことで! とにかくこの氷柱からショゴスがいる部分だけ切り抜いて持って帰ろう!」

 

「それもそうだな、いらん事を言ってしまった」

 

「ま、アリスの言う通りショゴス持ち帰ろうや。村に持ってけばより強固な封印を用意してあるんだ。そこなら安心して研究できるだろうよ」

 

「「魔法って便利だなぁ」」

 

「おう、脳筋二人も少しは学べ……って痛ぁ!」

 

私とフェロウは軽くジニスの尻を蹴る。

その後は、みんなで談笑しながら村にショゴスを届けた。

村人達からは感謝され豪華なご馳走をいただいた。

うん、これで良い。

これが()()のあり方としてきっと正しい。

そして翌日、私達は村を後にし再びティンダロスの大口を目指す旅に戻った。

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