「零一」
「何だ、ツンデレ娘」
「ツンデレじゃねぇ!」
銀の長髪の男、佐久間零一。その1つ年下の幼馴染、市ヶ谷有咲と帰り道に会った。
「んで、何か用か?」
「別に用って言うか、お前が寂しそうだから一緒に帰ってやっても良いかなって……思っただけだ」
「上から目線かよ……。それに俺は別に寂しくもねぇから……じゃあな」
「そうか寂しくないのかぁ……って、おい! ちょっと待てっての!!」
「何だよ……」
「人の誘いを断る奴だあるか!!」
「お前が上から目線で言うからだろ……」
「ええい、まどろっこしい! 盆栽用のハサミを買うから付き合え!」
「1人で行けよ……」
「うるせぇ! ほら、さっさと行くぞ!」
「おい、引っ張るな……」
ツンデレな有咲に、半ば強引に腕を引っ張られる零一であった。
――――
「まったく、無理矢理ったらねぇぜ……」
「黙って着いて来いって!」
「へいへい……」
有咲にそう言われてしまい、零一は生返事で歩く。目的地は有咲の行き付けである『フラワーショップ』だ。
「買って来るから、此処で待ってろ」
「帰って良いか?」
「帰ったら死刑だ」
「やれやれ……」
零一に釘を刺して店に入って行った有咲をよそに、零一溜息を吐き大人しく待つことになった。
「全く、素直じゃないのは一生直らないだろうよ。にしても暇だな……、飲み物でも買いに行くだけなら良いだろ」
零一はそう言って自動販売機へと向かう。
「さてと、何にするか……炭酸にしよう。あいつも炭酸で良いか」
お金を入れて炭酸ドリンクのボタンを押した。2本の炭酸ドリンクを取り出して、有咲の元へ戻る事にした。
「ったく、何処に行ったんだよ……」
「ん?」
「あ、お前! 一体何処で油売ってたんだ!! 待ってろって言っただろ!?」
店の前に戻ると、頬を膨らませて怒ってる有咲が居た。零一を戻った途端に怒鳴り始めた。
「喉が渇いたから、自販で炭酸を買って来ただけだろ……。大袈裟な奴だな」
「大袈裟だとぉ……!? 人がどれだけ心配したと思って……」
「心配ねぇ……」
「はっ!? い、今のは忘れろ! 良いな!?」
「へいへい、ホラよ」
「おっと、炭酸かぁ……まぁ、ありがとう」
「おう」
2人はフタを開けて炭酸ドリンクを一口飲む。
「コレだ、この炭酸の刺激が良いんだよな」
「す、凄く炭酸が強いな……。お前ってさ、毎回よく飲めるよなぁ」
「別に毎日飲んでるんじゃねぇよ。で、目的のハサミは買えたのか?」
「あぁ、良いのが買えたさ。今度買い物に付き合う時は、勝手に居なくなるなよ?」
「やれやれ……」
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