それだけ。
ララ「お父さんが言ってるのは焼肉王だよ」
オルステッド「ほう…覚えておく」
昨日焼き肉に行ったし書くかってことで。
ちょっと編集しました。
全ての生物から恐れられる呪いを持つ男、オルステッド。
そして呪いが聞かない部下のルーデウス・グレイラット。
二人は今。
「なんだ、デカいな…。コイツが『焼肉王』か…」
「ぶふぉっ…!ち、違います社長…焼肉キ○○です…!」
「…ララめ…騙したな…」
二人は焼肉○○グへと来ていた。
ヒトガミを倒すための布石の準備がほとんど終わったのだ。
あらゆる障害となるであろう人物や生物へ「ヒトガミについたら必ず殺しにいくぞ、つかなければ何もしないしヒトガミから家族や仲間を守ってやる」と脅し回った。
そしてその祝いに、とルーデウスが計画した。
オルステッドは断ろうとしたが、誰かと食事を共にするなどはあまりない。ナナホシも元の世界へと帰ってしまい、ほぼ一人で食べている。ならば一緒に食べたいし異世界の美味を食べたいと、ルーデウスの提案にノリノリで乗った。
「こちらですオルステッド様」
「分かった」
と、ルーデウス達は店内へと入る。
賑やかな店員達の声と、ジュウジュウと焼かれる肉の音と香ばしい香り、嗅いだことのない調味料にオルステッドは珍しくカッッと目を見開いた。
「ほう…これは興味深い。ペルギウスに自慢してやろう」
「…(オルステッド様、ペルギウス様を殺さなくて良くなってからってからかいすぎじゃ…)」
ヒトガミのいる無の世界へと行くために、とあるアイテムが必要なのだが、それにはペルギウスを殺めなくてはならない。
ララとの通信でそのアイテムを開発した事を聞いたオルステッドは一人嬉しく泣いた。今までの過程で辛かっただろう。
何回も殺して奪って。恩人であり友人でもあるのに。
それをしなくても良いとなったオルステッドは、人が変わったようにペルギウスをからかいに行くのだ。
『ルーデウスの故郷の味が美味かったぞペルギウス』
『イヤミか貴様ッ』
「さて…」
と、ルーデウスはタッチパネルへと触れる。
その画面が動いたことからオルステッドは驚く。
「む…!それは魔道具か」
「これはタッチパネルと言って、電気を主な動力として動きます」
「ほう…魔力以外が動力とは興味深い…」
ルーデウスは二人で入店を選択し、席を選択する。
ちなみに呪いは無くなっており、クリフが完全に呪いの無効化、制御に成功した。オルステッドを恐れる人がいなくなったのだ。
また、ルーデウスが魔力を供給する装置を開発し、オルステッドの魔力を回復させる事が可能になった。
それからはオルステッドがイキイキと魔力を使って使徒を蹴散らしまくったので、想定の何倍ものスピードでヒトガミのあらゆる策はぶち壊されていった。
以前は苦戦した相手も魔力を存分に使えるオルステッドの敵ではない。
魔龍王ラプラスも喜んでいた。やっとヒトガミを倒せると。私がしてきた事は無駄ではなかったと。
ラプラスとオルステッドは兄弟として抱き合った。
そして、人から恐れられなくなったオルステッドは戸惑った。
なにせ急に話しかけてくるのだ。こんにちは、おはようございますなど。
シルフィが「オルステッドさん。お惣菜が余ってしまったので良かったら頂いてくれませんか?」という提案に対し、「あ、ああ…助かる…」と、しどろもどろな対応をしてしまう。まるでコミュ障のようだ。
「いらっしゃいませ!席へとご案内します!」
と、店員が席へと誘導する。誘導されたのはテーブル席。
「本店の仕様はご存知でしょうか」
「はい。知っています」
「ではごゆっくりどうぞ!制限時間はタッチパネルへと表示されています」
と、店員が帰っていく。
「ふむ…席が狭いな」
「まあまあ。でも、焼肉はすごく美味しいですよ」
ルーデウスがタッチパネルでカルビやハラミ、白米やドリンクなどを頼んでいく。オルステッドはそれをじーっと見ていた。
側から見ればタッチパネルに怨念を込めた殺意の目を放っているように見えるが、見た事のないものばかりなので興味シンシンなのである。
やがて肉が運ばれてくる。
「では、こちらを焼いていきます」
ルーデウスがトングを使って肉を焼く。部下なのだから俺が焼くのは当然。おやびんに最高の焼き加減の肉を献上するでさあ、とルーデウスは焼いていった。
「焼けまし…た…!?」
ルーデウスが焼き上がった肉をオルステッドの皿へ移そうと思ったその時、オルステッドの顔を見たルーデウスは言葉を失った。
オルステッドがヨダレを垂らしている。
「ごおっふぉっ!!げふっ!げほっ!げほっ!」
ルーデウスはあまりの光景に盛大に吹き出し、むせてしまう。
なにせあのオルステッド、七代列強序列二位「龍神オルステッド」がヨダレを垂らし、目をかっ開いて肉を見ているのだ。
その黄金色の瞳は眩いほどまでに輝き、太陽と酷似したような光量を発しているようだ。
キラキラした目で肉を見ているのだ。
「(と、とりあえず社長に肉を献上せねば!へいへい!!)」
ルーデウスはオルステッドの皿へと肉を乗せていった。その間、猫が動いているものに対して目を離さないように、オルステッドは肉から目を離すことはしなかった。乗せ終わったのでタレをかけた。甘口のタレなので社長でも口に合うはず…
「それでは、オルステッド様。召し上がってくだ…」
と、オルステッドは剣神流奥義『光の太刀』の速度で肉を食べ始める。
肉の食感や味、旨みとタレのハーモニーなど感じる間も置かずに全てを平らげると、オルステッドはタッチパネルを右手から出した。
否、タッチパネルを目に見えないスピードでとったのだ。
「…ルーデウス、操作方法を教えろ」
龍聖闘気を放ちながら有無を言わさない顔で教えを乞うオルステッド。俺殺されるのかな?いや、そんな筈はない。と内心ビクビクしたルーデウス。
「は、はい…これがですね…」
と、ルーデウスが説明をしていく。
やがて全てを理解したオルステッドは様々な物を絶えず注文し始める。
「おまたせしました!こちらすき焼きカルビと…」
「お待たせしました!こちら豚トロ…」
「お待たせしました!こちらホルモン…」
「お待たせしました!」
「お待たせしました!」
「「「「「お待たせしました!」」」」」
雪崩のようにテーブルへと並べられる肉に飯。
オルステッドは贅沢にも炎の魔法を使い、速攻で肉を焼いて食べ始めた。
見事な火加減。それは程よく肉の旨みと脂が乗った状態、かつ一番柔らかい火加減だった。まさしく神級。
彼は剣も魔法も、焼き加減も神級だったのだ。
その神級の肉とともにかきこまれる白米。
極上の火加減でまさに「神肉」となった肉に合わされるのは、数々の実験、開発、苦難を乗り越えた極上の甘口タレ。
それら二つのミルフィーユ。いや、ハーモニーとも言えるのだろうか。口の中で広がる香ばしい香りと肉の旨み、そして白米の甘さにより肉の旨さがさらに際立つ。噛めば噛むほどやみつきな味わいになり、オルステッドはもはや焼肉にしか心がいかなくなってしまった。
「うまい…うまい…!うまい!!!」
ルーデウスはオルステッドがハフハフと肉を食べ、白米を頬張り、やがてデザートに心を咲かすような、ニコニコしながら焼肉を頬張る姿に連れてきて良かった、今度は父様や母様、シルフィやロキシーにエリス、家族みんなで行きたいと思った。
オルステッドのイメージと本来歩むべきだったキャラクターの人生をぶち壊した。全くもって悔いはない