陰実の世界に転生したら武神だった件 のんびりしたいが姪っ子が活動的で何だかんだ手伝う内に組織で母と慕われるようになった。 作:生徒会長月光
イータがアレクシアに様々な動きを教えていき昼食にてアレクシアは食の感動に震えます。
それではどうぞごゆっくり!
アレクシア・ミドガルという少女の人生はいつも姉と比べられてきた。
姉のアイリス・ミドガルは王国最強の魔剣士と言われ妹私から見ても天才だった。
それでも私は誇りに思っていた……
追い付けなくても良い…自分に出来ることをしよう
そうして剣を振るい無駄を極力なくして自身を高めてきた…
でも初めて出たブシンの初戦で私は無様に負けた…姉様は…私の剣を好きと言った…冗談じゃない…私の剣なんて…天才の姉様に分かるはずない…
凡人の剣じゃ…天才に敵いっこない…私は自分の剣が…大嫌いだ…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「クッ、何で」
「なに?」
「何でかわしてばかりなのよ!私をおちょくってるの!」
「別に?ただ見るのと体感するのは…大きな違いだから」
「余裕ぶっこくんじゃないわよ!!」
そうしてアレクシアは剣を振るうがイータは身を横にするだけでかわす。
かれこれ10分程やっているがアレクシアの剣はイータに掠りもしない…
「コンコン、アレクシア様段々大振りになってきてます」
「冷静さを欠いてるね。何時ものアレクシアならイータをあそこから動かすことぐらいは出来るだろうに。」
「確かにご主人様円を描くようににしてあの場から一切動いてないですね。」
イータは先程からその場で円を描くような足さばきでアレクシアを寄せ付けていない。
「息も上がってきてるね。…まぁ本気のイータは僕でも中々に苦戦するし何でも利用するから厄介だ。」
そうして幾度か振るい呼吸を整えようとアレクシアは間合いを取る。
「どういうこと…なんで…当たらないのよ…」
「それは…貴女が冷静じゃないから…戦場ではカッとなった方が死ぬわ…心は熱くなっても良い…でも思考はクールに…」
「思考は…クールに…」
(癪だけど確かにさっきの私は…冷静じゃなかった…なら考えないと…こいつにまず一太刀…いえその場から動かす!)
「どうやら冷静になったみたいね…でどうするの?」
「こうするのよ!」
アレクシアは突きを繰り出してイータは同じようにかわすがアレクシアは突き出した足とは逆の足で足払いをする。
「あら?動かないんじゃなかったの?」
「それで良い。正道ばかりじゃダメ…もっと視野を広く」
とイータはかわすばかりではなく今度は攻勢に出る。
「…そい…てい…はっ…」
「やる気のない掛け声なのに…上手い…!」
とアレクシアは防戦一方になる。
「イータ結構手加減してるね。」
「そうですね。アレクシア様より少し上の実力で相手してます。」
(振るうスピードも…軌道も見えてるのに…どうして重いの…!?)
「なんで重いと…思ってる?」
「!?」
「貴女の剣はとても無駄が少ない…でもキレが少し足りない。」
「キレって…そんなことで」
「貴女の今の剣は…こう…でももっとこう…腰の回転と…身体の捻転を混ぜ合わせる」
とイータは先程のアレクシアの剣筋と同じように繰り出し次に今言った言葉の通りに振るう。それを受け止めるアレクシアは一撃目と二撃目の重さの違いに驚く。
「…さぁ…打ってきて…」
「え…えぇ」
と困惑するアレクシアだが試しに言われた通りに振ってみる。と今まで振るっていた剣に手応えのようなものが宿り始める。
「…そう…そんな感じ…次は足さばき…力強く…でも軽やかに…水面を走るように素早く…」
手本を見せるようにイータはアレクシアへと語りかける。
「えぇっとこ、こうっととと!?」
「力が入りすぎてる…一回ジャンプして力を適度に流して…もう一回…」
今までアレクシアは指南役はいたもののほぼ独学でやっていたのもあるがそれでもイータの教え方が上手いのかどんどん吸収していく。
「…うん…それならその足さばきで…キレのある動きを足してみて。」
「…やぁ!」
キィンと今までのアレクシアの攻撃よりも鋭く重い一撃を繰り出せた。更にそこから連続して軽やかに攻撃でき先程よりも洗練されていた。
「成る程アレクシアの動きの細かいところを見てそこに身体のキレ、足さばきを加えてアレクシアの剣はそのままに身体の使い方を覚えさせたことで今までよりも鋭い剣戟を出せるようにしたんだね。」
「流石ご主人様です!」
そうして打ち合うこと数分。
「そろそろ終わりに…する。」
「はぁはぁ…あんなに動いてるのにどうして息切れ一つないのよ。」
「そこは経験の差。貴女ももっと場数を踏めば強くなれる。」
「ホントかしら…まともにさっきから攻撃当たってないのに…」
「それは目線で…次の攻撃の箇所が分かりやすいから…もっと目だけじゃなくて……触覚も鍛えて空気の流れで何処に攻撃がくるかを予測しないと」
「そんなこと凡人の私になんて」
「自分を乏し過ぎれば…実力なんて発揮できない…やるかやらないのかのどっちか…出来るまで……繰り返しやれば良い…少なくとも私はそうしてきた……」
(一見綺麗そうに見えた手だけど相当なたこの潰れた後が…!)
「まぁ…お手本が…あった方が早い」
とイータはそのまま剣を納刀する。
「そのまま斬りかかって…」
「無抵抗なのに斬りかかるなんてって言いたいけど…行くわよ!」
とそのまま踏み込んだアレクシア。
「…右からの上段…途中で払いに変更…突き…足払い…左払い…斜め上段…」
そうして打ち込む間に息が乱れてきたアレクシアに最後にイータは目にも止まらぬ速さでまず踵を少し強く踏むと先端に隠してあった鋭利な刃物が飛び出てそのまま、少量の魔力を纏わせたまわし蹴りを顔の目の前で寸止めする。
「動きが見えてればカウンターで逆転できる。それと魔力の配分がまだまだ…余分な魔力を剣に乗せるより…身体強化へまわして手数で攻める…あとで練習出来るようなもの…渡す…」
とイータはそのまま息一つ乱さずに裏庭から去る。
「アレクシアどうだった?イータの講座?」
「そう…ね…あんなに息一つ乱さずにあしらわれたのは…初めてかも…しれない…わ…」
と仰向けの大の字でいうアレクシア。
「まぁイータも目標としているものがあるから途轍もない努力を重ねてる…それこそ死にかけるような目にも有った。それでも諦めない…アレクシアに伝えたかったのは卑下して自分自身の可能性を潰すなってことだと僕は感じた。」
「そう………」
暫く沈黙が続いたもののそれでも
「なんか初めてね…こういうのは、指南役はいつも私の剣に文句付けて…アイリス姉様と比べて…凡人だの何だの…うざったいったらありゃしない…
剣技に磨きを掛けようとしても…私に合わなくて結局独学で…剣をどう振るしか考えてなかった…
でもさっきのは私も気付かなかった身体の使い方…魔力の使い方も少量であんなに爆発力のある速さで蹴れた…
少量でちゃんとしたパフォーマンスを発揮する…それに私に合わせてくれてたんでしょ?」
「まぁそうだね。何時も僕なんて見えてないからね。」
(まぁ嘘だけど…そこは言わないでおくのもモブの優しさというもの…)
「あのぐらいの速さなら…少しすれば追い付ける…身体の使い方も革新的…あれで発明家なんて詐欺も良いところよ!」
「発明家が強くないなんて決まりはありませんので!コンコン!」
「…ねぇイナリ、あいつの目指してるのって誰なの?」
「それは私の口からは言えません。詳しくはご主人様から聞いた方が早いです!」
「それより多分イータご飯作ってくれていると思うから行かないと…立てる?」
「えぇ、って料理作れるの?」
「はい!ご主人様のご飯美味しいんです!」
「イナリ、早く手伝いなさい!あれ作るから」
「は~い!」
とイナリもイータの元へと向かう。
「ご飯も作るって…良いわよ…私の舌を満足させられるかしらね!」
「まぁご期待に沿えるものだと思うよ。」
そうして昼食がまだだったためシドとアレクシアはイータの厚意に甘えることにした。
商店に戻るとイータは人数のおせちなどで使うような四角い器を出していた。
その横でイナリが器用に生地を両手で回しながら広げていた。
「イナリのは分かりやすいね。イータは何を作るんだい?」
「それは後の楽しみ……」
とイータは言う。
先に出来上がったのはイナリの作っていたピザでシンプルにトマトソースにあらびきソーセージとチーズを乗せた物と新鮮なプチトマトと薄く切ったブロッコリーを乗せたピザである。
初めて見る料理に興味津々でアレクシアはシドが食べたようにそのままピザを手に取り口へと運ぶ。
「ハム……美味しい!トマトの酸味と野菜のコリコリした感触…贅沢に使ったチーズも絶品だわ!」
「こっちのソーセージもコショウのパンチとチーズの濃厚さが堪らないね!」
「お口に合ってよかったですぅ~」
「ふふん…こんなに美味しいものの次に出すだなんて可愛そうね…」
と揶揄するアレクシアであるが次の瞬間香ばしい香りが漂う…
「…成る程ね。イータはあれを作ってたのか…納得した」
「…ちょ…ちょっとポチ…この鼻を突き抜けるような暴力的な匂いは何なの!?凄いお腹を刺激するわ…!」
「…お待たせ…特製…うな重…完成…」
「良い具合のたれに程よくご飯に乗せられたうなぎ…イータこれはベガルタうなぎかな?」
「良く分かったわね…そうベガルタから仕入れたやつ…脂身の乗ったプリプリのうなぎを秘伝の付け足しタレをかけたもの。貴女も食べたら?」
「…と、当然よ!王女であるこの私を満足させられると思ったら…おお…間違い…」
パクっと一口食べたアレクシア…その瞬間口の中へ広がる旨味の暴力!脂ののった身はふっくらとさらにタレで深い味を出しそのタレの掛かったご飯を口へと運び弾ける!
ご飯の甘味にあまじょっぱいタレが合わさり至高の逸品へと昇華する!
今まさにアレクシア・ミドガルという一人の少女はうな重のあまりの美味しさに自分という殻を破られ旨味の極致へと誘われたのである!!!!
己を縛る物を脱ぎ捨てるかのようにアレクシアは勢い良く食べ進める。
空になったところで次のおかわり用のものをイナリが取り換えるとまた食べ進める。
「なんだろう、アレクシアの食べっぷりを見てると僕もお代わりが欲しくなるな…イナリ僕も良いかな?」
「は~い!!」
そうして二人は気付けば5杯分のうな重を平らげていた。
「………美味しさのあまり…我を失ってしまうなんて…」
「良い味だったよ」
「……強くて料理も完璧なんて…やっぱり天才なんじゃないの…」
とイータの規格外さにズーンとなっているのだが良く後ろを見てみるとイータが何かしらの機械から料理を取り出していた。
「イータ後ろの発明品はなに?」
「これは米を……美味しく炊き上がらせることに…特化した美味しく炊けるスイハンジャー7号と……うなぎを最適な温度で焼き上げらるやつで……作業はタレを塗るだけな、おどれうなぎ君サード。」
先程までの感動が一気に吹き飛んだアレクシア。
「あ、あんたが作ってた訳じゃないのか!!さっきまでの私の感動を返しなさいよ!!!!」
「…?機械で作った方が確実……ブイ」
とイータが言うのだがそのままぐわんぐわんとイータの肩を揺らすアレクシア。
さっきまでの完璧イメージが崩れ去っていた。
「まぁイータ料理するとは言ってたけど何も自分で作るとは言ってなかったし…って聞いてないね…」
「あはは、シド様デザートのアップルパイです」
「ありがとう…うん、サクサクしてリンゴの味も濃厚に出てて美味しいね!」
「ポチあんたばっかりズルいわよ!!」
「アレクシア様もどうぞ~」
「頂くわ!!」
と一通り言い終わったアレクシアもイータもアップルパイに舌鼓をうちアップルパイの美味しさにイナリを再びスカウトしようとするアレクシアなのであった。
今回はここまでになります。
イータのアレクシアおうにょ育成計画が始まるのか…な展開でした。
独学で振っていた分最適な動きなどがまだまだなためイータが実際に動きそれを身体で覚えさせたことでアレクシアも少し上達していくことに
イータも実力を合わせているとはいえ、攻撃も視線など透き通る世界で何処の筋肉が動いてなど見えるのでアレクシアの攻撃は一切当たらず。
アレクシアもイータがバカにしているのではなく何かを教えようとしていることに困惑しながら自分の剣が上達していることに驚きを禁じ得なかった。
そして圧倒的な実力差であったものの何やら鼓舞されているのは分かったのでもう少し頑張ろうと決意。それでもまだ自分の剣は嫌いなまま。
そこはシャドウが何とかするでしょう
そして昼ご飯をごちそうになりピザとうな重を出された。
中々に重いですがアレクシアおうにょは立場も忘れ夢中で食べ進め料理も完璧なんてと思ったものの後ろの機械で作っていると聞き感動が引っ込んだ。
そしてアップルパイを頬張るのでした。
さてそろそろ物語も動き出し行きます。
果たしてどうなるのか…
皆様のお陰でUA40000を越えました!
お気に入り、感想、評価も沢山ありがとうございます!
これからも精進していきますので宜しくお願いします!
明日の投稿ですが予定があるため多分厳しそうなので明後日になると思われます。
それでは今回も読んで頂きありがとうございました!
異世界食堂続編するなら 七陰+クレアなどで誰が先か?どの料理にするかはまた決めます…(イータは大体付いていくので除外します)
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