陰実の世界に転生したら武神だった件 のんびりしたいが姪っ子が活動的で何だかんだ手伝う内に組織で母と慕われるようになった。   作:生徒会長月光

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今回はアイリス王女がお見舞いに来るところからになります。

そして暗躍タイムの始まりになります。

それではどうぞごゆっくり!

ラストに驚きの展開が待ち受けております。


姉王女は目覚めた妹王女の友人から事の顛末を知り調べ始め病巣の者たちは焦りを加速させ暗躍する者たちの掌で踊る。

私はここ数日日課になりつつある妹の友人の病室へと歩みを進めていた。

 

(アレクシアの手掛かりもなく…ただ時間が過ぎていく…騎士団もこの事件を何やら打ち切ろうと働きかけしようとしている…何やらキナ臭い…この王国で何が起きようとしているの…)

 

そうして彼女はお見舞いに訪れると静かに眠るシド・カゲノーの姿がある。

 

「…アレクシアを守ろうとして守れなかった貴方の無念…それは私では計り知れないものものなのでしょう…アレクシア…こんなことになるのならもっと話しをしておけば…」

 

「ん……んん…こ…ここは…」

 

「!気が付きましたか!!」

 

「僕は…たしか…そ、そうだアレクシア…アレクシアは!?」

 

「落ち着いて。貴方は四日間眠っていたのです…」

 

「あ…ぁぁぁああ僕はそうだ…ご、拷問されて…うぁぁあああ!!」

 

「大丈夫…大丈夫です。」

 

とアイリスはシドを抱きしめ宥める。

 

ある程度落ち着いたであろうシドにアイリスは医者を呼ぼうとする。

 

「とにかく医者を!」

 

「あ、あの…貴女は…?」

 

「私はアイリス・ミドガル。アレクシアの姉です。」

 

「アレクシアの!アレクシアは無事なんですか!?」

 

「…いえ正体不明の者たちに拐われたことしかわからず…」

 

「アイリス王女…!ぼ、僕を…拷問していた奴らが…」

 

と震えながらアイリスへ言葉を紡ごうとするシド。

 

「良いのです。拷問されて気が気ではないでしょう。今は身体を休めて」

 

「アレクシアの血が…王家の血が必要だって…そのために拐うって…」

 

「本当ですか!?」

 

「それで…去り際に…組織の名前なのか…ディアボロス教団って名乗って……」

 

「ディアボロス教団…!それがアレクシアを拐った奴ら…!シド君…大変な目に遭ったというのに貴方は拐われたアレクシアを思ってくれていたのですね…ありがとう。貴方の言葉…無駄にはしません!」

 

とアイリスは部屋を出て医師を呼びに行く。

 

「……ふむ。切羽詰まっているということか…騎士団にもやはり奴らの手の者がいるのは間違いない…ゼノン・グリフィの手先といったところか。」

 

とシドは冷静に分析し第一王女はまずディアボロス教団自体を知らないということが分かった。

 

「さて奴らはこれで焦りこちらを消そうとするだろうな…だがその程度は織り込み済みだ…あとは蒔いた餌に掛かるのを待つだけだな。」

 

そうしてシドはその日の内に検査を受けて異常はないそうなのでそのまま退院ということとなった。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「退院!?何故ですか!まだ彼は安静にしているべきでしょう!精神的にも身体的にもまだ治りきっていない筈です!」

 

「しかしこれは既に騎士団にて決定したことなのです…」

 

「だとしても彼はアレクシアを拐った者たちのことを私に必死に伝えようとしてくれました!それを無下にすることなど私には!」

 

「とにかくこれは既に決定したことです。アイリス王女もアレクシア王女の捜索へお戻りください。」

 

アイリスは騎士団の決定に異を唱えるものの既に決定したことだと言われてしまう。

 

シド・カゲノーが目撃したこと、口にしたことを話した途端の決定にアイリスは内心騎士団にシドの言ったディアボロス教団と関り合いのあるものがいるのであろうかと感じた。

 

「ともかく…彼の貴重な証言を無駄にしないためにも…私が信頼出来る者で調べなければ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

そうして5日振りに寮へと戻ってきたシドは部屋へ戻るなり寮の自室で自慢の陰の実力者コレクションから使えそうなものをピックアップしていた。

 

今夜にベータが来る筈だから少しは見栄を張りたい。

 

葉巻は……まだ似合う歳じゃない。

 

ヴィンテージワイン……フレンチ南西部ポルトーの逸品90万ゼニーだ。いいね、月の隠れた今夜にぴったりだ。

 

ならば最高のグラスをこれに合わせて……これもフレンチで統一、ビトンのグラス45万ゼニーだ。

 

他にもアンティークランプにそれから偶然拾った幻の絵画『モンクの叫び』を壁に掛けて……素晴らしい。

 

ああ、心が満たされる。

 

盗賊狩りしたのも這いつくばって金貨を拾ったのも全てはこの為。

 

僕は選び抜かれたコレクションから出来上がった自室に感涙する。

 

後はこれにドアの間に挟まった届いたばかりの招待状をセットして、時を待つだけだ。

 

僕はその瞬間を待った。

 

ここまでは順調だ…イータから予め説明はされている。

 

「作戦は王都に点在するディアボロス教団フェンリル派アジトの同時襲撃…襲撃と同時にアレクシア王女……の捜索と救出…まぁこれは平気だろう。なんせ…おっと誰が聞いているか分からないからな…

 

さてイナリにはかなり負担を掛けてしまったからな…今度何かしら差し入れをしないと。

 

それにしても後なんだっけか…ロキ、ヨルムンガンド、ヘルの派閥がミドガルではあるんだっけ…何で全部北欧神話の神や怪物の名前なんだ?

 

フェンリルもそうだし…まぁ別に良いか…どうせ全部マザーは潰すつもりだろうし…もしかしたら既に潰してそうな気もするけど…う~んなら若い世代の育成…

 

ならアイリス、アレクシア王女の二人は…王族だし今後の未来を担うだろうから彼女らを矢面にしてその裏でこっそり解決する陰の実力者っての捨てがたい……マザーも姉さんや他の七陰や全体のメンバーの育成をしてたし…そういうのもありか?」

 

と未来に思いを馳せる。

 

「まぁなんにせよ………時は満ちた、今宵は陰の世界…」

 

と丁度入ってきたベータへそう問いかける僕であった。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

敬愛するシャドウ様に呼ばれ私は部屋へと入る。

 

それが、シャドウの下に訪れたベータを迎えた言葉だった。

 

シャドウはベータに背を向けたまま足を組み椅子に座っている。

 

無防備な背中、だがその背中が何よりも遠いことをベータは知っている。

 

その手にはワイングラスがアンティークランプに照らされて輝いている。そして何気なく呑んでいるワインの銘柄は、酒に疎いベータにでも知っている一流のものだった。

 

部屋を彩る一級品の数々、そして壁に掛かった絵画を見つけてベータは驚愕した。

 

幻の名画『モンクの叫び』だ。

 

いくら財を積んでも決して手には入らないまさに幻の一品だ。

 

一体どうやって手に入れたのか、ベータは思わず尋ねそうになるが、そんな事に意味はないと気づく。

 

彼だから手に入れられたのだ。

 

その一言で全ての説明が付いてしまう。

 

彼が『モンクの叫び』を所持していることはただ当然の結果なのだ。むしろ彼以外に相応しい主など、世界中どこを探しても見つからないだろう。

 

「陰の世界。月の隠れた今宵は正に我等に相応しい世界ですね」

 

ベータは言った。

 

シャドウはベータを一瞥し、ただグラスに口を付ける。

 

「準備が調いました」

 

「そうか」

 

何もかも知っている。そう錯覚してしまうほど、見透かした声。

 

いや、事実これから語るベータの言葉は、ほぼすべて見透かされているのだろう。

 

それでもベータは続けた。それが、彼女の使命だから。

 

「マザー様の命により近場の動かせる人員は全て王都に集結させました。その数216名」

 

「ほぅそれ程の数…マザーの本気度が分かるな…」

 

「はっ!マザー様はこれを機に他の潰せるアジトも共に襲撃をするとのことです。」

 

「流石だな。」

 

その言葉だけでとても至福になれる…

 

いつかその隣に立ち、その全てを支えたいと思う気持ちをベータは抑えきれないでいた。

 

いつか、その日の為に。

 

ベータは胸の内を隠して言葉を続けた。

 

「作戦は王都に点在するディアボロス教団フェンリル派アジトの同時襲撃です。襲撃と同時に索敵とそれから…救出なのですが…本当に必要なのか疑問が尽きません。」

 

「ベータよ。イータとイナリからその件は聞き及んでいるな」

 

「はい…なので本当に必要なのかと…」

 

「これからの未来…陰に潜むならば正しき光もまた必要だ。その新時代の光となり得る可能性を持っている…いまだ磨かれぬ原石ならば我らで研ぎ光輝く宝石へとすれば良い。」

 

「流石シャドウ様…先を見る先見性…感服致します…では」

 

「あぁ赴くとしよう。そして」

 

「はい作戦の全体指揮はガンマが、現場指揮はマザー様、アルファ様が取り僭越ながら私はシャドウ様の補佐を。

 

イプシロンは後方支援を担当、デルタが先陣を切り作戦開始の合図とします。部隊ごとの構成は……」

 

「そこは任せよう。信頼できる仲間たちなのだ。問題ない…だが油断はするな。相手はディアボロス教団…何をしてきても可笑しくない準備を怠らぬよう伝達せよ。そして」

 

彼のその手には一枚の手紙。

 

「招待状だ」

 

投げられたその手紙を受け取ったベータは、促されるままに中を読む。

 

「これは……」

 

そこに書かれた余りに拙い誘いに、ベータは呆れと同時に怒りを抱いた。

 

「デルタにも言ったが……プレリュードは僕が奏でよう」

 

「はい、そのように手配を」

 

「付いてこいベータ!」

 

彼はそう言って振り返る。

 

「今宵、世界は我等を知る……」

 

ベータは共に戦える歓喜に震えた。

 

いよいよ動き出したシャドウたちシャドウガーデンの面々。

 

王都にて始まる闇に潜むものたちと陰に潜み陰を狩るものたち。

 

その開始は刻一刻と迫っていた




今回はここまでになります。

というわけでシドの三文芝居に騙されるアイリス王女でした。

そして騎士団に報告をすればゼノン派の者たちは血相を変えすぐさまシドを始末しなければと強引に退院させるものの全てはシャドウの掌。

アイリスに騎士団への不信感を植え付け自身も難なく標的を探せるようになりました。

そして原作同様の部屋へ飾り付けしベータに見栄を張りイータから事前に聞いていた情報を整理していました。

フェンリル派閥のみならず他の派閥も攻撃の対象にしている辺りマザーの徹底具合が分かりますね。

なので人数も原作より増し増しになっています。

若い王族であるアイリス、アレクシアというこれからの世界で必要な人物たちに王国に巣食う者たちを認識し新しく改革が出来るようにしたいとシドは考えてたりする模様。

シャドウはイナリにもなにやら任務を与えているようですがいったい?

それはまた機会のあるときに

次回は囚われているアレクシア………?サイドになります。

皆様お気に入り、感想、評価ありがとうございます!

次回も遅くならない内に投稿していこうと思います。

今回も読んで頂きありがとうございました!



























































イナリサイド

コンコン、私はあることを仰せつかっています。

なのでシャドウガーデンの方で今夜動き出すのですが私はまだ動けません。

アルファ様へは用件を伝えられたのでシャドウガーデン全体に広がっているとは思います。

それにしても可笑しいことです。

巷ではアレクシア様が誘拐されてシド様も意識不明…

でもシド様は既に退院されてらっしゃいます。

それにどうしてアレクシア様が誘拐されてなんて言われてるのか…噂とは宛になりません…だって

「ねぇイナリ…本当にこれで強くなれるの?」

「コンコ~ン間違いないです!ご主人様もそれをお使いになって強くなられました。私もそうですので安心してください!」

「そう…折角の機会ですもの…それにしてもいったいどういう事なのかしらね。」

「王国で何かが起こっているのは確かです…今はまだ身を隠していた方が宜しいと思います…!」

「それしかないわね。ホント見付けてくれたのが貴女で良かったわ。」

「精一杯お世話させて頂きます!…アレクシア様」

だって拐われたアレクシア様はここにいるのに…

異世界食堂続編するなら 七陰+クレアなどで誰が先か?どの料理にするかはまた決めます…(イータは大体付いていくので除外します)

  • アルファ
  • ベータ
  • ガンマ
  • デルタ
  • イプシロン
  • ゼータ
  • クレア
  • シェリー
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