陰実の世界に転生したら武神だった件 のんびりしたいが姪っ子が活動的で何だかんだ手伝う内に組織で母と慕われるようになった。   作:生徒会長月光

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いよいよ学園襲撃編がクライマックスへと突き進んでいきます!

今回はアイリス、アレクシアが事件の黒幕に気付き

シェリーが解析を終えます。

それではどうぞごゆっくり!


解析された制御装置は魔力を解き放ち囚われた学生たちを奮起させ陰の園は全てを終わらせるべく動き出す。

未だに膠着状態が続いている陽が落ちた魔剣士学園。

 

騎士団は再編成されとある資料が取り寄せられた。

 

「アイリス王女!言われた資料持ってきました!」

 

「ご苦労様。下がって良いわ。」

 

そしてアイリスは資料を広げる。

 

「ミストの言う鍵…でもどうして昔の事件を…しかもシェリー先輩の母親の…」

 

「……アレクシア。この事件こそが今回の騒動の前触れなのだとしたら?シェリーさんのお母様が研究していた強欲の瞳。そして亡くなった後その娘のシェリーさんが受け継いだ。見方によっては亡き母親の研究を完成させたって見えるわ。」

 

「えぇ。それからルスラン副学園長が国へ提出した」

 

「そこなんですよ。国へと提出されている…しかし真実は隠蔽され当時の本当の記録を見ると実際には提出されていないのだそうです。」

 

「そんなはすが!…まさか!?」

 

そう当時の記録は改竄されたものばかりであった。それを知れたのはミストよりもたらされた情報のお陰。

 

「これも、また隠蔽されていたのでしょう。ミストからの資料を見るとそれが、分かるわ。そしてこの事件の全容も大きく変わる。」

 

「それは…?」

 

アイリスは防御痕のないこと、即ち抵抗した後がないことから親しい者の犯行であり短絡的に起こしてしまったことを上げ言う。

 

「アレクシアこうも考えられないかしら?シェリーさんのお母様を殺した者は研究が未完成であった…

 

犯人は大いに焦ったでしょう。

 

代わりに研究するものが優秀で疑わない者は当時いなかった…だから自身の手で用意した。

 

そして利用して研究を完成させ魔剣士の多い場所即ちこの魔剣士学園で事を起こした。

 

本来はもっと慎重にする筈が私たちによりその制御装置が持ち込まれた。

 

それを好機として犯行に及んだ。その情報を知れたのはたった一人だけ。」

 

「じゃあ犯人は!」

 

「えぇ信じられないことだけどそういうことなのでしょう。」

 

真実へと辿り着いた二人は信じたくない結論を見つけていた。

 

「……後はミストからの合図を待つしかないわ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

シェリーが解析を進め時折イータが手助けをすることにより制御装置はその効力を発揮しようとしていた。

 

「もうすぐ終わりそうね……」

 

「憂鬱ってところかな?」

 

「そうね。これが終わった後の直すための依頼は来るだろうし面倒ってのもあるけど。」

 

「一番はシェリー先輩のことか。」

 

「えぇ。」

 

「でも時を戻すことなんて僕らには出来ない。出来るのは進んでいくことだけ…結末がどうなろうとシェリー先輩は進むしかない…僕らに出来るのは見守ることぐらいじゃないかな?」

 

「まったく…呑気で良いわねあんたは」

 

「それ誉めてる?」

 

「能天気なことに……呆れてるだけよ。」

 

「皆さんお茶入ったのでどうぞです~」

 

「……イナリはいつも通りだね。」

 

「だからこそ日常のありがたみが分かるのだもの。それがあの娘の良いところ。本当なら裏に関わらせたくないのよ。」

 

「分かってるよ。」

 

「で、出来ました!」

 

とシェリーの手の中には淡い光を放つ制御装置が。

 

「これで皆さんを助けられます!捕まっているお義父様も…」

 

「じゃあイナリはシェリーの護衛をして地下室を通って行って。」

 

「シド君はどうするのですか?」

 

「傷が傷だから医務室へ私が放り込んでおくわ。だから貴女たち二人で行きなさい。」

 

「分かりました!シェリーさん行きましょう!」

 

「は、はい!シド君気を付けて」

 

「シェリー先輩も気を付けて……そうだ最後に一つ。文通をやり取りしてた相手の名前は知らないんだよね?」

 

「はい…でも凄い武勇伝の数々をお持ちらしく一番凄いと思ったのが巨大な猪がオリアナ王国を襲いなす術もないと思われた時に猪を剣技で退治したお話しです!

 

それから色んな所の食べ物の話しも凄かったです!」

 

その話しを聞きシドは何処かで聞いたことのある話しだと感じイータはピンときた。

 

「それからいつも母が好きだったハーブを送ってくれててとても安心する気持ちになれました。

 

名前は分からないですけど…とても優しい人なんだって思います…」

 

「そうなのね………さぁ早いところ行ってあげなさい。」

 

「はい!お二人ともお気を付けて!」

 

「イナリ、シェリー先輩のこと宜しく。」

 

「お任せください!」

 

と二人はそのまま地下を慎重に潜っていく。

 

「さてとシドあんたにも動いてもらうわよ。」

 

「分かってるよ。」

 

「シャドウガーデンの命運を……背負う……覚悟は出来てる?」

 

「それぐらいの覚悟とうに出来ている。」

 

そう言いシドはスライムボディスーツを身に纏う。

 

「我らは闇に沈む真実を光へと還す…でなければ死したものたちが報われぬのだからな。」

 

「そうね。例えそれが目を背けたくなる真実でも……前に進むには必要なこと……世界はままならないことばかりね。」

 

「だから仲間がいる。同じ志を持つ我らの同士がいる限り…歩みは止まらない。」

 

そうして歩き出すシャドウとなったシドの後ろ姿を見てイータもそれに続いていく。

 

「陰に潜み陰を狩る…今一度それを刻ませてやろう。」

 

シャドウが歩いていくと一人また一人とその背に続いていく。シャドウガーデンが今動き出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

シェリーとイナリは湿っぽい階段を下りきる。

 

暗い地下通路をランプの灯りだけが照らす。

 

通路は入り組んでおり、一つ間違えば目的地にはたどり着けない。

 

「えっと……」

 

シェリーは地図を広げて大講堂への道を確認する。

 

「真っすぐ行って三本目を左で……」

 

最初はおっかなびっくり進んでいく。

 

「大丈夫ですよシェリーさん!ゆっくり一歩一歩進みましょう。」

 

とイナリが励ましながらシェリーを勇気付ける。

 

シェリーにかつて義父と一緒にこの地下通路を歩いた記憶が蘇る。仕事中の義父に無理を言って遊んでもらったのだ。それはシェリーにとって忘れられない大切な思い出だった。

 

彼女に父の記憶はない。父は彼女が生まれてすぐに亡くなった。

 

母の記憶も薄れている。母はシェリーが九歳になった夜に強盗に殺された。

 

あの夜、クローゼットの隙間から見た黒い影をシェリーは覚えている。母の叫びと、不気味なあの哄笑は今でも夢の中でシェリーを苦しめる。

 

それでも亡くなる前に話してくれた冒険記はとてもワクワクしながら聞いていた記憶がある。

 

事件のあと数年間、シェリーは声を出すことができなかった。周囲を拒絶し、ただ母の残したアーティファクトに取りつかれた。そして母の跡を辿るかのように研究に没頭した。

 

そんな時彼女の元に一通の手紙が届いたのだ。

 

最初破り捨ててしまおうとしたがそれでも…懐かしい母の匂いがした。

 

そうして手紙に差出人の名前はなかったがそれでも色んな外のことを教えてくれて相談事にも乗ってくれる優しい人で母がもう一人いたらこんな感じなのかなと思っていた。

 

更に転機は続き彼女を救ってくれたのが義父だった。

 

シェリーを引き取って、研究を支援してくれて、家族の愛を注いでくれて、ようやく彼女は声を取り戻すことができた。

 

シェリーにとって家族の記憶とはそのほとんどが義父とその手紙の人のモノだった。

 

ずっと義父に支えられてきた。その恩を返す日が来たのだ。

 

「がんばらなきゃ」

 

シェリーは暗い道を進んでいく。

 

その足取りにはもう、恐れはなかった。

 

途中で転び掛けた時などイナリがフォローしたりして、暫くして辿り着く。

 

「ここが大講堂の下だ……」

 

道はいくつも分かれている。

 

一階へ向かう道、そこから中央へ、さらに二階へ……。

 

地図と道を見比べながら、シェリーとイナリは進んでいく。

 

「ぁ……!」

 

そして、見つけた。

 

そこは二階と三階の間にある小さな通気口だった。

 

人の出入りは無理だが、ペンダントを投げ込むには十分だ。

 

シェリーは通気口からこっそりと中の様子をうかがう。

 

気配を消すのに大切なのは力を抜くことだ、と。シドは言っていた。

 

力を抜いて、ゆっくりと呼吸する。

 

大講堂には沢山の生徒が座っていた。教師も少ないがいる。

 

そして黒ずくめの数はそれほど多くない。魔力が解放されればすぐに逃げ出せるだろうとシェリーは思った。

 

「それではシェリーさんお願いします。」

 

「はい!」

 

とシェリーは通気口から離れ、ペンダントを取り出す。

 

それに用意した魔石をペンダントに組み込むと、白い光と文字が浮かび上がった。

 

光り輝くペンダントを握りしめたシェリーは、迷わず通気口から大講堂へ投げ入れた。

 

大講堂は眩い光に包まれたのであった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

大講堂に集められた学園生たちはロープなどの拘束こそされていなかったものの魔力を使えず抵抗した教師も惨殺されるのを目の当たりにしなす術がなかった。

 

シドに助けられたローズ・オリアナも魔力さえ使えればと思いしかしシドに救われた命を無駄にしてはいけないと反撃の機を待つ。

 

しかし徐々に魔力を吸われているからか体調を崩す生徒も出始め時間はないことを悟る。

 

そして、その瞬間は唐突に訪れた。

 

突如として、大講堂が白く眩い光に照らされた。

 

それが何なのかはわからない。しかしローズは考えるより速く動いていた。

 

その光が何だっていい。ただ、これが最後の機会であることを本能で感じ取った。

 

眩い光に誰もが目を奪われる中、ローズは目を細めて身近な黒ずくめの男へと駆けた。

 

その隙だらけの首に手をかける瞬間、ローズは気づいた。

 

魔力が使えるッ!

 

ローズの手刀が男の首を一瞬で断ち切った。

 

なぜ魔力が使えるようになったかはわからない。それこそどうでもいい。

 

ただ、ローズは首から上を失くした男の腰から剣を奪い、それを天に掲げて吠えた。

 

「魔力は解放された!!立ち上がれ、反撃の時だッ!!」

 

そうしてローズは黒ずくめの男目掛けて剣を振るう。

 

一人また一人と剣を取り応戦していく。

 

しかし魔力を吸いとられ続けていた弊害でローズの放った一撃は黒ずくめに当たるが浅かった。

 

(しまった…!やはり魔力が…一人一人が手練れ…!このままでは…)

 

そうして4人に囲まれたローズだが最後の力を振り絞り斬り払う。

 

背後からの凶刃がローズへと迫り

 

(ごめんなさい…シド君…貴方に助けられた命…ここまでのようです…)

 

ローズは目を瞑るが衝撃は来ず目を開くと

 

「見事だ、美しき剣を振るう者よ……」

 

その深淵から届くような声はローズに向けられ、彼女へ迫った凶刃を返り討ちにした。

 

それは先のローズの剣を称えた言葉なのだろう。だがローズはそんな言葉では表せないほどの衝撃を受けていた。

 

「我が名はシャドウ。陰に潜み陰を狩る者…偽りの園を名乗ったこと…後悔するが良い。」

 

ローズの窮地に現れたシャドウ。

 

占拠された学園を救うべくシャドウガーデンは偽物を狩る




今回はここまでになります!

アイリス王女たちは取り寄せた資料とイータからもたらされた情報を見比べ恐ろしい真実へと辿り着きました。

遂に解析できたアーティファクトを片手にシェリーはイナリと共に地下通路を突き進みそれを見送りシドはシャドウへと姿を変えそんなシャドウの右後ろからイータは付いていきガーデンメンバーはシャドウの後ろへと集結していきます。

イータは極力イナリを裏へは関わらせたくないけれども本人の意思を尊重しています。

そして差出人不明の人を心拠り所としていたシェリー。

世間知らずな彼女はその武勇伝の数々がとある作家により約二年前に世に出ていることを知らない

そして話しを聞きイータは差出人にピンときていました。

そして制御装置により魔力を解放されたローズたちの反撃。

しかしディアボロスチルドレン3rd、2ndの力量は学生よりも高く魔力も万全ではない彼女らにこのままだと勝機はありません。

ローズへ迫った凶刃を颯爽と現れたシャドウが防ぎディアボロス教団の掃討が始まるのでした。

次回は黒幕との対峙などを予定しております。

いつも感謝、評価、お気に入り登録ありがとうございます。

皆様のお陰でUA10万を越えました!

これからも投稿続けていけるよう精進致します。

今回も読んで頂きありがとうございました!

異世界食堂続編するなら 七陰+クレアなどで誰が先か?どの料理にするかはまた決めます…(イータは大体付いていくので除外します)

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