陰実の世界に転生したら武神だった件 のんびりしたいが姪っ子が活動的で何だかんだ手伝う内に組織で母と慕われるようになった。 作:生徒会長月光
シェリーの決断。
彼女の進むべき道とは?
学園襲撃編堂々の完結です。
それでは少し長くなりましたがどうぞごゆっくり!
魔剣士学園が襲撃された世紀の大事件より数日
あれからシドは急ぎ医務室へと運ばれた体を装い九死に一生を得たことになっていた。
事件の主犯はルスラン・バーネットでありしかも騎士団が汚職から横領といった腐敗が明かされ従来の騎士団はイータよりもたらされた物をアイリスが活用しどんどん汚職を暴いていき国民から支持されていて彼女の組織した紅の騎士団は予算も降り経営も良くなってきたとか。
そうしてシドは療養ということで治療され事情聴取を受けた。
「漸く解放されたよ…にしてもベアトリクスさんまた強くなってたな…僕も負けてられないな。それにしても骨格を魔力で強化か…今度試してみよう。」
「あ!シド君!お怪我は平気ですか!」
「シェリー先輩…まぁあの後治療してくれたみたいで元気だよ。あの時の人には感謝だね。
お義父さんのこと残念だったね…もう良いの?」
「…正直まだ…でも…進まないと行けない。お母さんが見たかった先を…どうしてお義父様があんなことをしたのか知らなければいけない…」
「そう。確か学術都市ラワガスへ留学の話しがあったよね?留学するってこと?」
「その話しは断りました…それと一度学園を休学しようと思います…自分を見つめ直すためにも…世界を知るために…これからある人の所へ行ってきます!」
「そうなんだ。頑張ってシェリー先輩。」
「はい!シド君も!って多分すぐに会えると思います…」
「?どういう」
「シド君!また会いましょう!」
そう言ってシェリー先輩は意味深なことを言い残し去っていった。
「空元気というか無理に前に進もうとしてる気がするな…まぁ進むって決めたんなら僕が干渉することでもないね。…さて姉さんになんて言うか…」
とシドは今回の大怪我のことに対するクレアへの言い訳を考えるのであった。
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シェリーはあの事件の後ベアトリクスに思いの丈をぶつけ自室で目を覚ました。
ベアトリクスの姿はなかったもののハーブと書き置きが残されていた。
そうしてシェリーは最低限の荷物を纏めて学園を出た。
養父が起こした事件は多くの学園生を危険に晒し教師たちも何人も亡くなった。
多くは自分に対して同情的な眼差しが多かった…
でも私が強欲の瞳を解析しなかったら…制御装置を解析しなかったら…
考えたらキリがなかった。
あの後お母さんの友人だったベアトリクスさんが強欲の瞳と制御装置を預かることになった。
下手に国に預けるよりは武神様に預けた方が良いとアイリス様は判断したみたいです。
…騎士団もどうも腐敗があり内側から改革をするとアイリス様は張り切っていました…
私も変わらないといけない…でも一人で探そうにも私にはそういった伝手はありません…
ラワガスならと思ったけどそれでも異国の地で一人闇雲に研究して…もしまた利用されたらと思うと怖かった。
ここ数日あまり眠れてなくて考えもどんどん後ろ向きになって…
そんな時あの人が最後のお願いをしていた人を思い出しました。
国からの援助を受けず一人発明家として名を残している…
ベアトリクスさんの娘さん…
私は学校を一度休学することにしました…
申請はすぐに通りその前に助けてくれたシド君へ挨拶をしました。
トランクを片手に以前ベアトリクスさんからもらった地図を頼りに私は王都のあるお店の前に辿り着きました。
「ここが……よし」
とドアを開くと
「ほらイナリ……そっちの薬草取ってちょうだい……あとそこのも…早くしないと爆発……する」
「ふぇぇぇぇぇぇぇ!?数が多いですぅ~」
「なんのために…尻尾が四本あるの…」
「流石に寸胴鍋を4つ既に持ってるので空いてないですぅ~」
「後腕が二本あれば………あら?」
とイータは漸くシェリーが入ってきたことに気付いた。
「あ、あの私」
「ちょうど良い…手伝いなさい…」
と有無を言わせずシェリーを手伝わせるイータ。
突然のことに思わず返事をしてしまったのが運のツキ。
そのままシェリーはトランクを奥の方へ置くとそのままイータに色々と持たされる。
「そこの薬草を絞って頂戴…エキスはこのフラスコに絞り終わったら……今度はこっちのを絞って36度のぬるま湯に付けておいて……じゃないと効能が薄まるから。10分したらさっき絞った二つを混ぜて…今度は80度の高温の熱湯に…5分きっかり付けて5分たったら……最後はそこに置いてある冷蔵の一番下の所へ入れておいて。」
「あ、あの~」
「返事…」
「はひぃ!?」
とそのまま手伝わされることになってしまったシェリー。
イータが作製している薬は市販で出回っている風邪薬の二倍は効果のあるタイプで副作用も少なく効き目が抜群である。
更に学園でイナリが無駄に消費した分も作り無法都市へ供給する品物も作りそれと平行してベアトリクスから預かった強欲の瞳を簡易版強欲の瞳へと作ることで大量生産を急いでいた。
オリジナルがあるのとないのとでは効率が違うのか数もどんどん増えていっている。
それプラス今度は山椒の風味を加えたより深い味を出せるようになったおどれうなぎ君フォースを開発していた。
スイハンジャー8号はベアトリクスから聞いた日本という所の土鍋を作り出す作業だが少し難航している。
ベアトリクスから聞いたのはふっくらと炊けて更におこげという少し焦げた部分がこれまた絶品ということでありイータはベアトリクスの懐かしそうな顔をみて作りたいと思っていた。
「あのイータさん?これって…お鍋ですか?」
「鍋は鍋でも…スイハンジャーに…合わせた物よ……開発が少し難航していてね……それもまた発明の楽しみ…」
「そうなんですね~…あれ?これってもう少し中を深くしたら良いんじゃ?」
「?………!そういうことね…そうすれば下手に空気が籠らないで均等に焼ける……!」
「あれ?」
「あ~シェリーちゃんちょっと休憩しましょう。あぁなったご主人様は没頭しちゃうんで。」
とイナリに案内されるままに居間に通されたシェリー。
「シェリーちゃん貴女がここに来たということはもしや?」
「はい…今の私に後ろ楯やそういう伝手はありません…だからその…イータさんを頼りたいと思って…ベアトリクスさんからここの住所を教えて頂きました。」
「成る程!う~ん。シェリーちゃんはどうしたいですか?ご主人様の元で勉強したいのですか?それならラワガスの方が色々と学べる機会も豊富ですよ?」
「…私は多分怖いんだと思います…今までお義父様を信頼して…でも何が正しくて間違いなのか…分からなくて…強欲の瞳だって私が研究を引き継がなければ…あんなことには…」
「それは使う者が……悪かった…それだけよ。強欲の瞳の吸収する性質を……電気に応用できれば長時間持つバッテリーになる……それだけでも人の生活は豊かになる…今の太陽光だけだとまだまだ進歩が足りない…力っていうのは使い方次第…今回は悪い方へ繋がったけど…正しく使えば良い…」
と作業が一段落したイータはシェリーへ言う。
「……」
「今の貴女は何が正しく…何が間違っているか分からないって……顔…そして国からの援助を受けず自分の判断で研究している…私は正しいと思っている……」
「…はい。」
「私は別に正しくなんて…ない。自分が研究したいもののために研究しているだけ…研究に邪魔だから国からの援助も断ってる……」
「で、でも…それなら…正しいってなんですか…」
とシェリーは消え入りそうな声で…縋るようにイータへと問い掛ける。
「この世に絶対に正しいものなんて…ないのよ。正しいも間違っているも…決めるのは私たち生きている者……なら自分の中でこれだけはって……譲れないものが…自分の正しい物だって信じる……それだけ…」
「譲れないもの…………」
「今すぐ決めろなんて……言わない……でも貴女にとって……掛け替えのない物は……変わらないんじゃないかしら?」
「ありがとうございますイータさん。」
「別に…アイディアをもらったお返し…気にしないで……」
「あの…イータさんの…譲れないものって?」
「そうね……こういうのかしら……」
とイータは色鮮やかな海鮮のどんぶりを三人分出した。
「?」
「取り敢えず食べなさい……貴女少なくとも今日……何も食べてないでしょ…」
「どうしてそれを!?」
「シェリーちゃんその~先程からお腹がなってます…こんこん」
「…へ!?」
時折お腹のなる音がしていたのでイータは昼食を作っていた。
「す、すいません…い、頂きます…」
とシェリーは食べた。
口の中で溶けるように柔らかい味が広がりそこへご飯が加わりご飯の程よい甘さが引き立てる。
赤い宝石のようにきらびやかな粒のコリコリを楽しみ時には淡白な味わいにほんのりわさびを乗せ同じものなのに違う味を引き立てる…ご飯は二重の層のようになっていて下の方のお酢の聞いたご飯もまた上の海鮮ととても合う…気付けばシェリーは海鮮丼を全て食していた。
「美味しかったです!御馳走様でした。」
「お粗末様…少しは良い顔に……なったみたいね」
と先程まで思い詰めていたシェリーの顔が笑顔になっていた。
「さっきの……答え……これ」
「ご主人様は皆がご飯を美味しく食べれるようにしたいんです!」
「美味しく?」
「今の世の中王国から外れた村は……貧しい生活を強いられていたりする……そうした不満…他国との軋轢…資源の奪い合い…色々ある…でも美味しいという共通のもので満たされると幸せが広がる……そうした小さな積み重ねが…今よりも未来で実現出来たら……人が人に優しく手を取り合えるようになる…そう信じてる……ベアト母様の理念で私もそう思ってる…だから私なりに……研究をしてる…」
その言葉にシェリーは
「凄い…(やっぱり私…)」
感銘を受けていた。
「イータさん…いえイータ師匠!お願いします!ここで働かせてください!」
「うん…良いわよ…」
「まだ私…未熟ですけど一生懸命働きます!」
「良いって言ってるんだけど?」
「………い、良いんですか!?」
「なんで貴女が……驚いてるの?」
「研究の邪魔になるからとかダメなのかと思ってて…」
「別に…シェリーの考え方は……中々面白い…今後の研究で…役立つ…」
「もうご主人様それだけじゃないですよね!シェリーちゃんが心配でベアト様からも頼まれてるのですから! 」
「ベアトさんも?」
「えぇ…それでどうするの?」
「宜しくお願いします!」
「そう。それで荷物はさっき……持ってきたやつで良いのね…」
「はい!家も引き払ったので下宿させてください!」
なんとシェリーは休学届けを出したと同時に今まで住んでいたルスラン邸を引き払っていたのだ。
いつか学園に復帰したら学生寮に住まおうと考えたシェリー。
「…………そう…それぐらいの覚悟をもってきたってこと…じゃあ二階の……イナリの隣の部屋が空いてたわね…私は…無法都市へ持ってくやつを作るから…」
「無法都市って危ないところじゃないですか!もしかして人体実験…?」
「そんなわけないでしょ……あれよ…色街の方に窓口にしてる娘がいるから……その娘へ渡して全体に行き渡るようにするの……否応なくそういうのの相手をする商売でもあるから病気の予防のために必要な道具や避妊の薬を渡すだけ…」
色街に辿り着く者たちは自分の身体を売り生きている者たちばかり。イータとしてはそういうところも改善しないといけないと始め色街の娘たちはイータにとても感謝していた。それに風邪に効く薬など無法都市では法外な値段で取引されていることもしばしばあり効能さえ不明な物が多い中イータの薬は信用があり価格も手頃なのも慕われている理由だ。
「ご主人様が放っておけないって始めて最初はお金も取らないでやってたんですけど次第にお金を払わないと申し訳ないってなので相場の半分のお値段で取引することになったんです!」
「そういう娘たちがあるのも……教団が暗躍しているのもあるからよ……」
「あの師匠…教団って…?」
「…貴女は全てを聞く覚悟はある?…貴女の養父ルスランがいた組織であり世界の裏で暗躍する者たち…聞けば後戻りは出来なくなるわ…ここで自分の…スキルを上げるか…真実を知った上で進むのか…それは貴女次第…」
「…私は…どうして母が…養父があんな風になってしまったのか…知らなければいけないと思います。全て知って…いつかお母さんに立派になったって報告を出来るようにしたいです!師匠お願いします!私は全てを知りたいです。」
「そう……それが貴女の選択ね……良いわよ…教えましょう…その前に一度荷物を置いてきなさい…イナリ案内…宜しく、それと何着か服を見繕ってきてあげて…お金はそこにあるから…」
「コンコ~ン分かりました!シェリーちゃんこっちですよ」
とシェリーを案内するイナリ。
そしてふぅとため息をついて自身の作った手頃なソファに身体を埋めちょっとした違和感を感じた。
「…ベアト母様?」
いつの間にかいたベアトリクスはイータの頭を膝に乗せ膝枕していた。
「ありがとうイータ。シェリーのこと…それにイータなりに頑張って私を手伝ってくれてること…」
「…私が好きで…やってること…それに…ベアト母様のお陰で…私は今を生きられてる………恩返しもしたい…」
「最近の貴女は頑張りすぎよ。だから今は休んで。」
「そうする………スゥ」
とイータはベアトリクスの膝で眠りに付く。
「時代の移り変わりは案外早いものね。そして次の女神の試練…聖地と呼ばれた場所にあるものがなにか…そしてあの娘にも話さないとね。」
そうして荷物を運び終わりイナリとシェリーの二人が見たものは仲睦まじく寄り添う二人の姿であり
イナリはイータを休ませたいとシェリーを伴いミツゴシ商会へと歩みを進めシェリーに似合う服を購入しミツゴシ系列のマグロナルドでテイクアウトし夕方過ぎに戻った二人。
幾分かスッキリした様子のイータとベアトリクスの姿を確認しテイクアウトしたマグロナルドを食べその後にシェリーへ教団のことをベアトリクスとイータが教えるのであった。
今回はここまでになります。
ちょっと長くなりましたが学園襲撃編完結です。
後日談でシドがシェリーと出会うのは原作と同じでしたが彼女はラワガスへの留学を断りベアトリクスから渡された住所を頼りイータの元へ。
発明家として研究家として独自のスタンスを持ち国からの援助を受けずにいるイータ。
そういう面からシェリーは国に左右されず正しいことを選べる人間だとも考え会いに向かったところ忙しなく動くイータとイナリ。
イータはイナリに無茶振りしながらも手が足りないと思ってたところにシェリーが現れたのでそのまま巻き込みました。
シェリーも突然のことに思わず返事をしたのが運のツキ。
そうして手伝い今まで一人で研究していたシェリーでしたが他の人とする研究も楽しいと思える時間でした。
そしてイータはスイハンジャーを改良しようと悩んでいたところシェリーのアイディアで改良案が進みある程度形になりましたので近々更に改良を加えたスイハンジャー9号が完成し今までよりもふっくらと炊けてモードを選ぶとおこげも楽しめる逸品へと仕上がる予定です。
そしてイータへと正しいとは何かを聞くシェリー。
イータとしては正しいや間違いは人が決めること。自分の中で譲れないものを作ることと諭します。
そしてお腹の虫のなるシェリーへご飯を食べさせイータはベアトリクスの目指す美味しいを広め人が人に優しく出来る世界を目指したいと語りました。
そんなイータを尊敬の眼差しで見つめシェリーは弟子入りを志願しイータはあっさりOKを出しました。
そして自宅を引き払いシェリーなりの覚悟を決めてきたのだと悟りイナリと共にミツゴシ商会へ服を買いに行かせました。
今回無法都市でも商売をしていることが発覚したイータ。
色街を管理する白の塔の支配者からも一目置かれていることはイータも知らないこと。中世辺りの世界観な影実世界。
そんな治安もへったくれもない無法都市でしかも色街なので生活するためとはいえ女性は性病に怯え誰とも知らない人との子供を孕まされるというのは日常茶飯事なこと。
そうした背景までは考えてなかったイータが読み取り君にて見たベアトリクスの記憶の中での保険の教科書を見てそういうのがあるのかと避妊具や独自の製法で出来た避妊薬を物は試しと実験場として選んだのが色街で曇った顔をした娼婦を捕まえ効能を聞こうと渡したモノは今までなかったもので客としてきた者に使い暫く。
病気になりずらく避妊薬のお陰もあり今までよりも苦しくなくなりイータへと感謝し自ら窓口になった娼婦はそれからもイータの品を自ら培った人脈を通して色街へと広げその話しは白の塔の支配者であるとある妖狐の耳にも入り無法都市にもイータの発明品が轟くこととなった。
実はそれ以外にも色々としているもののそれはまた別の時に。
イータは一段落しソファに座ると気配を消していたベアトリクスに膝枕されていました。
頑張る娘を膝枕する母。
イータは久し振りに快眠できベアトリクスは娘たちの成長が早いと黄昏れそして聖地で行われる女神の試練に思いを馳せました。
その後マグロナルドで夕食を買い四人で食べた後にベアトリクスが主導して教団の真実をシェリーへと語りました。
後日お店でシドと顔を合わせたシェリーは決意に満ちた顔をしていたとシドは発言していました。
ディアボロス教団の説明の時のシェリーの様子はまたどこかでいれたいですね。
次回は1話幕間をいれるかそのまま本編へ進むかすると思います。
感想、評価、お気に入りありがとうございます!
これからも遅くならないよう投稿していきます
今回も読んで頂きありがとうございました!
異世界食堂続編するなら 七陰+クレアなどで誰が先か?どの料理にするかはまた決めます…(イータは大体付いていくので除外します)
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